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医療研究機関でのハラスメントの実態 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
医学研究室のハラスメント.jpg
JAMA誌に2023年6月6日付で掲載された、
医療研究機関におけるハラスメントについての論文です。

今は様々な行為がハラスメントと呼ばれる時代です。

多様性に配慮し、
一方的な人間関係での権力の行使を認めない、
というような点では、
勿論時代の進歩ではあるのですが、
あまりに急激な変化に、
ついていけないところがあるのも事実です。

医療現場や科学研究の世界も、
以前は上司が絶対のヒエラルキーの世界で、
パワハラやモラハラは日常茶飯事でした。
それは今でもそう大きくは変わっていない、
という意見もあります。

特に欧米の高名な研究機関では、
世界中から研究者が集まりますから、
人種や性的マイノリティに対する差別などが、
問題となった歴史もあります。

その現状はどうなのでしょうか?

今回の研究はアメリカ国立衛生研究所から助成を受けた研究員、
トータル830名にハラスメントについての聞き取りを行って、
その結果をまとめたものです。

研究者の性別は男性422人、女性385人、男女以外2名、
性別を特定しなかった研究者が21名です。
人種は572人が白人種、169人がアジア人種、
66人がそれ以外と解答し、解答しなかった対象者もいました。
シスジェンダーでヘテロセクシャル(男女どちらかの性別を持ち、別の性別の相手が性的対象)
が774名で、31名はそれ以外の性同一性もしくは性的対象を持つ、
LGBTQ+でした。

性差別的言動(ジェンダーハラスメント)を受けたと解答したのは、
男性の44.9%と女性の71.9%で、
明確に女性でのジェンダーハラスメントの比率は高いものになっていました。

職場環境に対して男性より女性の方が、
ネガティブな感情を抱いており、
ネットでのハラスメントは、
LGBTQ+においてそれ以外より、
多い傾向が認められました。

このように、現在の専門の研究機関においても、
少なからずのハラスメントが認められ、
特に女性や性的マイノリティの方において、
その影響が高いことが確認されました。

今後こうした検証は、
より多方面で行われる必要があると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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