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ビタミンB6、B12の摂り過ぎと骨折リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ビタミンB6、B12 と骨折との関連について.jpg
2020年のJAMA Network Open誌に掲載された、
サプリメントもあるビタミン剤が、
大腿骨頸部骨折のリスクになるのでは、
というちょっと気になる知見です。

ビタミン剤のサプリメントは、
今でも健康を気にする人の必需品のようになっています。

ただ、最近このビタミンのサプリメントに対する、
風当たりはそれほど順風ではなく、
たとえばビタミンEと一部の癌リスクとの関連など、
ビタミン剤であっても必要量以上に摂取すると、
健康リスクにつながるというような報告が相次いでいるのが実際です。

そして、
最近注目されているビタミンサプリメントの有害事象が、
ビタミンB6とB12の使用による、
閉経後の女性の大腿骨頸部骨折リスクの増加です。

ビタミンB6とB12はともにホモシステインの代謝に関連していて、
その欠乏はホモシステインの増加に繋がります。

ホモシステインの血液中の増加は、
動脈硬化の進行や、
認知症リスクの増加に繋がることが分かっているので、
ビタミンB6やB12を多く摂ることにより、
ホモシステインが低下し、
それが動脈硬化性疾患や認知症の予防に、
繋がることが期待されたのです。

ところが…

2017年から2018年に発表された臨床試験の結果では、
意外なことにビタミンB6とB12のサプリメントの使用により、
閉経後の女性における大腿骨頸部骨折の増加が認められたのです。

今回の研究はこの知見を再検証する目的で、
アメリカで看護師を対象とした有名な大規模臨床試験のデータより、
閉経後の女性のデータを抽出して解析し、
ビタミンB6とB12の摂取量と、
観察期間中の大腿骨頸部骨折の発症リスクとの関連を、
比較検証しています。

ビタミンB6の1日の必要量は1.3から1.7mg程度で、
ビタミンB12の1日の必要量は2.4μg程度ですが、
看護師のデータでは、
最も摂取量の多い群では、
ビタミンB6が1日35㎎以上、
ビタミンB12が20μg以上となっていました。
このように、サプリメントや薬の使用により、
非常に摂取量が多くなるのが、
このビタミンB6とB12の特徴です。

今回の解析では、
この最も摂取量の多い群では、
最も少ない群と比較して、
大腿骨頸部骨折の発症リスクが1.47倍(95%CI: 1.15から1.89)、
有意に増加していました。

つまり、サプリメントでビタミンB6とB12を摂っていると、
大腿骨頸部骨折のリスクが50%近く増加していた、
という結果です。

何故ビタミンB群でこのような影響が起こるのでしょうか?

その原因は現時点では不明ですが、
B6の過剰は末梢の感覚障害や位置感覚障害の原因となることがあり、
それが転倒リスクに結び付く可能性や、
ビタミンB6がステロイドの受容体と競合する働きがあることより、
それが女性ホルモンの受容体と関連して、
骨代謝に影響を与える可能性などが想定されています。

ビタミンB群は水溶性のビタミンで、
過剰になれば尿から排泄されるので蓄積することはない、
というように信じられていましたが、
B6やB12はその身体の必要量と比較して、
サプリメントなどの用量が多すぎるという問題があり、
その過剰は骨折リスクの増加に結び付く可能性があるので、
その漫然とした使用には、
注意が必要であると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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AF冠者

Afと脊柱管狭窄症からくる坐骨神経痛に悩み整体院6か所、病医院3か所巡って効無く、サプリのビタミンB12含有の痛み止めを飲んでおります。今日の記事を拝読し躊躇していますが。
by AF冠者 (2020-04-09 09:07) 

いち読者です

私も自分でビタミン剤を買ってみて驚いたのですが、市販の手に入りやすい商品でもマルチビタミン剤ならば一日の目安の摂取量に含まれるビタミンB系は大体1日から3日分。
ですが、ビタミンBミックスといった商品になるとそれが20日〜30日分ほどの含有量になっています。
パッケージに表示されている一日の目安の摂取量は「毎日のことではない」のかもしれませんが、そうは考えずに真面目に毎日飲んでしまう方も多いように思いました。
by いち読者です (2020-04-09 14:37) 

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