SSブログ

寳菩提院願德寺「如意輪観世音菩薩半跏像」 [仏像]

こんにちは。
石原藤樹です。

今日まで診療所は夏季の休診です。
やらなければいけないことは山積みですが、
なかなか捗りません。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
寳菩提院如意輪観音.jpg
京都の市内からは少し離れた山里に、
寳菩提院願德寺という小さな寺院があり、
その収蔵庫に平安初期の、
この見事な仏様が伝わっています。

昔から拝観したかったのですが、
不便な場所でもあり、
なかなかその機会がなかったのですが、
今回初めて拝観が叶いました。

ここはまず門前でインターホンで許可を得ないと、
中に入れてくれませんし、
案内の方の対応も、
かなり怖いのです。

収蔵庫で説明などはしてくれないのですが、
監視カメラでは監視されています。
あまり良い気分ではありませんが、
こんな世の中なので、
仕方のないことなのかも知れません。

拝観環境は非常に良いのです。
中央の厨子の中に仏様はいらっしゃり、
三種類の明かりが用意されていて、
手元の操作で1つずつ点けることが出来ます。
正面のみですが、
かなり間近に拝むことが出来ます。

木の木目をそのまま活かした仏像で、
自然とこの青い色に変化しているのです。
非常に美しいフォルムを持ち、
完成度は高いのですが、
お顔は菩薩にしてはかなり厳しく、
冷厳なものを強く感じさせます。

その辺りが貞観彫刻という感じで、
神護寺のご本尊にも似た風格を有しているのです。

迫力と優美さと凄みを兼ね備えた名仏です。

傑作の多い貞観彫刻の中でも、
他に類のない造形で、
欠かせない名品だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(30)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 30

コメント 1

Vermeer

傑作の多い貞観彫刻の中でも他に類のない名品⇒
本当にそうですね。純国産なのか、唐からの請来なのか、を議論する声もあるようですが……。

こんな世の中なので⇒
私も現地に足を2度運びました。先般の油掛け事件とか信じがたい事があるのは承知していますが、こちらの対応は自分の拝観史上不愉快さNo.1です。あげく「何か質問は?」と言われて「結構です。」と応えました。

2005年奈良博の古密教-日本密教の胎動展、2006年東博の「仏像」一木にこめられた祈り展で、間近に拝顔出来たことでよし、としています。
by Vermeer (2015-08-19 12:17) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0