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腸上皮化生の話 [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は心療内科の専門外来の日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

今日は「腸上皮化生」の話です。

「腸上皮化生(intestinal metaplasia )」とは何でしょうか?

これは通常胃カメラの検査で診断される、
胃の粘膜の異常な変化のことです。

その名前の通り、
胃の粘膜が、あたかも腸の粘膜のように、
変化してしまうのです。

胃の粘膜の特徴は何でしょうか?

そう、1つは胃酸という強力な酸を出すことです。
強力な酸を出す細胞など、
胃粘膜以外には存在しません。
また、その酸から胃は自分を守らなければならないので、
特殊な粘液を分泌して、
胃の粘膜は自らを守っているのです。

従って、胃の粘膜が腸の粘膜に変化するということは、
胃であるにも関わらず、
酸を出さず、身を守る粘液も出さない、
ということになります。

仮に胃の粘膜の全てが、
腸の粘膜に置き換わってしまったとしましょう。

一体、どんなことが起こるでしょうか?

考えるだに、ちょっと怖ろしいですね。

胃酸が出ないために、食事を消化することが出来ず、
胃の動きも悪くなるために、
食物は胃の中に停滞し、発酵してガスを出します。
要するに、食事が胃の中で腐ってしまうのです。
胃酸は出ませんが、腐敗した食物からは、
有害な成分が発生し、
それに対して防御すべき粘液も出ないのですから、
胃の中はただれてしまい、状態は更に悪化します。
体調は悪くなり、胃はもたれ、下痢になり、
臭いげっぷやガスが出ます。
片時もお腹がすっきりしていることはありません。
その上に傷んだ粘膜からは、
高率に胃癌が発生するのです。

これは決して絵空事ではなく、
現実にそうした症状に苦しんでいる方が、
大勢いるのです。

ちょっと診療所で診断した画像をご紹介しましょう。
腸上皮仮生1.jpg
これは60代の男性の胃カメラの画像です。
胃の中央部くらいの位置です。
矢印の先の辺りに、
いびつな出っ張りが沢山見えますね。
これが腸上皮化生を来たした胃の粘膜です。
胃の全てではありませんが、
結構広汎な範囲に、
こうした変化があるのです。
もう1枚お見せしましょう。
腸上皮化生2.jpg
これは胃のもう少し上の部分に出来た、
腸上皮化生を拡大したものです。
このゴツゴツとした感じが、
腸上皮化生の特徴ですね。

それでは何故、胃の粘膜が、
腸のように変化してしまうのでしょうか?

これにはCDXという名前の、
遺伝子が関わっていると考えられています。
生物の細胞の中の遺伝子というのは、
どの細胞でも基本的には同一です。
それが、ある細胞が胃の粘膜になり、
また別の細胞が腸の粘膜になるのは、
細胞毎に使われている遺伝子が違うからです。
CDXというのは、腸の粘膜の性質を作り出す遺伝子で、
この遺伝子は胃の粘膜では普通は使われません。
しかし、腸上皮化生を起こした細胞では、
このCDXが使われているのです。
従って、これは一種の遺伝子異常なのです。

それでは、どうしてこのような遺伝子異常が起こるのでしょうか?

その原因として、現時点で一番有力視されている犯人が、
皆さんお馴染みのピロリ菌です。
ピロリ菌の胃の感染が長く続くことが、
腸上皮化生の原因だと考えられているのです。

ところが、ちょっと不思議なことがあります。

広範囲に腸上皮化生の起こっている胃の粘膜で、
ピロリ菌の検査をしても、
ピロリ菌は陰性であることが多いのです。
ピロリ菌が腸上皮化生の原因の筈なのに、
どうしてその組織にピロリ菌が見付からないのでしょうか?

その答えは、また日を改めて、
お話したいと思います。

今日は腸上皮化生のイントロダクションでした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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橋本 實(72歳)

内視鏡検査で慢性胃炎が進み、胃の表面があちこちでこぼこになってきたと言われました。直径2~3cm白く見えるところが2箇所ありました。ガス(屁)は一日20~30回出ます。腸上皮化生と思います。薬は朝食後;ドグマチール錠50mg、セフタック細粒10%、 夕食後;オメプラール錠10mg、セフタック細粒10%、 朝昼夕食後;ビオスリー配合錠、各2錠 服用しています。 ピロリ菌は10年位前に除菌し、いなくなったと言われました。腸上皮化生を進めない食事療法他注意事項がありましたら御教示頂ければ有りがたいです。
by 橋本 實(72歳) (2012-07-05 09:42) 

長谷川まり(50歳)

はじめてご相談させていただきます。

7年程前、胃痛があり初めて胃カメラ検査をした時は「急性胃炎」と診断され、処方されたお薬で一旦改善しましたが、4年程前にまた胃痛に悩まされるようになり、2回目の胃カメラの結果、慢性胃炎と診断、処方されたお薬で改善されました。その後もなんとなく胃の具合が気になったので、去年、ペプチド血液検査を受けたところステージⅲと診断され、即、胃カメラ検査をしました。ところが、胃の状態より食道炎の方が酷いと言われ、腑に落ちないので別の病院で胃カメラの検査を受けた結果、萎縮性胃腸炎(食道の状態はさほど悪くない)と診断され、私の場合六君子湯が胃もたれの症状を抑えるのに効果があったので服用しています。その際、ピロリ菌除去について、副作用(胃酸過多になり食道炎が進行する)があるので除去するかどうがしばらく様子をみましょう、という判断になりました。

今年6月に胃カメラ検査があり、胃壁の硬化が酷い、粘膜で胃カメラ検査に支障が出る程なので、副作用を考慮しても長谷川さんの場合はピロリ菌を除去しましょう、と担当医から言われました。

どうやら胃の萎縮が進行してしまったようです。

いろいろ調べていくと、萎縮が進行すると食べたい物がたべられなくなる・・・、私の胃はどうやら腸化している・・・、ということのようで残念です。

質問させていただきたいことは、ピロリ菌除去で考えられる副作用、薬そのものの副作用と除去してしまうことで起きる胃もしくは身体の変化はどんなものなのでしょうか?また、前述の方と重複しますが、これ以上進めないための秘策がありましたら教えていただけませんでしょうか。ビタミンCがよい、と書かれていたのを拝見しましたがおすすめの摂取方法はありますか?

どうぞよろしくお願いいたします。

追伸:三谷さん演出の「チェーホフ」の感想を拝見しました。関心があったので楽しく読ませていただきました。ストレスフリーな時間を過ごせそうなので観に行こうと思います。



by 長谷川まり(50歳) (2012-07-06 13:01) 

fujiki

橋本寶さんへ
物凄い名案はないのですが、
塩分を控えめにすることと、
ビタミンCを多めに摂ることは、
一定の効果のある可能性があります。
お腹に負担を掛け過ぎず、
しかし適度に刺激はするのが、
肝要のように思います。
by fujiki (2012-07-07 08:04) 

fujiki

長谷川まりさんへ
ご年齢を考えますと、
矢張りピロリ菌は除菌するのが、
今後の萎縮性胃炎を進行させないためと、
胃癌の予防のためには、
望ましいと思います。
現状の考え方としては、
胃食道逆流症があっても、
むしろ除菌で改善することの方が多い、
という見解が強いと思います。
ただ、ピロリ菌のいなくなることで、
過酸になり、
逆流の悪化することのあることは事実で、
その場合には胃酸を抑えるような薬を、
使用しなければならなくなるケースはあります。

経験的には、
そうした過酸の症状は、
一時的で、
数か月くらいでは改善することが多いと思います。

除菌の悪影響は、
薬剤によるアレルギーや下痢などと、
その後の胃の状態との、
2つに分けて考える必要があります。

薬剤の副作用に関しては、
使用時によく確認をして頂くのが良いと思います。
通常は軽微なものですが、
薬が体質に合わないこともありますので、
その場合は即座に中止します。
それで後遺症の残るようなことは、
通常は殆どないと思います。

除菌後の症状に関しては、
概ね診療所の経験では、
7割程度の患者さんでは、
除菌により症状も改善します。
残りの方は、
除菌後に、
却って胸焼けがしたり、
胃のもたれるケースがあります。

従って、
除菌の目的はあくまで、
慢性胃炎の進行防止と胃癌の予防のためであって、
症状の改善のためではない、
という認識でやって頂いた方が良いと思います。
by fujiki (2012-07-07 08:16) 

fumi

初めて投稿させていただきます。よろしくお願いいたします。

51歳女性です。
34~35才の頃胃痛が激しく某大学病院で胃カメラ検査を受けたところ十二指腸潰瘍を何度も繰り返した潰瘍痕があると言われました。
またピロリ菌検査をしたところ陽性で除菌をしました。
除菌は「成功した」と告げられ、それ以降胃痛もなくなったこともあり除菌したおかげで潰瘍はもう完治したと安心して今まで生活してまいりました。

毎年主人の会社負担の主婦健診を受けていますが、5年前からバリウムが駄目(毎年便秘でひどい目にあう為)で、胃カメラ(有料^^)に切り替えると萎縮性胃炎と診断されるようになりました。
健診クリニックからは「年齢的なもの」というような説明をされたので毎年萎縮性胃炎と診断されても気にしないで生活していました。

ところが3~4年前から脂っこいものを食べるとムカムカとして胃液が上がってきて吐いてしまうようになり、だんだん食も細くなり5年で5キロ体重が減少してしまいました。
すると2年前から逆流性食道炎とも診断されるようになり、胃液がこみ上げてきたりしたのはそのせいだったのか!と納得しました。

しかし、去年みぞおちの左下あたりがずっと痛くゲップが出たりして苦しい日々が続き、定例の2月の健康診断を待てず行きつけのクリニックに12月下旬胃カメラ検査を急遽お願いしました。

1月に入り結果を聞きに行くと「ぴロリ菌がいるみたいですね。しかし過去に除菌成功していると診断されているので、念のために尿素呼気テストをしましょう」と言われました。
結果はピロリ菌陽性確定でした。

「またピロリ菌が再発生したのですか?」と聞くと「残念ながら過去の除菌が失敗していた可能性が高いですね」と言われました。

今までピロリ菌はもういないと15~16年安心して生活してきただけにとてもショックでかなり落ち込んでいます。

しかも萎縮胃炎はかなり酷く、腸上皮下生になっていると。

「腸上皮下生」って何??とPCで調べていたら、こちらの先生のブログに辿り付きました。
先生が載せていた胃のボコボコ画像はこの間行きつけのクリニックから見せていただいた自分の胃の画像にそっくりです。(涙)

今現在、ライオンパックのタケプロン30、アモリン250、フラジール250mg服用の二次除菌中です。
除菌開始から1年間はヨーグルトLG21、マヌカハニーは除菌判定に影響するので食べないでください。と支持されています。
除菌後血液検査、4ヶ月後に胃カメラ、尿素呼気テストの予約が入っています。

二次除菌失敗はもう嫌なので、このクリニックの対応で十分でしょうか。

また15年くらい前の検査は何で「除菌は成功した」と診断したのでしょうか。
有名な大学病院です。
知らないうちに萎縮性胃炎、腸上皮下生に進んでいってしまったのかと考えると病院を訴えたい気持ちになります。(涙)

また毎年受けている健診クリニックの胃カメラの担当の先生は、去年2月の段階では、萎縮性胃炎、逆流性食道炎についてその場で画像を見せてくれて説明をしてくれましたが、腸上皮下生については全く触れていませんでした。

腸上皮下生については今回行きつけのクリニックで胃カメラ検査を受け初めて診断されました。

1年で腸上皮下生になったと考えられますでしょうか。

また今回の行きつけのクリニックは胃カメラの検査で青い色素をかけた画像もあったので、毎年受ける健診クリニックの胃カメラの検査より値段は3倍しますが、詳しく検査しているように思うのでこれからはこちらのクリニックで年1回胃カメラ検査をお願いしたほうがよいでしょうか?

質問ばかりで申し訳ありません。

またお忙しい中恐縮ですが・・・どうぞよろしくお願いいたします。
by fumi (2013-01-31 02:05) 

fumi

すみません。

追加です。
大学病院で十二指腸潰瘍と診断され、ピロリ菌の検査、除菌、潰瘍のお薬を数ヶ月通い服用して潰瘍が完治しました。(潰瘍痕は残っていますが)

当時潰瘍があったので潰瘍を治すお薬を飲んで落ち着いてから除菌したのか、除菌してから潰瘍のお薬を服用していたのか、またどの段階で「除菌は成功しました」と言われたかを覚えていません。
15年位前なのでどうしても思い出せないのです。申し訳ありません。

ただ除菌後今回のように4ヶ月も経ってから胃カメラ、尿素呼気テストをしたかしら???と疑問です。
by fumi (2013-01-31 02:34) 

fujiki

fumi さんへ
15年前はまだピロリ除菌の保険適応前だったと思いますから、
まだ施設によっても除菌の方法もまちまちで、
確認やその後の経過観察に関しても、
決まった考え方はなかったのではないかと思います。
現行のピロリ菌除菌治療の問題の1つは、
一旦除菌が成功と判断された後の、
経過観察のあり方に、
明確な基準のないことで、
健康保険上は、
除菌を一旦確認して成功と判断されれば、
その後にピロリ菌の検査をすることも、
原則としては認められていませんから、
医療機関の判断に誤りがあったとは言えません。

ただ、
実際には一旦は除菌成功と見えても、
数年でピロリ菌の検出される事例は、
時々あり、
それは再感染ではなく、
成功と見えても少数のピロリ菌は残存していて、
それが徐々にまた増えてくる可能性が、
高いと思われます。

完全に除菌されたのか不充分であるのか、
という点については、
現時点で100%の方法はありません。
通常慎重を期すのであれば、
2種類の方法で確認しますが、
それでも絶対とは言えません。

従って、
除菌が一旦成功と判断されても、
その時点で萎縮性胃炎等の変化が存在すれば、
1年に一度の胃カメラは継続し、
数年に一度はピロリ菌の感染の有無を、
チェックするのが望ましいのではないか、
と個人的には考えます。

ただ、
これは健康保険との兼ね合いもあり、
健康保険の診療の範囲では、
難しい部分もあります。

健診での胃カメラは、
あくまで胃癌などの癌検診の意味合いが大きく、
萎縮性胃炎の経過観察には、
必ずしも充分なものではないと、
お考え頂いた方が良いので、
胃の粘膜に所見があれば、
別箇にチェックをされるのが、
望ましいと思います。

ただ、
腸上皮化生になると必ず胃癌になる、
ということはありませんし、
年齢と共に誰でも起こる変化の1つでもあるのですから、
お気持ちは軽く持って頂いて、
主治医の先生とよくご相談の上、
今後の経過観察のスケジュールを立て、
それ以外の時期については、
あまり気にされないで頂くのが、
良いのではないかと思います。
by fujiki (2013-01-31 08:20) 

fumi

ご親切に早速のご回答心よりありがとうございました。

ひとつひとつご丁寧に分かりやすく説明くださり全て納得できました。
心より御礼申し上げます。

胃カメラについては、行きつけのクリニックが家から3~4分で近いし、内容も詳しく&先生がとても親切で説明も丁寧なので、年に1回お願いしようと思っています。
年に2回は多いですか?そうであれば健診クリニックでの胃カメラは次回からはやめようかと考えています。
また、仰るっ通りにあまり過度の心配はしないように心がけていきたいと思います。

それともう一つ、去年8月下旬頃から、普段は血圧が低いのですが首筋が急にこり出し、頻脈、血圧急上昇、ガクガクと歩けなくなり救急に初めてお世話になりました。朝の血圧は90~60だったのに搬送先の病院では187~120という今まで見たことのない数値でした。
それ以来頭痛、血圧の急変動に悩まされ、脳外科(MRI)、婦人科、甲状腺科、内科、24時間心電図等あらゆる検査をしましたが、やや甲状腺に問題あり、心電図にも少々(経度僧帽弁逆流症)ありましたが、発作の原因には特定されませんでした。

行きつけのクリニックの先生からパニック障害みたいな感じですね・・と言われました。
狭い空間とか電車とかは全く問題なく、朝食後のんびりしている時に突然動機がしだして1時間も経たないうちに血圧が50くらいポンと上がるのです。
クリニックから「ソラナックス0.4」を朝食後に処方され服用するようになって発作がほぼおさまりました。
たまに嫌~な感じになることがまだありますが。
いつまでソラナックスを服用するのだろうと思い、一度心療内科に行ってみようか・・と考えましたが敷居が高く勇気が出ませんでした。

先生が心療内科も担当されているのでしょうか?

もしそうであるのなら、渋谷あたりなら1時間くらいで行けるので今度落ち着いたらお尋ねしようか・・と考えています。

それにしても素晴らしいブログですね。
ためになるお話がたくさんあります。
早速お気に入りにいれました。^^
時間を見つけてこれからも拝見したいと思います。
by fumi (2013-02-01 23:54) 

くりねこ

こんにちは初めて投稿致します
よろしくお願いします

現在58歳、女性です。20代前半で胃潰瘍をしました
その時は注射で治し、その後特に胃で悩むこともなかったのですが

数年前にお腹の調子が悪く、開業医で胃カメラ
市民病院で胃カメラと腸カメラをしました
その時にピロリ菌がみつかりました。特に除菌を勧められることもなく
居たのですが年に一度の胃カメラをするようになり、胃の荒れが酷くなっていたので除菌をしました
1度目では除菌が出来ず、2度目の除菌で成功したものの
相変わらず胃に不快感がありずっと薬は飲んでいました
今年の10月の胃カメラで、前回より胃の状態が悪く腸上皮下生と診断されました

医師の話では治ることはなく、癌化することがあるので年に一度は胃カメラをするようにとのこと
ずっと飲んでいた胃薬(プロマックD錠75・ネキシウムカプセル20mg)
をもらい、家に帰り「腸上皮下生」のことを調べると
胃酸が出なくなるので危険との事
胃酸の分泌を抑えるネキシウムを飲んで大丈夫なのか?と不安になりました
ずっと胃薬を飲んで、治療をしていたのに病状が進行していることもあり
大きな病院で見てもらった方が良いのか?とも思っています
現在は個人の開業医で見てもらっていますが、いつも胃が張っているような感じで不快です
食事が出来ないコトはないのですが、今後どうなるのか?と思うと
精神的に参っています
どうぞ、よろしくお願い致します
by くりねこ (2013-10-21 10:33) 

fujiki

くりねこさんへ
ネキシウム継続の必要性については、
主治医の先生にまずはご相談されるのが良いように思います。
萎縮性胃炎が進行した状態では、
通常胃酸の分泌が抑えられますので、
胃酸を強力に抑える薬の必要性は低下します。
ただ、状況によっては胃酸を抑えた方が、
症状の改善するケースもあります。
腸上皮化生もいきなり胃の全体に生じるのではありませんから、
全体としては酸を抑えた方が良い、
ということも有り得ます。
ですが、一般的には潰瘍などの出現がなく、
定期的に胃カメラをされている状況であれば、
胃酸の抑制剤は減量から中止の方向で、
良いように思います。
by fujiki (2013-10-22 08:24) 

くりねこ

さっそくのお返事ありがとうございます

一度主治医と相談してみます
ありがとうございました
by くりねこ (2013-10-24 00:49) 

きくちゃん

萎縮性胃炎を調べていてこちらのブログに出会いました。
先生にご意見を頂きたくよろしくお願いいたします。

49歳女性です。二十年ほど胃腸の調子が悪く、慢性的に下痢・
食欲不振・腹痛・ガスによる圧痛に悩まされていましたが、今年の
胃痛はいつもと様子が違ったので初めて胃カメラをのみ、10/31、萎縮性胃炎及び悪性腫瘍と診断され、総合病院に紹介され、再度胃カメラをのみました。

医師のPCから、Ⅱc like advanced と poorly differentiated adenocarcinoma という文字を書き写して帰りました。
「低分化型なので、内視鏡はむりで、外科で切除を」と外科を紹介されたのが11/6ですが、手術は一杯で早くて12/3とのことでした。
「放っておいたら1年でえらいことになるよ」と言われたのですが、切除して、これまでの苦しかった胃腸不調から解放される可能性はあるのでしょうか?
浸潤の程度も何も聞いていませんが、やはり切除以外の選択肢はないのでしょうか?
漫然と日々を過ごしておりますが、何か知っておくべき事がありますでしょうか?
お忙しい中大変申し訳ございませんが、頼る人もありません。
どうぞよろしくお願いいたします。



by きくちゃん (2013-11-12 16:35) 

fujiki

きくちゃんさんへ
通常低分化型の腺癌の場合、
早期癌ではあっても、
内視鏡治療では再発のリスクが高いので、
手術が選択されるのが一般的です。
ただ、状況によっては、
内視鏡治療で経過を見ることもあります。
基本的には現行の方針で問題はないと思うのですが、
内視鏡治療での治癒が可能かどうかについて、
セカンドオピニオンを求めるのも、
1つの選択ではあると思います。
by fujiki (2013-11-15 08:28) 

きくちゃん

的確なご指摘ありがとうございました。
長年胃腸に苦しめられているため、癌への関心よりつい今後の生活の質を主に考えてしまいます。
よく考えたいと思います。
本当にありがとうございました。
by きくちゃん (2013-11-15 20:34) 

リベラ

58歳の女性です。
30代後半頃から腹部の痛みがあることが多くなり、
その都度病院で調べてもらい、胆嚢にポリープがあったり、胃炎があったりしました。
去年腹部が張ることが多くなり、半年後くらいに胃カメラ検査をしました。
医師は何もないと仰いましたが、検査結果用紙には「腸上皮化生」と書かれていました。

便秘がちで、ガスが溜まり、胃の痛いことが多いので、プロマック、マグラクス、安中散を処方してもらっています。

また他の病院でシナール、トランサミンを処方してもらい、20年位飲み続け、エビスタは5年ほど服用しています。
そのほかにサプリで、ヒアルロン酸、にんにく卵黄、コエンザイムQ10、プロポリス、DHAを飲んでいます。
すべてのサプリを書かれている分量を飲んでしまうとすごい量になってしまうので、朝晩一粒づつにしています。
腸上皮化生を進行させないようにするために、以上の中で良くないものはありますでしょうか?

また、胃がんになるリスクを下げるため、ヨーグルトLG21を毎日一個、たまねぎもなるべく食べるようにしています。

その他に胃がんになるリスクを下げる食べ物、逆に上げてしまうもの、日頃気をつけることなど教えていただけたら幸いです。
宜しくお願い致します。
by リベラ (2014-06-22 13:40) 

fujiki

リベラさんへ
塩分の取り過ぎとビタミンCの不足は、
一定の関連があると思います。
それとピロリ菌の感染以外は、
色々と意見はありますが、
根拠は乏しいと思います。
by fujiki (2014-06-24 08:37) 

リベラ

ご回答ありがとうございます。

ピロリ菌の有無は何度か検査してますが、いつも「いませんね」と言われます。
ビタミンCはシナールを朝晩服用してるので不足はしてないような気がしますが、塩分控えめの料理を心がけるようにしたいと思います。

ここのところ胃痛が治まらないので、昨夜から以前に別の病院でもらったストロカインとアシノンを飲んだら、少し痛みが治まったようです。

今診てもらってる先生に状況を話しても、薬を変えることはないので、痛みを我慢できずに飲み始めたのですが、
勝手に飲んでも大丈夫でしょうか?

何度も申し訳ありません。
よろしくお願い致します。
by リベラ (2014-06-26 15:10) 

louis14

おはようございます。
初めて相談させて頂きます。37歳 ピロリ菌除菌済みです。

二年前に健康診断で萎縮が見つかりピロリ菌を除菌。
一年後に内視鏡を行ったら腸上皮化生があるとのことです。

胃の痛みはだいぶ良くなったと思いますが、まったくなくなったわけではなく胃の痛みが起こる時は背中も痛む(鈍痛)ことが多いです。

『私の病気はなんですか?』と病院に確認したら
『薬を飲み続ければ大丈夫。内視鏡を飲む必要はありませんよ。』

とわけのわからない言葉が帰って来たので病院を変え
内視鏡を受けたら『腸上皮化生があります。』と言われ薬を処方されただけでした。

あれから一年経ちますが年一で内視鏡は受けるべきですか?
お忙しい所申し訳ございませんが返信いただけると幸いです。


by louis14 (2014-07-17 08:26) 

fujiki

louis14さんへ
あくまで一般論ですが、
はっきり腸上皮化生の所見があれば、
胃癌の発症リスクは高くなることが想定されるので、
年に一度の胃カメラ検査はお勧めしたいと思います。
その検査の時点で、
次回の胃カメラ検査の間隔と、
その必要性については、
施行医とよくご相談頂く必要があると思います。
by fujiki (2014-07-18 08:18) 

louis14

早速の返信ありがとうございます。
そうですね。先生に聞かない私がダメなんですよね。
今度はきちんと聞いてみたいと思います。

ありがとうございました!
by louis14 (2014-07-18 15:32) 

ユキ

石原先生、こんにちは。オーストラリアに在住です。セカンドオピニオン頂けたら幸いです。
約1年前に食後のもたれ、吐き気があり胃カメラを受け胃の3箇所から2〜3ミリの細胞を採取し生検に出した結果が2つの壁粘膜から軽度の慢性の炎症がいくつか見られ、1つの前庭胃粘膜は軽度から中度の慢性の炎症と腸上皮化生が多く見られた(90%以上)といったことが書かれていました。ピロリ菌は生検、呼気テストで陰性。血液検査は2回受け、両方とも陰性でしたがボーダーライン上でした。
この結果から胃全体的に軽度の慢性胃炎、出口近くに腸上皮化生が起こっていると解釈していいのでしょうか?
38歳でこのような胃の状態は酷いほうですか?近い将来胃がんになってしまうのでしょうか?
主治医は2年に一度内視鏡を受けるように指示しています。
ご意見いただけますようお願いいたします。
by ユキ (2014-12-07 09:08) 

fujiki

ユキさんへ
腸上皮化生は胃の出口付近に限局していますので、
それほど進行した状態ではないと思います。
ピロリ菌も陰性であれば、
それほど進行が速いということはないと思います。
日本では概ね、
こうしたケースでは毎年1回の胃カメラをお勧めしていますが、
コスト的な点も考えると、
2年に一度という判断も誤りではないと思います。
定期的な検査は必要ですが、
萎縮のない人と比較すれば胃癌の発症が多い、
というだけで、
勿論癌にならない人の方が圧倒的に多いので、
ご心配はし過ぎないようにお願いします。
by fujiki (2014-12-11 08:41) 

ユキ

先生、ご意見いただきありがとうございました。主治医(消化器科)からはピロリ菌の検査が陰性ではあるが、血液検査が2回とも陰性のボーダーライン上ということで、もしかしたら少しだけピロリ菌がいるのかもしれないから除菌してみますか?と電話で連絡がありました。
除菌してみようかと思っています。お酒は飲まない方がいいと聞きましたが他に除菌中の食事制限などありますか?ヨーグルトやお茶なども大丈夫ですか?
by ユキ (2014-12-11 10:42) 

fujiki

ユキさんへ
薬の服用と同時でなければ、
ヨーグルトやお茶は、
あまり気にされないで良いと思います。

by fujiki (2014-12-17 13:55) 

リン

石原先日初めまして。41歳の女性です。
萎縮性胃炎について検索していると、このページにたどり着きました。
先日胃カメラをうけた結果、萎縮性胃炎の診断で、病理組織所見は萎縮性粘膜からなり中等度の腸上皮化生を伴うびまん性にやや多い円形炎症細胞浸潤を示すとのことでした。悪性所見はなしとのことでしたが、腸上皮化生は、前がん病変とのことで、かなりのショックを受けています。今まで、胃の不調はなかったので、自分の胃がこんなことになっているなんて気がつかずにここまできてしまいました。ピロリ菌は+だったので除菌薬は服用しましたが、呼吸検査はまだしていないので、成功しているかまだわかりません。
除菌成功だとしたら、腸上皮化生の進行は防げるのでしょうか。また、腸上皮化生の改善、可逆的治癒などはどうなのでしょうか。
腸上皮化生の胃がんになる確率はどのくらいの確率があるのでしょうか。その確率は除菌成功であればどのくらい減るのでしょうか。腸上皮化生はピロリ菌がいなくても進行するのでしょうか。それはストレスや加齢が関係あるのでしょうか。
食事はどのようにすればいいのでしょうか。
色々考えてしまい、かなりのストレスを感じ、眠れない日々を過ごしています。
私くらいの年齢で腸上皮化生のかたはどのくらいの確率でおられるものなんでしょうか。
私の不安は解消される日がくるのでしょうか。
腸上皮化生について色々質問してしまいましたが、回答頂けるとありがたいです。
よろしくお願いします。
by リン (2016-01-25 23:54) 

fujiki

リンさんへ
腸上皮化生の診断は肉眼によるものから、
組織によるものまで様々なので、
単純に比較は出来ません。
その後のがんのリスクなどについては、
以前の記事に書いていますので、
ブログを「腸上皮化生」で検索して頂ければ、
ご参考になるデータが見付かるかと思います。
ただ、海外データが主なので、
そのまま適応されるとは限りません。
萎縮性胃炎から進行するタイプの胃癌は、
基本的に早期発見されれば「治る」癌なので、
定期的な胃カメラ検査は必須ですが、
それ以上はご心配をされる必要はないと思います。
ピロリ菌の除菌により癌のリスクが減少することは間違いがありませんが、
これもデータは沢山あって、
数字として確定的なものはないと思います。
私のアドバイスとしては、
ピロリ菌の除菌をして、
生活は普通で問題はなく、
定期的に胃カメラをしていれば、
それ以上はご心配をされる必要はない、
ということです。
by fujiki (2016-01-26 09:47) 

リン

石原先生、早速のお返事ありがとうございます
腸上皮化生の内容、拝見いたしました。
かなり怖いことばかりで、不安になってます。
ほかの文献など見ても明るいないようはなく、受け身の内容ばかりです。
基本的には腸上皮化生は改善は難しいということですね。
私の場合はかなり進行してしまっているということでしょうか。
検査していただいた先生は、腸上皮化生があっても、ガンになるとは限らないし、一部の人しかならないから大丈夫だと言われましたが、そうなんでしょうか。
また、同じような人はたくさんいて、気づいていない人もたくさんいるとおっしゃいました。
定期検診は年一回で、大丈夫なのでしょうか。年一回受けていれば、仮に見つかったったとしても内視鏡で取れて完治するということでしょうか。
まだまだ子供が小さく、この先もっと頑張っていきますが、ここ一ヶ月半で、体重が5キロおちてしまいました。三食野菜中心で食べてますが、体重の激減で、これまた不安になっています
先生の私の腸上皮化生の症状はどうなんでしょうか。ご意見いただけますでしょうか。
お忙しいと思いますが、よろしくお願いします
by リン (2016-01-26 12:30) 

リン

追記です。
腸上皮化生になってしまったら、ピロリ菌を除菌しても、あまり腸上皮化生の進行にいみがないのでしょうか
質問ばかりですみません
by リン (2016-01-26 12:33) 

リン

石原先生何度もすみません
また質問させて下さい
胃の出口辺りに腸上皮化性があるようなのですが、腸上皮化性は除菌後、改善することはあるのですか
まだ、除菌後も進行してしまうこともあるのですか
改善するというのは、腸上皮化性がなくなることはなくても、萎縮ぐらいにもどって胃がんになるリスクが下がるという意味でしょうか 除菌後に胃がんになる人はどのくらいいるのでしょうか
また、ビタミンCや減塩を心がけるのがよいと言われてますが、食事が怖くて、何を食べたらいいのかわからなくなっています
香辛料や、唐辛子など辛い食べ物、冷たいもの、揚げ物、肉類など、胃に負担をかけるものは、食べないほうがいいですよね
先生のアドバイスうかがってもよろしいでしょうか
by リン (2016-01-31 21:41) 

nikorinn

胃カメラで組織を生検に出されたので、pcで調べていてこちらにたどり着きました。初めまして。60代女性です。5年前に萎縮が有ると分かり、1年に1回胃カメラ施工してます。ピロリ菌の除去もしました。今年2月の胃カメラで委縮が有るのは自分でもわかりました。薄い血管が見えましたから。それでその部位辺りに赤く少し出血かな?と思うような赤い色の所が少しだけあり、先生が「念のために出します」と言われました。そのことがとても心配で心配で「ガンではないか?」と。先生、萎縮があること、生検に出されたこと、。どのように心構えしたら良いのかアドバイスお願いします。私はブログはもうしてません。ご無理を申しますが、それならばメールアドレスに回答いただけないでしょうか。よろしくお願いします
by nikorinn (2016-02-29 01:08) 

fujiki

nikorinnさんへ
申し訳ありませんが、
その場合は直接クリニックのメールアドレスに、
メールを頂ければ幸いです。
先生が「念のため」と言われていますから、
その通りの意味に取って頂ければよいと思います。
大きなご心配は要らないのではないでしょうか。
by fujiki (2016-02-29 07:44) 

nikorinn

先生、ありがとうございました
by nikorinn (2016-02-29 09:57) 

zaki

石原先生はじめまして
現在44歳、40歳の時に幽門部萎縮性胃炎とポリープの生検を受けました(悪性所見なし)。41歳の時にピロリ感染も確認され、除菌しました。
今年の内視鏡検査では2年前と比べて徐々に良くなっていると主治医から言われました。
主治医に「萎縮性胃炎は治らないんですよね?」と尋ねると、「そんなことはありませんよ。徐々に白く映っている部分が目立たなくなり、最後はわからなくなります。」と答えていました。

萎縮性胃炎とは、治らないとばかり思っていたのですが、治るものなのでしょうか?
また、胃がん合併のリスクはどのようなものでしょうか?主治医は「念のために年1度内視鏡検査は受診してください」と言っており、わたしもそうします。
どうぞよろしくお願いします。

by zaki (2016-06-30 14:53) 

fujiki

zakiさんへ
萎縮性胃炎がピロリ菌に反応して起こっている場合、
除菌によりかなり状態が改善することがあります。
完全に治るというのは言い過ぎですが、
人によってはかなり正常に近づくこともあります。
ヨーロッパのデータでは、
萎縮性胃炎のない正常粘膜の人が、
その後20年に胃がんを発症する確率は、
256人に1人ですが、
萎縮性胃炎があるとそれが50人に1人になる、
という結果があります。
この通りとは言えませんが、
1つの参考にはなると思います。
こうした萎縮性胃炎から出現するがんは、
その多くが早期に見つかれば完全に治癒する性質のものです。
従って、定期的な胃カメラが重要なのです。
by fujiki (2016-06-30 17:06) 

zaki

先生、分かりやすい説明ありがとうございます。
萎縮性胃炎の症状が改善されれば胃がんのリスクも、普通の萎縮性胃炎の罹患者よりは低いと考えて良いでしょうか?
例えば、健常者の方との中間になるとか。

何度も質問すいません。よろしくお願いします。
by zaki (2016-06-30 19:21) 

fujiki

zakiさんへ
そういうお考えで正しいと思います。
by fujiki (2016-07-01 06:37) 

zaki

石原先生
わかりやすい説明ありがとうございました。
by zaki (2016-07-01 11:01) 

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