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ジェネリック薬品という怪しげ [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は朝から酷い雨と風です。
昼は少し遠くまで訪問診療があるので、
それまでには、
せめて小降りになっているといいのですが。

さて、ジェネリック薬品の宣伝が、
大々的に行われていますね。
これは胡散臭い言葉ですね。
後発医薬品というのが、まっとうな言い方です。

要するに、特許の切れた後、
その薬品を開発はしていない会社が、
製造だけして販売する薬のことですね。
安い価格が付けられているので、
医療費抑制のため、
国が旗振りをして積極的に導入しようとしている訳です。

ジェネリック薬品というのは、誰かがでっち上げた造語ですね。
後発医薬品の後発というのが、
昨日話題にした「後期高齢者」じゃないですけど、
ややネガティブなイメージに取られるのを嫌ったのでしょう。
横文字なら、ちょっと偉そうに聞こえるだろう、
馬鹿を騙すにはこれで十分だ、
という誰かの姑息な考えが垣間見えます。

ジェネリック(generic)というのは、総称みたいな意味ですね。
generic nameというのが、一般名ということになります。
薬の名前、たとえば、ガスターというのは商品の名前で、
一般名はファモチジンです。

医者が処方箋に書く薬の名前は、
ガスターという商品名でもいいし、
ファモチジンという一般名でも言い訳ですね。
この時、ファモチジンと書けば、
後発医薬品も処方出来る仕組みです。
そのことから、如何にも怪しげなジェネリック薬品という言葉を、
でっち上げたんでしょう。

ジェネリックの制度はね、かなり怪しげなもの、
矛盾に満ちたものを含んでいるんです。
そのことは、短い文脈の中では説明しにくいですね。

僕の立場は、
少なくとも今の制度の中では、
同じ薬の価格は、一定であるべきだと思いますね。
同じ内容の筈なのに、会社によって価格が違い、
それを国家が一方向に誘導しよう、というのはおかしいですよ。
日本においては、薬の価格は国家によって決められているんですからね。
この点については、
明日また検証します。

今日は最後に、
一つの例だけを示しましょう。

先ほど話題にした、ガスターという薬がありますね。
胃酸を抑える胃薬です。
ガスターは先行医薬品ですね。要するに特許を持ってる会社の製品です。
今僕の手持ちの本で見てみると、
ガスターの後発品は以下の通りです
ガスイサン、ガスセプト、ガスドック、ガスペラジン、ガスポート、
ガスメット、ガスリック、ガモファー、クリマーゲン、ケミガスチン、ケラモ、
ストマルコン、チオスター、ハーフタツミ、ファスタニール、ファモガスト、
ファモチジン、プロゴーギュ、ブロスター、モミアロン
これだけの数の薬が、全て認可され、
流通しているんです。
全部同じなんですよ。
この価格は全て国が付けているんですが、
その値段も、また微妙に全てが違うんです。
何かおかしいと思いませんか。
薬を減らすつもりで、却って何倍にも増やしているんですから。

今日はこれくらいにします。
石原がお送りしました。

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