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ジェネリック薬品の話の続き [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

昨日は酷い風と雨でしたね。
昼の往診は泣きそうになりました。
今は朝の8時です。
今日は心地良く晴れそうですね。

何度か診察した方が、今入院されていて、
重症だという話を聞き、憂鬱な気分です。
「あの時もっとこうすべきだったんじゃないだろうか」
など、色々と考えます。
最善を尽くしたい、とはいつも思ってはいるんですが、
「面倒臭い」と思ったり、
どうしても安易に走る気持ちも、僅かですが起こってしまうんです。
早く回復されると、本当にいいんですが。

以上、愚痴でした。

さて、昨日のジェネリックの話を続けます。
よく、アメリカのジェネリック普及率は5割を超えている、とか何とか、
主張する意見がありますね。
日本もそのくらいにすべきだ、と言うんですが、
でも、ちょっと待って下さい。

システムが違うんです。
アメリカにはね、薬価なんてないんですよ。
原則として薬の価格は自由に決められるんです。
でも、日本ではそうではありません。
処方される薬は、
全て薬価と言う名の元に、国が価格を決めているんです。
先発品の価格も、後発品の価格も、
全てを決めているんです。

ですから、価格の競争はそもそも出来ない訳です。
国に管理されているんですから。
それなのに、同じ成分の薬の価格が、
それぞれに違うんですよ。
同じ品質の物に、さしたる根拠もなく、
別々の価格を付けているんです。
こんなおかしな話はありませんよ。

それじゃ、先発品の価格が下がらないか、と言うと、
そんなことはないんです。
下がってるんですよ。
発売から何年かすると見直しがあって、
薬の値段は引き下げられるんです。
でも、ここには何となくからくりがありそうでしてね、
大手のメーカーの物は、そうは下がらないんですが、
比較的小さなメーカーの開発品は、
薬価の切り下げの幅が大きいんです。
あまり推測で言うのはいけないですけど、役所の天下りとかの、
関係があるんでしょうね。
大手メーカーには、明らかに甘いんですよ。

ともあれ、以前には、薬の価格のコントロールは、
先発品の薬価を下げることで対応していた訳です。
それに対して、これ以上下げられたら死活問題だ、
とメーカーの抵抗があったんですね。
それで、必要な薬なのに、
メーカーが薬を作るのを中止する事態にもなったんです。
1粒1円以下、なんて薬もあるんです。
酷いですよ。それで採算の取れる訳がないんですから。

そうしたいじめをした挙句に、
打ち出されたのが、ジェネリックの推進なんですね。

でも、そもそも国が価格を決める管理体制の中で、
同じ成分とうたった商品に、
時に10以上の価格が決められる、と言う現状は、
どう考えてもおかしいと思います。
これは同じ成分とは言いながら、
実際には品質に差があることを、
暗に認めている、ということではないでしょうか。
こんなことをして、その一方で高価な新薬を、
どしどし保険適応しているんですから、
こんな政策で医療費が減る訳がないですよ。

ジェネリックのメーカーの多くは零細で、
ある地方にしか商品を流通出来ないような所もあるんですよ。
それに国がお墨付きを与えて薬を作らせる意味が、
何処にあるんですか。

たとえば、花粉症の薬が一体幾つあると思いますか。
ジェネリックも含めれば、100種じゃきかないと思いますよ。
そんなに薬の種類が多い必要がありますか。
ないに決まってるじゃないですか。
数を更に増やすようなことをして、一体どうするんですか。
馬鹿!

ちょっとエキサイトしたので、今日はこのくらいにします。
石原がお送りしました。

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