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「ハリー・ポッターと呪いの子」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも院長の石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ハリー・ポッターと呪いの子.jpg
イギリス発のハリー・ポッターの公式の舞台が、
2022年からホリプロの主催でロングラン上演されています。

特別興味はなかったのですが、
演劇専門誌で多くの評論家が絶賛していたので、
「どんなものなのかしら」と思い、
遅ればせに足を運びました。
石丸幹二さんがメインのキャストです。

これはなかなか良かったですよ。
娯楽劇の1つのお手本という感じで、
日本製では望めないレベルで、
戯曲も演出も練り上げられています。
アメリカ的な仰々しい物量スペクタクルという感じではなくて、
アイデアとセンスで勝負という感じ。

原作のシリーズの19年後の後日談という設定になっていて、
ファンタスティックビーストの映画が前日談ですから、
なかなかこのシリーズは手が込んでいます。
これは作者も関わった舞台がオリジナルですが、
おそらく、というかほぼ確実に、
映画版にもなるのだと思います。

原作の後日談であると共に、
「バックトゥザフューチャー」のような時間SF的設定があり、
流行りのメタバースの要素も取り込んでいます。
ハリー・ポッターシリーズをあまり知らない人でも、
そう困らないように物語は明快に出来ていますし、
それでいて、知っているとより理解は深まります。
そしてラストは原作の「最初の時間」に時空を超えて登場人物が勢揃いする、
という原作ファンにも堪らない構成になっています。
さすがです。

セットは比較的シンプルなものですが、
古典的なブラックアート(黒い背景に黒子が潜んで人間や物体の浮遊を見せる)
を巧みに再利用して立体的な魔法を見せ、
それを群舞やワイヤーワークと組み合わせて、
変化に富んだ魔法を楽しませてくれます。
クライマックスでは色とりどりの炎が飛び交うという、
映画が実体化したようなワクワクする光景が待っています。

ただ、日本版は役者は主役以外は、
やや小粒な感じは否めません。
アンサンブルの技術レベルも、
公演によって差はあるのだと思いますが、
僕が観た時はパントマイムやスローモーションなど、
今一つの出来で、
空中で静止するトランクなども、
あまり止まっているようには見えませんでした。

途中でメタバースで悪の軍団が登場するところなど、
もっと迫力が欲しいな、と思いましたし、
魔法界や魔法学校の重鎮達にも、
もっと格上の感じを出して欲しかった、という思いはありました。
群舞は正直、劇団☆新感線の方が人数は少なくても、
迫力は勝っていたように思います。

全体として演技と身体能力のクオリティが、
それほど高いものではないので、
少し長いな、という印象がありました。
これは1つ1つの場面の細部が、
もう少しクオリティの高いものになると、
また違った見え方になるのだろうなあ、と感じました。

そんな訳で作品としては非常に素晴らしいものなのですが、
日本版にはもう少し頑張って欲しいな、という感じはありました。
ロングランを重ねて、
より磨きが掛かることを期待したいと思います。

それでも久々にロングランに相応しい娯楽作が登場した、
という印象はあり、
是非これからも回を重ねて欲しいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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