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「イモンドの勝負」(ナイロン100℃ 47th SESSION) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日ですが、
区民健診の当番日なので、
午前中はクリニックで健診業務の予定です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
イモンドの勝負.jpg
ナイロン100℃の新作公演が、
今下北沢の本多劇場で上演されています。

これはナンセンスコメディの系譜の作品で、
大倉孝二さん演じる異能の男の、
不可思議な人生を綴った物語です。
このチラシにあるピンクの怪物も、
ちゃんと登場します。

今回はかなり別役タッチだったんですね。
オープニングの大倉さんと峰村リエさんの部分とか、
もろ別役という感じでしょ。
それから山内圭哉さんが出てきて、
客席に向かって1人語りするのも、
初期の別役芝居の定番の感じですよね。
その後も小市民的な生活を綴って、
そこにシュールな要素や、
秘められた悲劇的な要素が垣間見えるのは、
別役芝居そのものですよね。
その一方でほら話が次第に大きくなって、
おバカ同士の不毛な対決になったり、
宇宙人との対決になったりするのは、
ケラさんお得意のナンセンスコメディの感じです。

今回の作品では、
その両者が、あまり嚙み合っていなかったかな、
というように感じました。

キャストはとても豪華だったのですが、
峰村リエさんも池谷のぶえさんも、
別人かと思うほどシュんとされていて、
勿論映像の世界では立派な演技派として、
今は活躍されているので当然ではあるのですが、
かつての異能の人としての大暴れを期待していると、
やや肩透かしの感じはありました。

今回感じたことは、
矢張りナンセンスコメディにはある程度「若さ」が必要で、
今回の成熟したメンバーが、
かつてのようなコメディを、
演じることはなかなか難しいのではないか、
ということです。
別役芝居はシュールなコメディを、
高齢の役者さんも演じられるという点で、
画期的な部分があり、
そのために別役タッチが採用されていると思うのですが、
別役芝居には展開と落としどころとが必要で、
それがないとただの中途半端に終わってしまうのではないか、
というように感じます。
今回の作品はその辺りに、
やや計算違いがあったように感じました。

そんな訳で、
やや肩透かしの変化球という印象のあった本作ですが、
ケラさんはそんなことはとうに織り込み済みだと思うので、
また予想を超える次作に期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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