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ファイザーワクチン接種後の期間と感染リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ファイザーワクチン2回接種後の再感染リスク.jpg
British Medical Journal誌に、
2021年11月24日ウェブ掲載された、
ファイザー・ビオンテック社ワクチン接種後の期間と、
新型コロナウイルスの感染リスクとの関連を検証した論文です。

ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社の、
2種類のmRNAワクチンが、
短期間においては高い有効性を持つことは実証された事実ですが、
概ね2回の接種終了後3か月程度が経過すると、
その有効性は徐々に低下し、
ブレイクスルー感染が増加することも、
ほぼ事実であると認識されています。

ただ、具体的に個別のワクチンにおいて、
どのくらいの期間が接種後経過すると、
どのくらい再感染のリスクが生じるのか、
というような点については、
それほど実証的なデータがある、
という訳ではありません。

今回の疫学データはイスラエルにおいて、
18歳以上でファイザー・ビオンテック社ワクチンを2回接種後、
少なくとも3週間以上経過後に、
新型コロナウイルスのRT-PCR検査を施行した、
トータル83057名の結果とワクチン接種との関連を解析したものです。
全体のうち9.6%が遺伝子検査で陽性となり、
ワクチン2回接種後の期間が長いほど、
陽性となるリスクは高くなっていました。

ワクチン接種完了後21から89日と比較した時、
90日から119日経過後の感染リスク(RT-PCR陽性で判断)は、
2.37倍(97%CI:1.67から3.36)、
120から149日の感染リスクは2.66倍(95%CI:1.94から3.66)、
150日から179日の感染リスクは2.82倍(95%CI:2.07から3.84)、
180日以上経過時の感染リスクは2.82倍(95%CI:2.07から3.85)、
ぞれぞれ有意に増加していました。

つまり、ファイザー・ビオンテック社ワクチン接種後、
90日以上経過すると感染リスクはそれ以前より明確に増加し、
その後徐々に感染リスクが高くなってゆくことが、
今回確認されたのです。

一応現状日本においては、
3回目のブースター接種は、
2回接種終了後8か月以降を目安とし、
クラスターなどの発生があれば、
6か月まで前倒しするとされていますが、
今後再感染のデータが蓄積されるにつれ、
その指針は再検討が必要になるかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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