ブス会「お母さんが一緒」 [演劇]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
朝から呼び出しで出動が掛かり、
今戻って来たところです。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ペヤンヌマキさんの脚本・演出によるブス会の新作が、
今下北沢ザ・スズナリで上演中です。
ブス会はAV監督でもあるペヤンヌマキさんの企画公演で、
元々はポツドールの番外公演的に始まりました。
その最初の作品でもある「女のみち」の、
今年の2度目の再演は非常に素晴らしく、
AVの撮影現場を描いて、
唖然とするようなクライマックスに収斂する女だらけの舞台は、
如何にも小劇場らしい怪作でした。
それで今回の新作も期待したのですが、
もう中年の域に差し掛かった3人姉妹の心の葛藤を描く本作は、
正直僕の好みからは180度外れた舞台で、
面白いと思えるところが1つもなく、
難行苦行のような観劇となりました。
一番大事な部分や劇的な部分は敢えて描写しないという、
岩松了さんのような作劇なのですが、
岩松さんのように、
それが一種の芸になっていて、
何もない会話の連続なのに、
張り詰めた緊張感が感じられるようなところがなく、
3人姉妹の罵り合いが、
リフレインのように続くだけなので、
後半は本当に苦痛との戦いになりました。
その観客サービスのなさは徹底していて、
舞台は温泉宿の一室から動かず、
物語の主題となる「お母さん」は登場せず、
内田慈さんの抜群の美声も、
すぐに録音に切り替わって暗転してしまいます。
こうした中心不在型の芝居も、
勿論小劇場の定番の1つではあるのですが、
戯曲が練れていないので、
台詞がただの繰り返しの連続に終わっていて、
リズム感も収束感も皆無なので、
欲求不満が募るだけの結果に終わってしまいました。
3人姉妹を演じた役者さんは、
それぞれ過去には幾多の怪演や快演のある手練の方なのですが、
今回はその魅力を、
殆ど感じることが出来ませんでした。
「女のみち」のようなものを期待した観客を、
裏切るという意図は分かるのですが、
何か私的な思い入れはあるにせよ、
個人的には辛いだけの観劇でした。
とても残念ですが、
満足されたお客さんも勿論いらっしゃると思います。
演劇というのはつくづく難しいものだなと実感しました。
次の作品に期待したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
朝から呼び出しで出動が掛かり、
今戻って来たところです。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ペヤンヌマキさんの脚本・演出によるブス会の新作が、
今下北沢ザ・スズナリで上演中です。
ブス会はAV監督でもあるペヤンヌマキさんの企画公演で、
元々はポツドールの番外公演的に始まりました。
その最初の作品でもある「女のみち」の、
今年の2度目の再演は非常に素晴らしく、
AVの撮影現場を描いて、
唖然とするようなクライマックスに収斂する女だらけの舞台は、
如何にも小劇場らしい怪作でした。
それで今回の新作も期待したのですが、
もう中年の域に差し掛かった3人姉妹の心の葛藤を描く本作は、
正直僕の好みからは180度外れた舞台で、
面白いと思えるところが1つもなく、
難行苦行のような観劇となりました。
一番大事な部分や劇的な部分は敢えて描写しないという、
岩松了さんのような作劇なのですが、
岩松さんのように、
それが一種の芸になっていて、
何もない会話の連続なのに、
張り詰めた緊張感が感じられるようなところがなく、
3人姉妹の罵り合いが、
リフレインのように続くだけなので、
後半は本当に苦痛との戦いになりました。
その観客サービスのなさは徹底していて、
舞台は温泉宿の一室から動かず、
物語の主題となる「お母さん」は登場せず、
内田慈さんの抜群の美声も、
すぐに録音に切り替わって暗転してしまいます。
こうした中心不在型の芝居も、
勿論小劇場の定番の1つではあるのですが、
戯曲が練れていないので、
台詞がただの繰り返しの連続に終わっていて、
リズム感も収束感も皆無なので、
欲求不満が募るだけの結果に終わってしまいました。
3人姉妹を演じた役者さんは、
それぞれ過去には幾多の怪演や快演のある手練の方なのですが、
今回はその魅力を、
殆ど感じることが出来ませんでした。
「女のみち」のようなものを期待した観客を、
裏切るという意図は分かるのですが、
何か私的な思い入れはあるにせよ、
個人的には辛いだけの観劇でした。
とても残念ですが、
満足されたお客さんも勿論いらっしゃると思います。
演劇というのはつくづく難しいものだなと実感しました。
次の作品に期待したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2015-11-29 10:06
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