抗うつ剤(SSRI)の出血合併症リスクについて [医療のトピック]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Neurology誌に今月掲載された、
抗うつ剤による脳出血リスクについての論文です。
SSRIは現在最も広く使用されている抗うつ剤で、
商品名ではパキシルやジェイゾロフト、
レクサプロやルボックスなどがそれに当たり、
多くのジェネリックも発売されています。
このタイプの薬剤は、
弱いながらセロトニンを介した血小板凝集抑制作用を示し、
そのため僅かながら消化管出血のリスクを増加させるとされています。
ただ、
出血系の合併症で一番問題になる、
脳出血の合併症については、
その報告には混乱があり、
未だ明確な結論は出ていません。
そこで今回の文献では、
これまでのSSRIに関する臨床試験のデータをまとめて解析し、
マッチングしたSSRI未使用者と比較して、
その脳出血のリスクを検証しています。
その結果、
SSRI使用者では、
年間人口10万人当たり24.6件の脳出血の合併症があり、
年間1万人の使用により、
1人の脳出血の患者さんが、
その使用により発症する、
という結果が得られました。
要するに、
非常に僅かではありますが、
SSRIの使用により、
出血系の合併症は増加する、
と言う結果になったのです。
今回の結果をどう考えれば良いのでしょうか?
SSRIの持つ軽度の血小板凝集抑制作用は、
心筋梗塞などの予防効果もあるのですから、
決して悪い作用とは言い切れません。
その出血リスクは、
心血管疾患などの予防に使用する抗血小板剤と比較すれば、
ずっと少ないものです。
ただ、
脳梗塞や心筋梗塞の予防のために、
抗血小板剤や抗凝固剤を使用している患者さんに、
SSRIを使用する場合には、
それにより若干の出血リスクが上昇することを、
心に留める必要はあるのではないかと思います。
今日は抗うつ剤の出血リスクについての話でした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Neurology誌に今月掲載された、
抗うつ剤による脳出血リスクについての論文です。
SSRIは現在最も広く使用されている抗うつ剤で、
商品名ではパキシルやジェイゾロフト、
レクサプロやルボックスなどがそれに当たり、
多くのジェネリックも発売されています。
このタイプの薬剤は、
弱いながらセロトニンを介した血小板凝集抑制作用を示し、
そのため僅かながら消化管出血のリスクを増加させるとされています。
ただ、
出血系の合併症で一番問題になる、
脳出血の合併症については、
その報告には混乱があり、
未だ明確な結論は出ていません。
そこで今回の文献では、
これまでのSSRIに関する臨床試験のデータをまとめて解析し、
マッチングしたSSRI未使用者と比較して、
その脳出血のリスクを検証しています。
その結果、
SSRI使用者では、
年間人口10万人当たり24.6件の脳出血の合併症があり、
年間1万人の使用により、
1人の脳出血の患者さんが、
その使用により発症する、
という結果が得られました。
要するに、
非常に僅かではありますが、
SSRIの使用により、
出血系の合併症は増加する、
と言う結果になったのです。
今回の結果をどう考えれば良いのでしょうか?
SSRIの持つ軽度の血小板凝集抑制作用は、
心筋梗塞などの予防効果もあるのですから、
決して悪い作用とは言い切れません。
その出血リスクは、
心血管疾患などの予防に使用する抗血小板剤と比較すれば、
ずっと少ないものです。
ただ、
脳梗塞や心筋梗塞の予防のために、
抗血小板剤や抗凝固剤を使用している患者さんに、
SSRIを使用する場合には、
それにより若干の出血リスクが上昇することを、
心に留める必要はあるのではないかと思います。
今日は抗うつ剤の出血リスクについての話でした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2012-10-25 08:05
nice!(20)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0