カンジダ食道炎に似た食道早期癌の事例

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

事情があって今日はいつもより早い更新になります。

それでは今日の話題です。

今日はカンジダ食道炎に似た所見の、
早期の食道癌の画像を見て頂きます。

まず、こちらをご覧下さい。

これは今までにも何度かご紹介した、
意外によく見かけるカンジダ食道炎です。
食道の粘膜に、
比較的広い範囲で、
白い付着物が見えます。

それでは次を。

一見同じような白い病変が食道の一部に見えます。
ただ、その部分以外の粘膜は綺麗です。
　
では次を。

もう少し傍によって観察したものがこちらです。

こうして見ると、
白いものが付着しているのではなく、
粘膜の部分的な変化であることが分かります。

この部分の組織を取ると、
上皮内癌と呼ばれる、
浸潤はしていない極初期の食道癌の細胞が見付かりました。

文献的にはカンジダ食道炎と長く診断されていて、
そこから食道癌の見付かった、という報告は幾つかあり、
進行していた事例が多いようです。

今回のケースは他の部位の粘膜に問題がなかったので、
病変の存在が疑えましたが、
広い範囲にカンジダの所見があると、
それにまぎれて癌を見落とすケースは、
結構あるのではないかと思います。

今日は自戒の意味を込めてご紹介させて頂きました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。