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治療方針の継続性をどう考えるか? [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

昨日は地震で驚きましたが、
東京は基本的には平穏で、
本日の診療にも現時点で特に変更はありません。
昨日は11時前には何とか帰れました。
家の中はかなり悲惨ですが、
これはボチボチ片付けます。

北関東から東北の被害は大きいようで、
その点は非常に心配です。

地震の話はこのくらいで、
今日はちょっと軽い話題です。

たとえばご高齢の方が脳卒中の発作を起こして、
救急病院に入院するとします。

患者さんはしばらくして安定した状態になれば、
リハビリ病院に移るか、
長期療養型の病院に移ります。

そこでまた老健に移ったり、
それからまた別の長期療養型の病院を梯子したりして、
最終的に特別養護老人ホームのような施設に移るか、
ご経過が良ければ在宅に戻るのが、
比較的よくある経過です。

ここで長期療養型の病院や老人保健施設は、
包括医療の形式を取っていることが多いため、
そこで可能な医療行為には自ずと制限があり、
先日お話したように、
その前の医療機関の処方が、
使用困難で中止されることも、
しばしば起こります。

僕は近隣の特別養護老人ホームに関わっていますが、
特別養護老人ホームの配置医の立場からすると、
入所された方の病状の経過が、
辿り難くなっていることが非常に多いのが、
いつも頭を悩ませる点です。

入所の時手元に来る紹介状は、
その直前にいた病院や老健からのものだけです。

すると、
たとえば脳卒中の経緯がどうであったのか、
と知りたくなってお聞きしても、
「ここへ来てからは以前の処方をそのまま出していただけなので、
以前のことは分かりません」
というようなお返事が来ることが殆どです。

たとえば、当然使用されている筈の、
抗血栓剤が使用されていないケースがあり、
それは何処かで洩れてしまったものなのか、
それとも何か副作用があって、
使用の継続が困難になったのか、
徘徊して転倒のリスクが高いから、
などの付随する理由があったのか、
後からは全く辿れない状態になってしまうのです。

このように当初の治療の継続性が、
途中で消えてしまうようなシステムは、
もっと改善されなければならないのではないでしょうか?

そうした情報がもっと共有され、
後の診療に活かされるようなシステムがあれば、
先日ご紹介したような処方の中断なども、
起こり難くなるのではないかと思うのです。

皆さんはどうお考えになりますか?

今日は施設の医療の継続性についての話でした。

それでは今日はこのくらいで。

地震の情報には注視しつつ、
いつも通りに仕事を始めます。

石原がお送りしました。
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コメント 6

a-silk

ご無事でなによりです。

by a-silk (2011-03-12 10:12) 

nagapenang

こんばんは、地震の被害はひどいようです。ご無事ねなによりです。
by nagapenang (2011-03-12 21:31) 

yuuri37

ご無事でなによりです。
昨日は、恐くて大変な一日でした。
情報の共有って凄く大切なことだと思うのですが・・・
by yuuri37 (2011-03-12 22:48) 

fujiki

皆さんへ
お気遣いありがとうございます。
皆さんもお元気で。
by fujiki (2011-03-13 22:03) 

九子

その一端を担うのが調剤した薬局が患者さんにお渡しする「お薬手帳」だと思います。全国的にはだいぶ普及しつつあると思いますが・・・。

薬局は処方内容を「お薬手帳」に書き入れて、たぶん処方内容が変わったりするたびに新しい処方内容を書き込んで行きます。だから処方履歴がわかるのですが、問題は患者さんがお薬手帳を医院や薬局に持ってきてくださる習慣がないとうまくいかないことです。
by 九子 (2011-03-20 16:28) 

fujiki

九子さんへ
コメントありがとうございます。
そうですね。
僕もいつもお世話になっています。
by fujiki (2011-03-21 10:03) 

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