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新型クチン接種後死亡事例59例の検証 [新型インフルエンザA]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から健診結果の整理などして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

今日はまた新型インフルエンザ関連の話です。

以前に新型インフルエンザワクチン接種後に、
死亡された方の事例を検証しました。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2009-12-01

この時点では、死亡された方は26名でしたが、
12月16日に専門家の検討会が開かれ、
その時点で開示された資料によると、
12月10日までに、
70例の死亡事例の報告があったようです。

死亡事例は矢張り高齢者に圧倒的に多く、
60代以上が65名と、
9割以上が60歳以上です。
それ以外の内訳は、
50代が2名、30代が1名、
10代と10歳未満が、それぞれ1名ずつです。

このうちの11例は、まだ現時点で、
事例の詳細が開示されていません。
従って、現時点である程度の状況が分かるのは、
59例、ということになります。

もし仮にこの70名の方が、
全て新型インフルエンザワクチンの、
副反応で亡くなったとすれば、
これはもう異常な事態です。

検討会で配られた資料には、
海外での新型ワクチンの副反応報告のまとめがあり、
それによると、アメリカでは12月4日までの時点で、
推定6400万人に接種が行なわれ、
死亡者は19名と報告されています。
日本で同じ時点での接種者の推定は、
600万人程度です。
単純に計算すれば、
その致死率は、アメリカの40倍、
ということになります。

検討会の資料には、非常に興味深い点が、
多々あります。

新型ワクチンの接種者の数は、
アメリカが圧倒的に多く、6400万人ですが、
イギリスではたったの180万人(12月1日現在)、
フランスでも200万人(12月6日現在)、
スイスでも284万人(12月4日現在)です。

つまりワクチン好きのアメリカ以外は、
それほどしゃかりきになって、
新型ワクチンを打っている訳ではないのです。

日本は国内でも充分な量のワクチンを製造しながら、
大量の輸入まで行なって、
「国民全員に新型ワクチンを!」
という方針を取っている訳ですが、
現在の新型インフルエンザの性質を見る限り、
これはちょっと常軌を逸した方針のように、
思えなくもありません。

季節性インフルエンザより、
現時点で致死率も低い感染症に対して、
安全性の必ずしも確立していないワクチンを、
国民全員に打ったら、果たしてどういう事態になるのか、
という壮大な実験をするつもりなのかな、
と思えなくもありません。
そんな企ては、おそらく人類の歴史の中で、
初めての試みだという気がするからです。

さて、資料を見る限り、日本の国産ワクチンに、
匹敵する死亡率のワクチンがもう1つ存在します。

EUの出した統計によると、
12月1日の時点で、グラクソ・スミスクライン社のワクチンは、
1100万人に接種され、そのうち60名の死亡が報告されています。
これでも日本の致死率の半分なのですが、
他の統計に比べれば、
圧倒的に高い数字です。

日本はわざわざこのワクチンを、
大量に輸入するのですから、
それを決めた専門家とお役人の見識の高さには、
頭の下がる思いがします。

ただ、勿論これは70名の亡くなられた方が、
新型ワクチンの副反応であった場合の話です。

検討会の資料によれば、
現時点での主治医の見解は、
70名全てが「関連無し」か「評価不能」です。
専門家の検討の結果も、殆どそれをなぞるものです。
従って、皆さんがこの評価をお信じになるなら、
1000万人以上に接種した時点で、
国産ワクチンの死者は1人もいない、
ということになり、
世界に冠たる安全性の高いワクチンだ、
ということになる訳です。

果たして、どちらの見解が正しいのでしょうか?

以下、僕の個人的見解をお示しします。

僕は接種後数日以内の急死の事例には、
かなりの共通項があり、
その事例については、ワクチンとの因果関係が、
ある程度存在するのでは、という考えを持っています。

これは以前僕が分類した、グループAの事例です。
事例順でいうと、
1、2、3、4、8、9、10、12、14、15、16、17、19、20、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、33、34、35、38、39、40、41、48、60、の33例です。

1つだけ、典型的な事例をお示ししましょう。

症例33は、80代の男性で、
特別養護老人ホームに入所中の方です。
11月26日の夕方に新型ワクチンを接種したところ、
11時間後の深夜に、
心肺停止で発見されています。
専門家の意見は、
「何らかのワクチン無関連の急死と思われる」です。

これと非常に似通った事例は、
現時点で10例を超えており、
ワクチンと無関係と断じるのは、
ある種の結論ありきの姿勢が、
あるように思えてなりません。
亡くなられた方は、
高齢で心肺機能の低下している点が、
共通しており、
ワクチン接種と突然死との間に、
何らかの関係があると考えることの方が、
理に適っているように僕には思えます。

ただ、最近の報告事例には、
こうしたものは少なく、
ワクチン接種後に感染症の増悪を来たして、
亡くなられた、という事例が多くなっています。

これはおそらく、老人ホームや在宅医療での、
新型ワクチンの高齢者への接種が、
死亡事例の報道などもあって、
ある程度手控えられているせいではないか、
と僕は推測しています。

死亡事例の中には、明らかな誘因なく、
心肺停止を起こした事例の他に、
明らかに呼吸状態が悪化し、
数日で急変した事例が、
複数含まれています。
心肺停止の事例は、
おそらく急性の心臓死と考えられますから、
呼吸状態の悪化した事例は、
それとはメカニズムを異にしている、
と考えられます。

検討に当たった専門医のコメントでも、
「間質性肺炎の悪化は、ワクチンで有り得る」
という内容と、
「反応性の胸膜炎も、ワクチンで有り得る」
という内容のものがあり、
ワクチンの免疫刺激が、
ある一定の自己免疫関連の病態では、
その悪化に寄与し得る、という推測は、
成り立つのではないかと思います

また、死亡事例には、
複数の出血の事例が含まれています。
具体的には症例7の腹腔内出血、
症例23、症例30、症例65の脳出血、
症例42の下血、症例53の出血性腸炎です。

公式見解ではいずれもワクチンとは無関係、
とされていますが、
自己免疫疾患の悪化時に、
出血性の病変がしばしば起こることは、
良く知られた事実であり、
またウイルス疾患で、脳出血が死因となることも、
決して珍しいことではありません。

特定のロットに、副反応が多いのでは、
という意見が一部にありますが、
僕は個人的にはそうは思いません。
今回ワクチン由来の突然死が多いのは、
抗原刺激そのものの特性にこそあるのではないか、
というのが僕の意見だからです。
何となく特定のロットに死亡事例が多い、
というように見えなくはありませんが、
細かく見てみると、
明らかにワクチンと無関係と思われるものも、
その中には含まれており、
また特定のロットの事例に、
共通する特徴も、ないように思われるからです。

最後にもう1つ、僕が考える問題点は、
事例の検証をする専門家の中に、
法医学者がいないことです。
今検視の講習を受けているので思うのですが、
生きている患者さんを対象とする医者と、
亡くなった方の死因を検討する医者とでは、
おのずと死因に対する考え方も違うのです。
たとえば、心臓死と呼吸不全による死亡とは、
基本的に全く異なるものなのですが、
今回の事例の検討の記録を読んでも、
その点に対する認識は甘く、
どちらも同一のことのように処理され、
明らかに急性の心臓死と思われる事例も、
平然と呼吸不全のように解釈されています。

本来死亡事例の検証の専門家は、
法医学者である筈です。
法医学者がこうした検討会に中心的役割で加われば、
また別個の観点が生まれるように、
僕には思えてなりません。

現状の僕の認識は、
ご高齢の心肺機能の低下した方では、
一定の確率で、ワクチン接種後の突然死は、
起こり得る副反応だ、ということです。
従って、後はそのリスクよりも、
接種のメリットが大きいかどうか、
という点が問題であり、
そのメリットが明らかに大きい時に限って、
ご高齢の心肺機能の低下した方への、
ワクチン接種が行なわれるべきと考えます。

「国民全員にワクチンを」など、
とんでもないことです。

以上、現時点での新型ワクチン死亡事例についての、
まとめでした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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samapapa

先月半ばに新型ワクチンの事を調べていてこちらを見つけてから、いつも拝見させていただいています。

当時は翌日に5歳の娘の新型ワクチン接種を控えていた状況で、先生のブログを読ませていただいた結果、新型ワクチンをドタキャンして季節性の2回目の接種に急遽切り替えて以来、現在に至ってます。

特にこの2ヶ月くらいは新型ワクチンを2人の娘に接種させるべきか毎日悩み続け、まともに眠れない日々もありましたが、今ではワクチンを接種しない決心が固まりました。

”新型インフルエンザの特徴やワクチン接種の効果とリスクを把握した上で判断してください”というような文言をよく目にしますが、結局この効果とリスクが明確にならないまま、私の周辺でもやたらと最近集団接種の情報が目につくのはいかがなものかと思うようになりました。

既に罹患した子供達が多いのに加え、一時のピークが過ぎて接種希望者が減っているのを危惧しているのか、優先接種の前倒しもあちこちで聞かれ、余ったワクチンを少しでも多く打たせようとしているような魂胆が見え隠れするのは考えすぎでしょうか?いずれにしても70人の方々が亡くなっているこの状況はとても正常とは思えず、この事がなぜもっと報道されないのかも不思議でなりません。

今日は長女が終業式でしたが、保育園に通う次女も含め、2人ともインフルエンザに罹ることなく、ここまで元気に過ごしてくれました。とりあえず冬休みの間は気が休まりそうです。ただ、まだ完全に終息したとは到底言える状況ではないので、冬休み中も不要不急の外出は控えて用心したいと思います。

取りとめのないコメントで申し訳ありません。
先生もお体に気をつけて、よいお年をお迎えください。
今後も先生のブログを楽しみにしています。
by samapapa (2009-12-25 23:03) 

fujiki

samapapa さんへ
コメントありがとうございます。

厚生労働省の局長は、
「予防接種法」の改正に取り組む、
ということのようで、
ワクチンの増産や集団接種の再開は、
もう規定路線なのだと思います。
今回の新型ワクチンは、
そのための足掛かりにしたいので、
都合の悪い情報は、
なるべく出したくない訳です。

診療所の周辺でも、
新型ワクチンはだぶついていて、
特に10mlバイアルは大量に余る、
ということが予想されるので、
その分を集団接種に廻して、
さばいてしまおう、という意図も、
垣間見えるような気がします。

samapapa さんも、
よいお年をお迎え下さい。
これからもよろしくお願いします。
by fujiki (2009-12-26 06:40) 

a-silk

アンギオテンシンの記事、とても勉強になりました。
母も高血圧ですので。

「国民全員にワクチンを」など、
とんでもないことですね。

過激かもしれませんが「新型薬害」にならなければ、いいですが。

先生の意見、表に出すにはどうしたらいいのか。

良識あるお医者さんが増えることと、マスコミの報道に流されない
国民が増えることを、
初詣でお祈りするしか、ないのでしょうかね。




by a-silk (2009-12-26 18:35) 

fujiki

a-silk さんへ
コメントありがとうございます。

ちょっと力を入れて書いたものなので、
そう言って頂けると、
非常に嬉しいです。
by fujiki (2009-12-26 20:33) 

後悔子

はじめまして。間質性肺炎で検索してこちらへたどり着きました。
間質性肺炎をわずらっていた76歳の母は新型インフルの接種後、急に容態が悪くなり入院後3週間で亡くなりました。
接種は11月20日に行いました。前日にかかりつけの診療所から急に「できますよ」と電話があり軽い気持ちで私も接種をすすめてしまったのです。きっとワクチンが余ってしまったので近所に住む母がターゲットにされたのではないかとおもいます。母亡き後ネットで調べてみるとその時点で間質性肺炎悪化の副反応のことなどが厚生省より出ており今となっては悔やんでも悔やみきれません。
新型インフルワクチン接種前までは自転車でスポーツクラブへ行きヨガやピラティスをやり、パッチワークを楽しんでいた母。
かかりつけ診療所の先生を恨む気持ちはありませんが、石原先生のように慎重なご意見の先生もいらっしゃるんだということを知り安心した次第です。


by 後悔子 (2010-01-01 11:34) 

fujiki

後悔子さんへ
コメントありがとうございます。

お母様のこと、本当にお辛いことだと思います。
安易なことは言えませんが、
もっとワクチンのリスクを階層化し、
接種医療機関もそれによって、
幾つかのグループに分けるような体勢が、
望ましいのではないか、
と僕は思います。
今のように、打たなければ損、
のような煽り方は、
100パーセント安全なワクチンなど存在しないのですから、
何処かが間違っているように、
思えてなりません。
by fujiki (2010-01-01 23:50) 

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