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ワクチンという手法の限界について [科学検証]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から健診結果の整理などして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

ワクチンという手法は、
医学の歴史の中でも、
輝かしい成果を誇っています。

もしワクチンという考え方が存在しなかったとしたら、
現在の医療が今と同じような信頼を得ていたかどうかは、
疑問だと思います。

しかし、ワクチンという手法には限界があります。

その限界を如実に示す現象が、
昨日お話した「抗体依存性感染増強現象」です。

ワクチンという手法に効果があることは事実ですが、
何故ワクチンが効くのか、という点については、
まだ分からない点が多く存在します。
ワクチンというのは、
あくまで病原体もどきで身体の免疫を刺激して、
結果としてその病原体の感染を阻止出来れば、
それで成功なのです。
その間には免疫という名のブラックボックスが存在するのですが、
そのメカニズムを僕達はまだ、
部分的にしか把握してはいないのです。

HIVに対するワクチンが、未だに成功していないのは、
HIVもどきを作って免疫を刺激すると、
却って感染し易くなったり、
感染が重症化したりするというジレンマがあるからです。
同様の現象は、昨日お話したデング熱のウイルスと、
その仲間のウイルスでも同様です。
ワクチンを作って抗体を上昇させると、
却って、他のタイプのウイルスに感染し易くなったり、
それが通常の感染より重症化したりします。

ウイルスもどきは今の技術であれば、
幾らでも作ることは出来ますが、
それがどのような抗体を作り、
どのように免疫に働きかけるのかは、
実際に試してみなければ分かりません。

その意味で、現状のワクチンは、
常に人体実験の側面を持っている、
という事実を忘れてはいけません。

インフルエンザワクチンに関して言えば、
科学者の今の野望は、どんな型のインフルエンザにも効く、
所謂「万能ワクチン」の開発です。

あるワクチンを打つだけで、
A香港型にも新型にも同じように予防効果のあるワクチンです。

この考えのベースにあるのは、
交差抗体反応と言って、
ある型のインフルエンザに感染すると、
別の型の免疫も、
ある程度誘導されることがあるという事実です。

ただ、これもデング熱の事例のように、
一時的には全ての型のウイルスに対しての免疫が成立しても、
それは長くは続かず、却って不充分な抗体が産生されると、
それが他の型のウイルスの増殖を助長し、
感染を重症化させるという、
教訓とすべき実例があります。

繰り返しになりますが、
ワクチンを打つことは常に人体実験の側面があり、
たとえばインフルエンザの万能ワクチンが完成し、
それを打ったところ、
インフルエンザの感染が却って重症化して、
最悪のパンデミックを招く、
というシナリオも存在し得るのです。

通常のワクチンの製造では、
中和抗体の産生を確認してその指標としているため、
単純に開発されたワクチンで感染が拡大するような事態は、
ほぼ阻止されているものと思われますが、
それでも予期しない免疫反応が起こり、
副反応の明らかになることはしばしばあります。

しかし、これが万能ワクチンともなれば、
単純に中和抗体でその効果を判断することは出来ない訳で、
想定外の重篤な副反応の生じることも、
否定は出来ないのです。

そして、新型インフルエンザのワクチンも、
今年は人体実験として接種されるのです。

政権が代わっても、
大量のワクチンを海外から輸入する方針には変更はないようですから、
僕が今更何かを言ったところで、
何の意味もないのかも知れませんが、
僕は現時点においても、
今年は輸入ワクチンは使用せず、
国産のワクチンを有効活用するのが、
今シーズンに関しては最良の方針だと思います。

輸入はグラクソ・スミスクラインとノバルティスのワクチンのようですから、
グラクソはAS03、ノバルティスはMF59という、
日本では許可されていない、
オイル・イン・ウォータータイプのアジュバントを添加した、
スプリットワクチンです。

その輸入ワクチンの臨床試験が日本で始まったのは、
何と9月の17日のことです。
日本製のワクチンについては、
当初は臨床試験をやる予定すらなく、
慌てて同じ日に始まったという有様です。
少なくとも国産のワクチンに関しては、
どうしてせめて1ヶ月前に試験を開始しなかったのでしょうか?
専門家は一体何をしていたのですか?
これほどの行政の怠慢があるでしょうか?

2回打ちで臨床試験をすると言うことは、
2回の間隔が3週間掛かる上、
その3週間後に抗体を測るのですから、
健康成人の治験をするだけで、
最低でも6週間は掛かります。
これが10月の終わりで、
結果がまとまるのは早くて11月の上旬です。
リスクのある小児や妊娠されている方の治験は、
更にその後になりますから、
年内に何とかぎりぎり間に合うかどうかです。

にもかかわらず、10月の19日の週には、
接種を開始するというのですから、
安全性の軽視もはなはだしく、
空いた口が塞がりません。
まあ、最初に接種するのは医療従事者だということですから、
それが人体実験のつもりなのかも知れません。

副反応で健康被害が生じたら、
税金でそれを補償すると決めれば、
それでOKなのでしょうか?

本当にこんなスケジュールでいいのでしょうか?
国民の生命と健康を守るというのは、
こんな辻褄合わせだけの段取りのことなのでしょうか?
10月の19日に始めると発表されましたが、
それが如何に安全性を軽視した決定であるかということを、
理解している人がどれだけいるのでしょうか?

勿論ワクチンの安全性は、
使ってみなければ最終的には分からない性質のものです。
しかし、慎重な下調べをし、臨床試験をすれば、
未然に防げる性質の副反応もある筈です。
安全性の確認に時間が掛かったという説明で、
接種のタイミングが遅れても、
それを非難する人がいるでしょうか?

現状は「緊急避難的輸入」をするような事態ではない筈です。

今からでも輸入の方針を撤回して頂くよう、
僕は切に願って止みません。

でも、否応なく事態は動いていくのでしょうから、
臨床試験の結果も見極めつつ、
僕なりに情報を収集し、
それを説明した上で、
新型インフルエンザのワクチンの接種の可否は、
皆さん1人1人に決めて頂くしかないのかも知れません。

後半はちょっと愚痴になりましたが、
ワクチンというものの限界について、
今日は僕なりの考え方をお話しました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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