2分の1の神話 [医療のトピック]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今、朝の8時10分です。
雨の予報ですが、まだ雨は降っていません。
昨日嫌なことがあって、
気分はきついんですけど、
いつも通り少し書類の整理をして、
それからPCに向かっています。
まあ、愚痴ってもしょうがないですね。
気を取り直します。
さて、今日の話題です。
皆さんもご存知の抗生物質は、
バクテリアを死滅させたり、力を弱めたりする薬ですね。
その代表選手であるペニシリンの発見というのは、
医療の歴史上の、
一大トピックだったのです。
しかし、最近は評判が悪いですね。
日本の抗生物質の使用量は世界一だ、
と言われます。
使い過ぎだ、と言う意味ですね。
日本の医者は必要もないのに、
抗生物質を出しまくり、
薬の効かない耐性菌を作っている元凶だ、
不勉強にもほどがある、
というような論調もあります。
日本の抗生物質の使い方は、
確かに良くないですね。
少ない量を漫然と出し続け、
却って病状を長引かせるようなことは良くあります。
その責任は何処にあるのでしょうか。
僕は、
責任の一端は日本の薬剤の、
使用量の決め方にあると思います。
日本では、往々にして、
効かない分量の薬しか使うことが出来ないんです。
まともな量を使うと、
適用外だ、
と保険で査定されます。
まさか、そんなことはない、と思いますか。
では、その理由をお話しましょう。
日本の薬の用量は、
大抵欧米の2分の1の量なんです。
抗生物質は勿論、血圧の薬もそうですね。
何故、きっかり2分の1なんでしょうか。
そこに、何か科学的な意味があるんでしょうか。
勿論、科学的な意味がない訳ではないですね。
何度も治験が行われ、
それなりの理由が付けられてはいます。
僕も以前は、結構その理由を信じていました。
偉い先生が決めたことなんだから、
それにはもっともな理由があるんだろうな、と。
でも、今はそうは思いません。
その理由の大半が、
結構便宜的でいい加減なことに、
気が付いたからです。
たとえば、50年前の話なら、
薬の量が外国の半分でも、
納得がいきますね。
体格も明らかに違っていましたから。
それでも、
いつも決まって2分の1というのは不思議ですよね。
たとえば、ある薬では3分の2とか、
他の薬では5分の4とか、
そういった量が決まってもいい筈です。
それが、そうならないのは、
今の薬というのは殆どが海外で作られているので、
日本人向けに微妙に量を調節することなど、
出来ないからなんです。
それが、半分なら簡単ですよね。
それで出来た量が2分の1。
それ以外の意味なんて、ないんですよ。
製薬会社が役所に薬の申請を出します。
すると、役所は必ず欧米の量の半分で効くかどうか、
そのデータを要求するのだそうです。
その裏には、半分の量で効くデータが出せないなら、
その薬は採用しないぞ、
というある種の脅しがあるのですね。
その理由は、
表向きには副作用を心配して、
というのですが、
それはどうでしょうか。
薬というのは、十分に効果の出る量を使わなければ、
意味がないですよね。
そして、たとえばその十分量の2倍を使っても、
副作用が出ないようでなければなりません。
それが安全な薬というものでしょう。
勿論、内臓の働きが正常である、という前提あってのことですが、
半分の量なら副作用が少ないが、
普通の量を使ったら副作用が強いとしたら、
そもそもその薬の安全性は低い、
ということになります。
たとえば、体重で量の基準を決めるとか、
そういうことなら納得がいきます。
でも、そうじゃないんです。
取り敢えず、半分の量で効くかどうかのデータを要求し、
半分で効けば、その量で許可を出すのです。
日本人の体格も、
全体としては随分欧米人に近付きました。
今の状況で、
闇雲に量を欧米の半分にする必要があるでしょうか。
ないですよね。
でも、その慣例は現実にまかり通っているのです。
その情報を持った上で、
薬の臨床実験のデータを見てみましょう。
すると、随分とこじつけが多いのに気が付きます。
無理矢理、
半分の量で効くことを証明しようとしているんですね。
中にはデータを捏造したのではないか、
と疑いを抱かせるものすらあります。
そして、そのデータを元に、
欧米の半分の量で治療しろ、
と言うのです。
それでその薬が効くと思いますか。
医者も勿論悪いんです。
効かないなら効かないと、
もっと発言するべきだし、
効かない量を漫然と投与すべきではありません。
でも、現実にはそうしたことが、
平然を行なわれているのですね。
薬の行政というのは、
ジェネリックのことも含めて、
本当に奇奇怪怪なんです。
この話はまた改めて取り上げたいと思います。
そろそろ診療時間になります。
今日はこのくらいで。
つらいことも多いですけど、
頑張りましょうね。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
今、朝の8時10分です。
雨の予報ですが、まだ雨は降っていません。
昨日嫌なことがあって、
気分はきついんですけど、
いつも通り少し書類の整理をして、
それからPCに向かっています。
まあ、愚痴ってもしょうがないですね。
気を取り直します。
さて、今日の話題です。
皆さんもご存知の抗生物質は、
バクテリアを死滅させたり、力を弱めたりする薬ですね。
その代表選手であるペニシリンの発見というのは、
医療の歴史上の、
一大トピックだったのです。
しかし、最近は評判が悪いですね。
日本の抗生物質の使用量は世界一だ、
と言われます。
使い過ぎだ、と言う意味ですね。
日本の医者は必要もないのに、
抗生物質を出しまくり、
薬の効かない耐性菌を作っている元凶だ、
不勉強にもほどがある、
というような論調もあります。
日本の抗生物質の使い方は、
確かに良くないですね。
少ない量を漫然と出し続け、
却って病状を長引かせるようなことは良くあります。
その責任は何処にあるのでしょうか。
僕は、
責任の一端は日本の薬剤の、
使用量の決め方にあると思います。
日本では、往々にして、
効かない分量の薬しか使うことが出来ないんです。
まともな量を使うと、
適用外だ、
と保険で査定されます。
まさか、そんなことはない、と思いますか。
では、その理由をお話しましょう。
日本の薬の用量は、
大抵欧米の2分の1の量なんです。
抗生物質は勿論、血圧の薬もそうですね。
何故、きっかり2分の1なんでしょうか。
そこに、何か科学的な意味があるんでしょうか。
勿論、科学的な意味がない訳ではないですね。
何度も治験が行われ、
それなりの理由が付けられてはいます。
僕も以前は、結構その理由を信じていました。
偉い先生が決めたことなんだから、
それにはもっともな理由があるんだろうな、と。
でも、今はそうは思いません。
その理由の大半が、
結構便宜的でいい加減なことに、
気が付いたからです。
たとえば、50年前の話なら、
薬の量が外国の半分でも、
納得がいきますね。
体格も明らかに違っていましたから。
それでも、
いつも決まって2分の1というのは不思議ですよね。
たとえば、ある薬では3分の2とか、
他の薬では5分の4とか、
そういった量が決まってもいい筈です。
それが、そうならないのは、
今の薬というのは殆どが海外で作られているので、
日本人向けに微妙に量を調節することなど、
出来ないからなんです。
それが、半分なら簡単ですよね。
それで出来た量が2分の1。
それ以外の意味なんて、ないんですよ。
製薬会社が役所に薬の申請を出します。
すると、役所は必ず欧米の量の半分で効くかどうか、
そのデータを要求するのだそうです。
その裏には、半分の量で効くデータが出せないなら、
その薬は採用しないぞ、
というある種の脅しがあるのですね。
その理由は、
表向きには副作用を心配して、
というのですが、
それはどうでしょうか。
薬というのは、十分に効果の出る量を使わなければ、
意味がないですよね。
そして、たとえばその十分量の2倍を使っても、
副作用が出ないようでなければなりません。
それが安全な薬というものでしょう。
勿論、内臓の働きが正常である、という前提あってのことですが、
半分の量なら副作用が少ないが、
普通の量を使ったら副作用が強いとしたら、
そもそもその薬の安全性は低い、
ということになります。
たとえば、体重で量の基準を決めるとか、
そういうことなら納得がいきます。
でも、そうじゃないんです。
取り敢えず、半分の量で効くかどうかのデータを要求し、
半分で効けば、その量で許可を出すのです。
日本人の体格も、
全体としては随分欧米人に近付きました。
今の状況で、
闇雲に量を欧米の半分にする必要があるでしょうか。
ないですよね。
でも、その慣例は現実にまかり通っているのです。
その情報を持った上で、
薬の臨床実験のデータを見てみましょう。
すると、随分とこじつけが多いのに気が付きます。
無理矢理、
半分の量で効くことを証明しようとしているんですね。
中にはデータを捏造したのではないか、
と疑いを抱かせるものすらあります。
そして、そのデータを元に、
欧米の半分の量で治療しろ、
と言うのです。
それでその薬が効くと思いますか。
医者も勿論悪いんです。
効かないなら効かないと、
もっと発言するべきだし、
効かない量を漫然と投与すべきではありません。
でも、現実にはそうしたことが、
平然を行なわれているのですね。
薬の行政というのは、
ジェネリックのことも含めて、
本当に奇奇怪怪なんです。
この話はまた改めて取り上げたいと思います。
そろそろ診療時間になります。
今日はこのくらいで。
つらいことも多いですけど、
頑張りましょうね。
石原がお送りしました。
2008-04-24 08:11
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