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間欠的絶食の骨代謝への影響 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
絶食の骨代謝への影響.jpg
British Journal of Nutrition誌に2023年3月掲載された、
間欠的絶食の骨代謝への影響を検証した論文です。

ダイエット法には多くの種類がありますが、
最近国内外を問わず注目されているダイエット法の1つが、
間欠的断食法(intermittent fasting)です。

これは一定のサイクルで完全な絶食、
もしくは超低カロリー食を繰り返すことです。

一定時間の絶食をすることにより、
身体は飢餓状態となり、
代謝に一種の転換が起こるのです。
それが体重を減少させるのみならず、
身体のストレス耐性を高め、
炎症を抑制し、身体の酸化を抑えるなど、
多くの健康への良い影響をもたらすというのが、
間欠的断食の優れているとされる点で、
これまでに多くの臨床試験も施行され、
一定の有効性を示唆させる結果が得られています。

ただ、間欠的断食と一口に言っても、
その方法は様々で、どういう方法が最も優れているのか、
という点についての明確な指針は存在していません。

また、間欠的絶食が概ね身体の代謝には良い影響を与え、
体重減少にも有用であることはほぼ確認されていますが、
骨代謝に与える影響については、
あまり知られていません。

低栄養は骨代謝に悪影響を与え、
骨減少症や骨粗鬆症のリスクになると考えられています。

それでは、間欠的絶食は骨代謝にどのような影響を与えるのでしょうか?

今回の研究はこれまでの主だった臨床データを解析することで、
この問題の検証を行っています。

その結果、精度の高い介入研究の解析では、
最長6か月の間欠的絶食は骨代謝に悪影響を与えず、
むしろ骨量の減少を予防する効果を、
示唆するデータも存在していました。

ただ、こうした特殊なダイエットの骨代謝への影響を、
厳密に検証した臨床データはあまり多くはなく、
その信頼性も限られています。

間欠的絶食がこれだけ人気を集めている現在、
骨代謝に対する影響についても、
今後より厳密な検証が行われることを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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