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学校でのマスク着用義務中止が新型コロナの感染に与える影響(アメリカの公立学校データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
学校におけるマスクの有効性.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2022年11月9日ウェブ掲載された、
学校でマスクを義務化することの感染予防効果を検証した、
アメリカでの公立学校のデータです。

屋内でマスクを着用することが、
新型コロナウイルスの感染予防のために有効であることは、
ほぼ実証された事実ですが、
その有効性がどの程度であるかについては、
議論のあるところです。

特に欧米ではマスク着用に抵抗感が大きいので、
その使用は日本より早期に、
解除に向かっていることは皆さんもご存じの通りです。

アメリカ、マサチューセッツ州では、
新型コロナの感染拡大後、
2022年1月までは屋内でのマスク着用が、
公立学校の生徒と職員に義務化されていましたが、
2022年2月に解除されました。
ただ、ボストン周辺の一部の学校では、
2022年6月までマスクの義務化が継続されていました。

その事実を利用して今回の研究では、
マスクの義務化が撤廃された以降の感染状況を、
その後5か月マスクの義務化が維持されていた学校と比較して、
マスクの感染予防効果を比較検証しています。

対象はマサチューセッツ州の72の学区における、
294084名の公立学校の学生と46530名の職員です。

その結果、
マスク着用の義務化を中止して15週間において、
マスク義務化中止に起因すると想定される感染者は、
学生及びスタッフ1000人当たり、
44.9件(95%CI:32.6から57.1)に上っていました。
この患者数の増加はマスク義務化中止後、
12週から15週において顕著に認められました。
これは推計で11901件の増加に匹敵し、
その地域全体の学校関連の感染者の29.4%に達していました。

このように公立学校においてマスク着用を義務化することにより、
学校における感染者はかなりのレベルまで抑制され、
それが周辺の地域全体の、
感染者の抑制にも繋がっていることが、
今回のデータからは明確に示されました。

全ての集団でこうしたことが成り立つ訳ではありませんが、
地域住民が集団生活するような状況においては、
マスク着用を義務化することで、
感染を抑止する効果のあることは、
間違いがないと言って良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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