2014年七月歌舞伎座大歌舞伎(昼の部) [演劇]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日から15日まで、
診療所は夏季の休診となります。
今日はこれから京都経由で奈良に行きます。
明日13日の更新はお休みとさせて下さい。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
もう先月になりますが、
久しぶりに7月の歌舞伎座に足を運びました。
昼の部の演目は、
通し狂言の「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」で、
それに舞踊劇の小品が最初に付きます。
「夏祭浪花鑑」は、
世話物の人形浄瑠璃を歌舞伎化したもので、
大阪の不良で荒くれの若者の侠気を描いたものです。
悪党の義父を、
心ならずも手に掛けてしまう、
祭りの夜の泥塗れの壮絶な殺し場が有名で、
昔から上演はされていますが、
実際には大長編であるものの、
常に上演される場面は限られています。
それが平成8年にコクーン歌舞伎で上演され、
お鯛茶屋などそれまで殆ど上演されなかった場面を加え、
ラストに立ち廻りを加えるなどして、
不良少年の悲劇として一本の筋を通しました。
これは初演に関しては、
それまでのこの作品の印象を一変させる、
見事な上演だったと思います。
演出もその時点では節度のあるものでしたが、
その後再演を繰り返す中で、
古典の良さは次第に失われ、
得体の知れない悪乗り大会に変わって行きます。
平成9年には7月の歌舞伎座で先代猿之助が、
これまでで最も完全版に近い上演を行ないました。
これは先代猿之助の業績として忘れ難いものですが、
その後再演はされず、
何となくコクーン歌舞伎の陰に隠れた感がありました。
今回の上演はその猿之助版に近い通し上演になっていて、
主役の団七には当代随一の海老蔵が配され、
その周りを中車、猿弥などの澤瀉屋の面々が固め、
玉三郎と左團次が付き合うという、
豪華な布陣になっています。
ただ、どう考えても当代猿之助が加わらないのが、
不可思議な感じがします。
当代猿之助はわざわざ笑也と共に、
別行動で地方廻りをしていて、
中車、右近を始め、
他の主力が全て歌舞伎座に出演しているのですから、
色々と事情はあるのでしょうが、
澤瀉屋にとって異常事態であることは間違いがありません。
澤瀉屋のトップがもう1年半以上も、
歌舞伎座の舞台に一度も立っていないのですから、
これはあるべきではないことのように思います。
個人的には当代猿之助が一日も早く、
歌舞伎座の舞台に復帰することを、
期待して止みません。
さて、今回の舞台では泥の殺し場で団七の相手になる、
主人公の悪辣な義父の義平次を、
香川照之の中車が演じたのが話題です。
中車は襲名の舞台で観ましたが、
まだまだ演技が生硬く、
印象よりも不器用な質であることを感じさせました。
今回はこれまでより開き直った感じのある芝居で、
まだまだ歌舞伎味は薄いのですが、
海老蔵との殺し場を盛り上げました。
その頑張りには今後も期待をしたいのですが、
矢張り当代猿之助との関係などが心に掛かります。
手に手を携えて、
先代とはまた違う歌舞伎の華を咲かせて欲しいのですが…
今回は頼りない若殿様をそれらしく演じた門之助と、
抜擢の徳兵衛を小気味よく演じた猿弥が光っていました。
歌舞伎も時々は観たいのですが、
時間の設定が仕事をしている身には合わないので、
当面は本当に時々の観劇ということになりそうです。
それではそろそろ出掛けます。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍引き続き発売中です。
よろしくお願いします。
六号通り診療所の石原です。
今日から15日まで、
診療所は夏季の休診となります。
今日はこれから京都経由で奈良に行きます。
明日13日の更新はお休みとさせて下さい。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
もう先月になりますが、
久しぶりに7月の歌舞伎座に足を運びました。
昼の部の演目は、
通し狂言の「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」で、
それに舞踊劇の小品が最初に付きます。
「夏祭浪花鑑」は、
世話物の人形浄瑠璃を歌舞伎化したもので、
大阪の不良で荒くれの若者の侠気を描いたものです。
悪党の義父を、
心ならずも手に掛けてしまう、
祭りの夜の泥塗れの壮絶な殺し場が有名で、
昔から上演はされていますが、
実際には大長編であるものの、
常に上演される場面は限られています。
それが平成8年にコクーン歌舞伎で上演され、
お鯛茶屋などそれまで殆ど上演されなかった場面を加え、
ラストに立ち廻りを加えるなどして、
不良少年の悲劇として一本の筋を通しました。
これは初演に関しては、
それまでのこの作品の印象を一変させる、
見事な上演だったと思います。
演出もその時点では節度のあるものでしたが、
その後再演を繰り返す中で、
古典の良さは次第に失われ、
得体の知れない悪乗り大会に変わって行きます。
平成9年には7月の歌舞伎座で先代猿之助が、
これまでで最も完全版に近い上演を行ないました。
これは先代猿之助の業績として忘れ難いものですが、
その後再演はされず、
何となくコクーン歌舞伎の陰に隠れた感がありました。
今回の上演はその猿之助版に近い通し上演になっていて、
主役の団七には当代随一の海老蔵が配され、
その周りを中車、猿弥などの澤瀉屋の面々が固め、
玉三郎と左團次が付き合うという、
豪華な布陣になっています。
ただ、どう考えても当代猿之助が加わらないのが、
不可思議な感じがします。
当代猿之助はわざわざ笑也と共に、
別行動で地方廻りをしていて、
中車、右近を始め、
他の主力が全て歌舞伎座に出演しているのですから、
色々と事情はあるのでしょうが、
澤瀉屋にとって異常事態であることは間違いがありません。
澤瀉屋のトップがもう1年半以上も、
歌舞伎座の舞台に一度も立っていないのですから、
これはあるべきではないことのように思います。
個人的には当代猿之助が一日も早く、
歌舞伎座の舞台に復帰することを、
期待して止みません。
さて、今回の舞台では泥の殺し場で団七の相手になる、
主人公の悪辣な義父の義平次を、
香川照之の中車が演じたのが話題です。
中車は襲名の舞台で観ましたが、
まだまだ演技が生硬く、
印象よりも不器用な質であることを感じさせました。
今回はこれまでより開き直った感じのある芝居で、
まだまだ歌舞伎味は薄いのですが、
海老蔵との殺し場を盛り上げました。
その頑張りには今後も期待をしたいのですが、
矢張り当代猿之助との関係などが心に掛かります。
手に手を携えて、
先代とはまた違う歌舞伎の華を咲かせて欲しいのですが…
今回は頼りない若殿様をそれらしく演じた門之助と、
抜擢の徳兵衛を小気味よく演じた猿弥が光っていました。
歌舞伎も時々は観たいのですが、
時間の設定が仕事をしている身には合わないので、
当面は本当に時々の観劇ということになりそうです。
それではそろそろ出掛けます。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍引き続き発売中です。
よろしくお願いします。
健康で100歳を迎えるには医療常識を信じるな! ここ10年で変わった長生きの秘訣
- 作者: 石原藤樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/05/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
2014-08-12 06:02
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今日はこれから京都経由で奈良⇒
奈良博の国宝 醍醐寺のすべて-密教のほとけと聖教-展に行かれるのですね。先生の卓越な感想を楽しみにしています。この特別展の後仏、なら仏像館は休館だそうです。9月8日~平成28年3月(予定)
by Vermeer (2014-08-12 18:17)
Vermeer さんへ
醍醐寺展は行きましたが、
なかなか素晴らしかったです。
仏像も多く出展されていました。
by fujiki (2014-08-16 08:34)