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心臓超音波検査画像集(大動脈弁編) [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は診療所は休みで、
今起きたところです。

今日はちょっと紙芝居風に、
心臓の超音波検査の画像を見て頂きます。
勿論全て診療所の事例です。

ではまずこれを。

これは正常の心臓の超音波検査の画像です。
胸にゼリーを塗り、
プローブという器具を、
ちょっと強めに胸に当てて、
心臓の中を見る検査です。

超音波検査はそのプローブを変えることによって、
身体の様々な部分を、
チェックすることが可能です。
診療所の器具は、
3種類のプローブが付いていて、
お腹と、甲状腺や乳腺、心臓にそれぞれ対応しています。
病院にあるような心臓専用機と比べると性能はやや落ちるのですが、
それでも一通りの診断は可能です。

この画像は長軸断層という見方で、
主に心臓の左側を見ています。
ご覧のように左房と左室という2つの部屋があり、
肺から戻って来た血液は、
まず左房に入り、そこから僧帽弁というドアを開け閉めして、
左室に入り、そこから大動脈弁というドアを開いて、
大動脈に入り、全身を循環します。
青く染まった部分は、
左室から大動脈へと押し出される血液の流れです。
この方法では、
上から下に流れる血液は青く見え、
逆に下から上に流れる血液は赤く見えるのです。

では次を。

ほぼ同じ条件の画像ですが、
青い色の代わりに、赤い色の部分があります。
要するに、大動脈から左室の方向に、
血液が逆流しているのです。
これを「大動脈弁閉鎖不全」と言います。
大動脈弁というドアに、しっかり閉まらない不具合があって、
そこから洩れた血液が、
逆に左室の方向に流れているのです。

では次を。

前のものよりもう少し強い、
「大動脈閉鎖不全」です。
これは「二尖弁」と言って、
生まれ付き弁がうまく作られないトラブルが原因です。

では次を。

またほぼ同じ位置関係の正常の画像です。
赤い矢印の先にある白い筋のようなものが、
「大動脈弁」です。
これは正常の見え方ですね。

では次を。

矢印の先は同じ「大動脈弁」ですが、
さっきとは違って、ゴツゴツとした白い塊のように見えます。
これが「大動脈弁狭窄症」です。
動脈硬化の変化が弁に起こり、
弁は石のように硬くなって、
うまく開かない状態になってしまうのです。
これは主に年齢による変化です。
悪化すれば、狭心症のような発作を起こします。

では最後の画像です。

今と同じ「大動脈弁狭窄症」の画像です。
色が付いている部分は、
硬く狭くなった大動脈弁を通る血液の流れです。
赤と青が入り混じったような複雑な色調をしていますね。
これは「モザイクエコー」と言って、
狭い場所を強引に通ろうとしているので、
流れが速く激しくなっていることを示しているのです。

ご高齢の方で心臓に雑音のする原因の多くは、
この「大動脈弁狭窄症」です。
完全に治すには手術で弁を取り替えるしかありませんが、
ご高齢の方が多いので、
手術はせず経過を診る場合も多いのです。
心臓に雑音がして、歩くと息切れがしたり、胸が苦しくなる時は、
この病気を疑う必要があります。

今日は心臓の超音波検査の画像を見て頂きました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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