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おねしょの話と排尿の仕組みについて [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から紹介状など書いて、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

今日は「おねしょ」の話です。

おねしょは小児科では、
非常にポピュラーな病気です。

おねしょは医学用語では、
通常「夜尿症」と言います。
その名の通り、夜寝ている間に、
おもらしをすることです。

勿論赤ちゃんはおもらしを常時している訳で、
それが成長するにつれ、
次第に少なくなり、
一般的には5歳くらいまでには、
夜はおしっこをしないか、
おしっこをしたくなると、
自然と目が覚めて、
おトイレに行くようになるのです。

しかし、実際には6歳で10パーセントのお子さんは、
まだおもらしをすることがある、
というデータがあります。
更には中学生でも、
月1回は夜におもらしをする学生が、
3パーセントはいた、という統計もあるのです。

おねしょは決して珍しいことではない訳です。

おねしょは何故起こるのでしょうか?

そのことを考えるには、
尿の出る仕組みを、
まず考えることが必要です。

尿を出す(排尿の)ための仕組みは、
通常3つの段階に分けて考えられます。

まず第1は、尿を膀胱という袋の中に、
溜める段階です。

膀胱というのは、尿を貯める袋ですが、
平均的な大人の場合、
200ml 程度その袋の中に尿が溜まると、
「おしっこが出たい」という、
尿意を感じるのが通常です。
この時、膀胱の中の圧力は、
まだそれほど上がっていないのですが、
「ある程度おしっこが溜まったよ」と、
感知するセンサーが、
膀胱の中の下の方にあって、
その信号が、
副交感神経を伝わって、
脊髄の下の方の、
仙髄という場所に伝わります。
副交感神経の細胞というのは、
通常は脊髄の中にはないのですが、
この仙髄だけはその例外なのです。
仙髄に伝わった信号は、
脊髄の後ろ側を中継されて上昇し、
大脳へと伝えられ、
人は尿意を感じるのです。

よろしいでしょうか。

この時点で、膀胱にはまだ余力があります。
従って、尿意を感じたら、
すぐにおしっこをする、という選択もあり、
またちょっと我慢する、
という選択もあるのです。
我慢が出来るのは、
膀胱の筋肉が弛んでいるためと、
膀胱の出口、すなわち尿道の入り口が、
締まっているためです。
膀胱の筋肉が弛んでいる状態のことを、
「膀胱が弛緩している」
という言い方をします。
膀胱を弛緩させているのは、
下腹神経という名の交感神経が、
緊張した状態にあって、
膀胱を緊張させる副交感神経を抑えているからです。
ここまでが、排尿の第1段階です。

排尿の第2段階は、
排尿の開始です。
「よしおしっこをしよう」
と脳から指令が下されると、
まず運動神経である陰部神経から伝わる信号が、
尿道の入り口の筋肉を緩めます。
要するに、蛇口を開く格好になる訳です。
すると、この動作をきっかけとして、
「排尿反射」と言われる、
一連の自動的なメカニズムが作動します。
膀胱に分布している交感神経の緊張が抑えられると、
次に副交感神経が緊張して、
膀胱の筋肉が収縮します。
この交感神経から副交感神経への、
鮮やかなバトンタッチが、
排尿の神秘の本質的な部分です。
今西洋医学が持っている治療手段は、
交感神経を刺激するか、
副交感神経を刺激するかのどちらかです。
従って、この自然なバランスを、
再現することは不可能なのです。
ここに排尿障害の治療の難しさがあるのですね。
ここまでが排尿の第2段階です。

排尿の第3段階は、排尿を止めることです。
おしっこを止めようとする時、
あなたはどうしますか。
何となくお尻の方に力を入れますよね。
これは膀胱の底を押し上げているのです。
それと同時におしっこの蛇口が締まるので、
おしっこは止まるという訳です。

通常のおねしょの原因は、
このメカニズムが何処かで、
スムースでなくなっていることにあります。

ちょっと長くなりましたので、
続きは明日にしますね。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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