SSブログ

ステロイドとその副作用について [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。

ええと、現職の財務大臣が、
海外の記者会見で意味不明の受け答えをし、
「風邪薬を飲み過ぎた」と釈明した、
という報道がありましたね。

僕も会見の映像を見ました。
軽率なことは言えませんが、
軽い意識障害の状態であったことは間違いありません。

アルコールとの関係が云々されていますが、
記者との会食の後での会見だったようですから、
アルコールで意識障害のある状態なら、
当然目の前にしていた記者の皆さんもすぐに分かった筈です。
泥酔状態であれば、アルコール臭も強かった筈ですし、
身近にいた記者が気付かない筈がありません。
ある種の報道操作がされた可能性もないとは言えませんが、
映像を見る限り、
アルコールによる酩酊ではないという印象です。

僕の推論はこうです。
大臣は日頃から「ある種」の薬剤を常用していて、
それをやや多目に飲んだ状態で、
併用禁忌であるアルコールを口にしたために、
アルコール自体は少量であっても、
相乗効果で意識障害を起こしたのではないでしょうか。

原因となった薬剤というのは、
勿論風邪薬ではなく、
腰痛の薬でもなく、
医師から処方された薬であったのではないか、
と推察します。

それがどういう薬であったのかは、
多分皆さんもご想像される通りだと思います。
「薬とアルコールの相互作用で体調を崩した」という表現に嘘はないので、
おそらく各所と協議して、
ああした釈明になったのではないでしょうか。
「風邪薬」にとっては、大変な濡れ衣です。

怒られるといけないので、
この話題はこのくらいにしますね。

それでは今日の話題です。

昨日はステロイドホルモンの総説と、
その中でも代表的な「糖質コルチコイド」の、
働きについての話でした。

今日は「糖質コルチコイド」の副作用についての話です。
「糖質コルチコイド」というのは、
あまり一般的な言葉ではないので、
今日の記事では単純に「ステロイド」と書くことにします。

ステロイドは画期的に効果のある薬ですが、
副作用のある薬でもあります。

ステロイドは身体から分泌されているホルモンですから、
たとえば足りない量を補充するなら、
副作用の心配はない筈です。

しかし、実際の身体の中では、
ホルモンの量は分単位で微調節がされているのに対して、
薬として使う場合の量の設定は、
極めて大雑把にされているので、
その点がまず第一の問題点です。
以前触れた甲状腺ホルモンは、
同じホルモンでも1日のうちでそれほどの変動がなく、
作用も安定しているので、
通常そうしたことはありません。
ホルモンにも、色々な性質の違いがある訳です。

ただ、そうは言っても足りない時の補充に使うだけなら、
それほど大きな問題は起こりません。

その炎症を強力に抑える作用を期待して、
「薬」として用い、
通常体内では起こり得ないような、
人工的な使い方をする点に、
大きな問題がある訳です。

最初に使われたステロイドの薬は、
実際の人間の副腎からの、
抽出液でした。
それから、コルチゾンという「糖質コルチコイド」が分離され、
これが薬として使われました。
現在使われているハイドロコルチゾン
(商品名コートリルなど)は、
概ね人間の分泌するステロイドと同じものです。

1日の必要量は、
これも概ね20mg くらいです。
人間にストレスが掛かると、
副腎が刺激され、
この5倍の100mg くらいのステロイドが、
どばっと出ます。
ですから、100mg くらいの量を一時的に身体に入れても、
大きな問題はないことになります。

次に副作用を減らすべく、
合成されたステロイド剤が、
その後多く開発発売されました。

要するにステロイドの抗炎症作用だけを分離して、
他の作用を持たない薬を開発しようとした訳です。

この経過の中で開発された薬が、
プレドニゾロンやメチルプレドニゾロン、
デキサメサゾンと言った薬剤です。

しかし、抗炎症作用は、
確かに強力にはなりましたが、
他の作用と分離することには、
未だどの薬も成功してはいません。

それではステロイドにはどんな副作用があるのでしょうか?

たとえば、
慢性関節リウマチで、1日30mg のプレドニゾロンを、
飲み続けている患者さんの例で、
考えて見ましょう。
今ではこうした事例は極めて稀だと思いますが、
以前は比較的当たり前にこうした治療が行なわれていました。

まず血糖が上がり、身体の脂肪が身体の中心に集まって、
肥満になります。筋肉はむしろ落ちて、力はなくなります。
血圧は上がり、皮膚は薄くもろくなって、
ちょっとした刺激でも出血し易くなります。
脱毛は必発ではありませんが、
毛は抜け易くなり、
全身の脱毛を来たした報告もあります。
骨は次第にもろくなり、
骨折し易くなります。
また、感染症に掛かり易くなり、
以前治った結核が再発したりもします。

これがほぼ全て、
30mg のプレドニゾロンを、
概ね1ヶ月飲み続けているだけで、
起こり得る変化です。
続けている期間が、
3ヶ月を超えると、
その危険性は更に高まります。

プレドニゾロン30mg というのは、
どのくらいの量でしょうか。
プレドニゾロンは炎症を抑える作用を強力にすることを目的に、
人間が作り出したステロイドで、
大雑把に言ってその効果はコルチゾンの4倍です。
従って、コルチゾンの120mg を、
毎日飲んでいるのと同じことになる訳です。
ストレスのない状態で分泌されている量の、
ほぼ6倍、ということになります。

何故こんな副作用が起こるのかについては、
現在次のような考え方が一般的です。

ステロイドは全身のあらゆる細胞に必要なホルモンです。
従って殆ど全ての細胞にステロイドのくっつく、
受容体があります。
受容体というのは、通常は何種類もあって、
そのどれにくっつくかによって、
その働きが違うことが多いのです。
(以前触れたヒスタミンやセロトニンの受容体はその代表ですね)
しかし、ステロイドにはたった1つの受容体しかありません。
その一方で、それぞれの細胞にとっての、
ステロイドの必要量は結構違いがあるのです。
従って、ある量のステロイドが、
炎症を抑えるのには十分であるのに、
骨の細胞に対しては、
多過ぎる量になってしまう、
ということが有り得るのです。

ストレスの状態というのは、
戦時下の「国家総動員法」のようなものです。
ステロイドがどばっと出ると、
他の身体の働きは一切無視して、
ストレス対応に身体の全機能が一元化されるのです。
しかし、その状態が長く続けば、
国民は疲弊して、
あちこちに障害が出て来る訳です。

こうしたアンバランスが、
多くのステロイドの副作用の主な原因なのですね。

従って、ステロイドの使用は、
十分量を短期間でというのが原則です。
敵を十分な兵力で集中的に攻撃し、
兵士が疲弊しないうちに速やかに撤収するのです。
こうした使い方を推し進めたのが、
「パルス療法」という考え方です。
数日間に限って、
大量のステロイドを一気に使うのです。
良く行なわれる方法の1つは、
メチルプレドニゾロンを毎日1グラム3日間使用する、
というものです。
これは人間の1日の必要量の、
おおよそ250倍に相当します。
それを1日で一気に使用するのです。
幾つかの病気では、
これにより画期的な効果が得られています。
通常は副作用も大きな問題にはなりません。

一部の細胞のみに働き、
副作用のないステロイド剤が開発されれば、
ステロイドの副作用の多くから、
解放される可能性はあります。
実際にその方針で、
多くの薬剤が開発の途上にあります。

ただ、いつものことですが、
僕はあまりそうした薬を信じていません。
たとえば、T細胞の一部の抑制のみを行なう、
ステロイドの誘導体なんて、
恐るべき副作用が却って現れそうな気がします。
薬というのは、概ね最初に開発されたものが、
色々と欠点はあっても、
矢張り一番優れていることが多いからです。
アスピリンしかりシメチジンしかりです。

ステロイドは短期作用がその本質であって
短期使用に本来は留めてこそ、
その効果を発揮するのです。
そのため、むしろ最初の使用量は、
充分に効果の望める量であるべきです。
副作用を心配して量を不必要に減らせば、
却って無意味な治療になってしまいます。
その代わり、減量はなるべく早期に行ない、
極力1ヵ月以内に常用量に減量を試みます。

しかし、勿論例外はあって、
腎臓から蛋白が洩れる「ネフローゼ症候群」や、
膠原病の一種の「多発性筋炎」では、
3ヶ月以上ある程度多量のステロイドを使用することが、
その副作用を差し引いても、
現時点では最良の治療であると、
考えられています。

こうしたケースでは、
「抗炎症作用」よりも、「免疫抑制作用」を期待して、
ステロイドが使われています。
しかし、炎症を抑える量よりも大量のステロイドが、
免疫を抑えるためには必要なのです。
しかも、ある程度長期の使用でないと、
その効果が持続しません。
従って、本来こうした用途には、
ステロイドは向かない薬なのですが、
他の薬で充分な効果の得られない現状があるので、
止むを得ず使っているのです。
こうした長期使用のケースでは、
あらゆる可能性を視野に入れて、
副作用の軽減に努めなければなりません。

ただ、これはステロイドの1日量が、
プレドニゾロン換算で5mg を超える場合の話です。
それ以下の使用とコルチゾールの補充療法は、
今お話したステロイド治療とは意味合いが異なります。
副作用がない訳ではありませんが、
比較にならないほど軽微なものなのです。

これが僕の現時点でのステロイドについての考え方です。

それでは今日はこのくらいで。

明日はステロイドの幾つかの補足的な話の予定です。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(1)  コメント(25)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 25

miyabi

はじめてコメントします。
いつも楽しく、興味深く拝見しておりました。
本日は“ステロイド”のお話で特に興味深く読みました。
というのも私は関節リウマチの治療のため
3年近く一日4mgを服用していました。
よくないと知りつつお医者様に処方されるままに…
現在別の病院に転院しましたが、先生の方針の一つで
とにかくステロイドを断つことが目標と言われ
服用せずに半年が過ぎました。経過もよく希望が湧いてきました。
今日こうしてステロイドの詳しい情報を得て得した気分です。

中川さんのお話も見た目と噂でただの「酔っ払い」
…って思いましたが、そんな自分がちょっと恥ずかしくなりました。
by miyabi (2009-02-17 21:12) 

fujiki

miyabiさんへ
いつも読んで頂きありがとうございます。
少しでもご参考になれば励みになります。
ステロイドを止められて良かったですね。
ただ、必要な時には迷わず使って下さい。
非常に効果の優れた薬であることは確かなので。
関節リウマチは長い付き合いが必要な病気なので、
大変だと思いますが、
頑張って下さい。
これからもよろしくお願いします。
by fujiki (2009-02-18 06:31) 

tanico

これまた、私にとって、非常にタイムリーに興味のある話題をありがとうございます!
うちの白血病を患っていた猫が、長期にわたって投与していたステロイドを、白血病が陰転したので、減量中です。
色々な現象がでてきているところなので疑問がいっぱいです。

よろしければ、お伺いしたいことがあります。

このステロイドを投与中、副腎は自分でステロイドを作ることを辞めているという話をよく聞きます。
今うちの猫のように、徐々に減らしたり、投与をしなくなると、副腎?脳下垂体?はどういう働きをするのでしょうか?

ステロイドといっても、いろんな種類があるのですね。
また、一つ勉強させていただきました。
by tanico (2009-02-18 10:21) 

fujiki

tanicoさんへ
いつもありがとうございます。

通常数ヶ月以上の期間、
ある程度以上の量のステロイド
(プレドニゾロンなら10mg以上)
を使用していると、
副腎皮質刺激ホルモンは殆ど0になり、
副腎は刺激されなくなるので、
次第に萎縮します。

ステロイドを使うのを止めれば、
副腎皮質刺激ホルモンはすぐに上昇しますが、
萎縮した副腎はすぐには反応しません。

従って、慌ててホルモンを中止すれば、
却ってステロイドの足りない「副腎不全」の状態に、
なってしまうのです。

通常減らしたホルモンを、
1日おきにして
(隔日投与と言います)、
様子を見るのが一般的で、
飲まない日の朝にホルモンが刺激されるので、
副腎のリハビリ的な効果がある訳です。

ただ、この状態をしばらく続けてから、
ステロイドを中止しても、
副腎の働きは元に戻らない場合があります。
元に戻ったように見えても充分ではなく、
ちょっとしたストレスで、
副腎不全になることがあります。
血液のホルモンを測ることで、
ある程度の推測は出来ますが、
当てにならない場合もあるので、
それだけに頼るのは危険です。
ですから、しばらくの間は、
慎重に経過を見て、
もし急に元気がなくなったり、
もどしたり、熱を出したりしたら、
副腎不全の可能性を疑って、
すぐにステロイドを補充する必要があります。

この場合はプレドニゾロンではなく、
人間の身体から出るホルモンと同じ、
コルチゾールを補充して、
様子を見るのが一般的です。
足りないホルモンを補充する意味合いなので、
所謂「ステロイドの副作用」」には、
殆ど心配はありません。
人間の場合だと、
最初100mg以上を補充して、
それから減らして、
後は20mgくらいでしばらく様子を見ます。

ちょっとこの辺の話は、
また書きますね。
by fujiki (2009-02-18 17:59) 

質問

こんにちは。
アメリカに来て3週間目に、以前からあった頸椎捻挫が悪化して、首が痛くてしびれがある状況です。Dr.にかかりX-rayを撮り問題なく、MethyIPREDNIsolone Tablets,USP4㎎という薬を21Tablets/6日間分で処方されました。文献を読むと1錠でプレドニン5ミリ分に相当すると書かれています。最初の一日は30㎎、徐々に減らして6日で終わりの形で飲むように言われました。いろいろなWebサイトで確かめると30㎎は多量の分類に入ると書かれています。、副作用が起きたら、アメリカで英語もままならずDr,の説明を聞くのが大変なのに…と思うと不安です。でも、痛くてつらいのです。よくなってCollegeへ戻りたいです。ムーンフェイスは必ず起きるという記事も読みました。6日間の短期間でも出ますか?服用をやめたらどれくらいで元に戻るのですか?教えてください。
by 質問 (2011-10-14 14:00) 

fujiki

質問さんへ
プレドニン換算で30mgを、
6日で減量でしたら、
通常は問題のない使用量だと思います。
僕も30mgまでは外来で普通に使います。
短期間の使用でムーンフェイスは通常は起こりません。
開始数日は免疫力は低下するので、
お風邪などはひかないように、
充分ご注意下さい。
後は問題は殆どないと思います。
日本では胃薬(プロトンポンプ阻害剤やH2ブロッカー)を、
併用しますが、
短期間でしたら、
それが絶対必要という訳でもありません。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2011-10-14 15:49) 

珱子梓音

はじめまして

いきなりなんですが、質問があります。

2ヶ月前から40mg、
1週間前から20mgに減らして飲んでます。

1ヶ月前からムーンフェイスがヒドくなってきました。
でもまだ元が細かったので、
太ってるとは言われないで、「丸くなったね」と言われる程度です。
でも、「顔変わったな」って言われるのが、イヤです。

薬の量は予定では
1ヶ月後から10mg、2ヶ月後からは1日置きで10mgです。


10mg飲んでる間は、ムーンフェイスって治らないですか?
どれくらいにまで減ったら元に戻りますか?
戻るのに、どれくらいの時間がかかりますか?


予想でもいいんで教えてください
お願いします><
by 珱子梓音 (2011-10-23 15:32) 

fujiki

珱子梓音さんへ
ムーンフェイスは概ね1日30mgを超えた量の使用が、
どのくらいの期間あったかに、
影響する部分が大きいようです。
後、かなりの個人差があります。
今あるムーンフェイスは以前の影響を反映していて、
それはステロイドを仮に中止しても、
かなりの期間残存することがあります。
少なくとも数か月は持続すると、
考えて頂いた方が良いと思います。
残念ながらもっと長いこともあります。
これはただ、重篤な副作用と考えられていないせいもあり、
あまりしっかり検証されていない事項ではないかと思います。
僕の経験的な印象としては、
10㎎程度のステロイドの使用期間と、
ムーンフェイスの持続とは関係はないと思います。
あくまでそれ以前の高用量の時の影響が、
身体に残っているとお考え下さい。
by fujiki (2011-10-24 08:33) 

あきら

こんにちは。

74歳の母親がリウマチ性多発筋痛症と診断されプレドニン10mgを飲むことになり。副作用を調べていたところこちらを見つけました。

担当の先生の話では量を減らしつつ2年ほど飲むようですがどのような副作用が考えられますか?

あと母は変形性膝関節症があるのですが大丈夫でしょうか?
by あきら (2012-01-21 22:22) 

fujiki

あきらさんへ
変形性膝関節症自体が、
悪化することはあまりないと思いますが、
骨粗鬆症はご年齢から考えて、
10㎎でも進行することはあります。
勿論担当の先生もお考えになっていると思いますが、
骨量などの骨のチェックは、
定期的に行なう必要があると思います。
胃潰瘍や糖尿病、結核の再燃などは、
10㎎程度の使用量では、
言われているほど多くはありませんが、
矢張り定期的に検査をしながら、
ご経過を見る必要はあると思います。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2012-01-23 08:17) 

あきら

質問にお答えいただきありがとうございます。

もう少し質問させてください。

担当の先生はリウマチ性多発筋痛症は膠原病のなかでは軽い病気で順調にいけば2年くらいプレドニンを飲めば治るような事を言われたのですがこの病気は完治はないのですよね。

この先生の言う順調にステロイドを減らして行き2年くらいで飲まなくて済むようになる人は全体の何パーセントぐらいですか?

あとこの飲まなくてもよい状態から再発する人は何パーセントくらいなんでしょうか?
by あきら (2012-01-25 00:06) 

菅野 悟

はじめまして
最近ネフローゼと診断され、ステロイド50mg/1日
がスタートしました。
スキーガイドを仕事ととしているので今後現場に復帰できるのか
非常に不安です。 今は入院して2週目です。
ステロイドの量が減るのは3ヶ月は先みたいな事を言われていて
1−2年は飲み続けるらしいですが、
淡白の流失が減ってきたらやめちゃってはいけないものなのですか? 2週間でだいぶよくなってきてるのですが。
by 菅野 悟 (2012-06-03 11:07) 

fujiki

菅野悟さんへ
ネフローゼの治療に関しては、
そのスケジュールも効果も、
ほぼ検証され確立したもので、
通常のスケジュールで治療を継続して頂くのが、
ベストだと思います。
改善した時点でステロイドを中断すれば、
再燃のリスクは高いと思います。
ただ、お仕事のことを考えますと、
ステロイドの使用により、
確実に骨や筋肉量には影響が出ますので、
その点のご不安は、
主治医の先生にも強く言って頂いて、
食事の管理やリハビリの使用の適否、
骨粗鬆症の予防などの対策は、
講じて頂いた方が良いと思います。
医者はどうしても、
原疾患の治療を優先しますから、
そうした点には目が行き届かないことが、
往々にしてあるからです。
by fujiki (2012-06-04 08:28) 

菅野 悟

早速のアドバイスありがとうございました。

やはり骨粗鬆症が気になりますね。
体力や筋力は感覚でわかりそうなのですが
骨に関しては不安ですね。

担当の女医さん(きれいです)によく相談してみます。
またご連絡する事もあると思いますが
よろしくお願いします。

ありがとうございました。
by 菅野 悟 (2012-06-04 11:00) 

K.N

こんにちは。突然の質問で失礼します。

私は昨年の7月に夏型過敏性肺炎と診断され、プレドニゾロン20mgを4週処方され、その間に原因と思われる自宅お風呂場の改修(黒カビの撤去)を行い、症状は一気に改善しました。その後、プレドニゾロンを4週おきに15mg→10mg→7.5mg→5mg→中止と約5ヶ月かけて減量したところで離脱に失敗して、再度8mgからスタートして1週で0.1mgづつ確実に減らして、現在4.6mgです。再スタートしてからは激しい離脱症状はなく、慎重に生活しています。

この間の副作用的な症状としては、
①ムーンフェイス(これは再スタートして7mgを切ったあたりからなくなってきました)
②中心性肥満(当初運動を禁止されていたこともあり、体重が最大12kg増えました。現在は運動も初めて4kgほど戻りましたが、まだ胸・背中についた脂肪がなかなか取れません)
③血糖値の上昇(インスリン・内服薬でコントロールしようとしていますが、むずかしく、現在、空腹時160~190の状態です)

それ以外の倦怠感・頭痛・下痢などはそれが副作用なのか離脱症状なのか普段の生活上の諸症状なのかはわからない程度の軽いものなのでさほど気にしてません。

もともとお酒がすきで発症前はほぼ毎日お酒を飲む生活をしていました。発症後はなるべく控えているものの、仕事の関係もあり時々飲酒することがあります。ところが、ステロイド服用前と比べてあきらかにお酒のダメージが強く、自分的には適量(ウーロンハイ3杯程度)でも、夜中に嘔吐して翌日も夕方まで二日酔い状態になってしまいます。
血液検査の肝臓の数値は飲酒量が多かった発送前よりはるかに改善されていてGTP/GOPともに標準値内、ΓーGTPだけは標準値より少し上程度です。
ステロイドは肝臓にも負担をかけているのでしょうか?
また、離脱に成功したらまたお酒が飲めるような体にもどれるのでしょうか?もちろん個人差があるのでしょうが、ごく一般論で構いませんので教えていただけたら助かります。

また、ムーンフェイスが治ったように、ステロイド離脱に成功したら、中心性肥満と高血糖も元に戻るのでしょうか?

先々のことをきちんと認識して、治療のモチベーションにも危機管理にも役立てたいと考えております。

くだらないことでお手間をおかけして恐縮ですが、何卒ご意見をお聞かせください。

よろしくお願いいたします。


by K.N (2012-08-22 15:31) 

kadota

初めまして、60歳の女性です。
こちらに、このような質問をしてよいのか迷ったのですが、
ステロイドの副作用で不安があり、宜しくお願いします。
今年4月より甲状腺の亢進・低下の両方の治療薬チウラジール錠50mg×2、チラーヂンS錠50、リンデロン0.5mg(眼の奥の腫れの治療)を7月の終わり位まで毎日服用していました。甲状腺は正常値になったところ、7月に極度の疲労・ストレスから膀胱炎と意識障害があり病院に行ったところ、病院での一般的な検査、甲状腺は正常値でした。しかし症状として甲状腺の薬を飲むと頭部のなんとも言えない不快感があり、うつ的症状、関節、腰の痛み、顔つきが膨らみ、脚の筋肉の衰えで薬の服用を止めています。
極度のストレス、疲労から、この程度の量では起こらないリンデロンのステロイドの副作用がでたのではと心配で主治医に相談するも
薬を中止する指示しかなく、一度副腎の検査をしてみたいのですが
どのような病院に行けば相談にのって頂けるのか、わかりません。
大阪に在住ですが、心配しすぎでしょうか?
すみません、宜しくお願いいたします。
by kadota (2012-09-04 23:55) 

fujiki

K.Nさんへ
ご返事が遅れまして申し訳ありません。
肝臓のことも糖尿病のことも、
ステロイドは無関係ではないと思いますが、
ステロイドのみの影響では、
ない可能性が高いように思います。
むしろ脂肪量の増加が影響している可能性が高く、
無理なく減量を図り、
ステロイド使用前の体重に戻れば、
肝臓の状態も糖尿病も、
改善する可能性が高いのではないかと思います。
アルコールは当面はなるべく控えて頂いた方が、
良いように思います。
これは一般論ですが、
プレドニンで5mgを切るくらいの用量の場合、
それほどの全身的な影響は出ないと思います。
むしろこれまでの使用の影響が、
今の状態に反映されている面が大きく、
その影響はすぐには取れませんが、
徐々には改善してくるように思います。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2012-09-05 08:56) 

fujiki

kadota さんへ
メールの方にご返事したいと思いますので、
少々お待ち下さい。
by fujiki (2012-09-05 08:57) 

K.N

早速のアドバイスありがとうございます。
ステロイド離脱にとても時間がかかっているので、精神的にイライラすることが多かったのですが、先生のアドバイスを信じることで、今までどおり慎重に、完全離脱目指して頑張る気持ちがしっかり持てました。
本当にありがとうございました。
がんばります!!
by K.N (2012-09-12 13:43) 

りえ

はじめまして。りえと申します。小さい頃から喘息を持ってる30歳の女です。

このような過去の記事に突然コメント差し上げた事、お許しください。


早速ではありますが、まずは私の状況を簡潔に書かせていただきます。

喘息発作にて去年の7月20日に総合病院に入院、23日退院

7月27日プレドニン30㎎開始

8月3日症状悪化によりプレドニン40㎎に増量
8月10日30㎎に減量
8月17日30㎎に継続
8月24日30㎎に継続
8月26日どうにもならず再入院
9月18日退院
通院にてプレドニン漸減
1月25日隔日2錠にまで減量
1月28日マイコプラズマにより発作憎悪 ソルメド125点滴
2月3日通院にてプレドニン60㎎開始
2月12日30㎎に減量
ただ今30㎎を継続中。

入院時はインスリン使用。退院後もインスリン使用だったが、今は内服薬トラゼンタに変更。糖尿病の主治医は循環器の先生で、最低体重キープにより内服薬も離脱可能と仰ってます。そして、その他の状況として、微熱、無駄なイライラと突然の下半身の脱力感、筋肉痛のような体の痛みと関節に痛みあり。時に手先に震え。筋力が下がったような気もしています。

以上が私が記憶してる限りの辿った経緯と今の状況ですが、血糖値以外の事はプレドニンを処方して頂いてる呼吸器の主治医に話しても、「副作用ではない」と笑われてしまい…でも、とにかく色々辛い事と、副作用について教えて頂けない事に対する不安な気持ちで、藁にもすがる想いで自分で色々調べてる内に先生のページに辿り着きました。突然のコメントで大変失礼かとは存じますが、助けていただきたい一心でコメント差し上げました。
本当に副作用は大丈夫なのでしょうか?そして、このプレドニンの使い方は一般的に見て大丈夫なのでしょうか?先生のご意見をお聞かせ頂ければ幸いでございます。お忙しい事とは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
by りえ (2016-02-18 17:24) 

fujiki

りえさんへ
ステロイドの使用量は、
気管支喘息としてはかなり多いように思いますが、
病状にもよりますので、
その適否については何とも言えません。
病状のコントロールのために、
一時的には大量の使用が必要となることもあります。
イライラや筋肉痛、筋脱力については、
ステロイドの副作用の可能性はあると思います。
そうであれば、減量により、
時間は掛かっても改善する可能性が高いと思います。
喘息におけるステロイドの全身的な使用は、
急性に悪化時の最終手段的な位置づけだと思いますので、
今後の治療をどうしてゆくのか、
また喘息以外に病状を悪化させているような、
別個の要因がないかどうかについては、
主治医の先生と、
良くご相談をして頂く必要はあるように思います。
by fujiki (2016-02-19 08:18) 

りえ

お忙しい中、突然のコメントにも関わらずご丁寧にお答えいただき、本当に本当にありがとうございました。

先生からいただいたコメントを読み、自分の思い込みではない可能性が出てきた事と、副作用ならば改善の可能性がある事を知れた事で心が少し軽くなった気が致します。本当にありがとうございます。

そして、失礼ながらここでもう一つ質問なのですが、よく色々なところで言われている「高用量」と「長期服用」についての定義をお教えいただきたいのです。私の場合はこれらの定義に当てはまるのでしょうか?もし当てはまるのであれば、副作用などに関して私は今後何に注意を払っていけば良いのでしょうか?色々質問ばかりで申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。
by りえ (2016-02-19 23:20) 

井原

はじめまして。
副腎皮質ホルモンがほぼ分泌しない状態にあり、筋肉などに痛みがあります。
昨日、神経内科で検査した結果コートリルの投与が始まりました。それまでは持病のアレルギー性鼻炎でセレスタミンを長く飲んでいたので、私見ですが副作用かもしれません。
肝臓の値は正常で女性ホルモンは正常に分泌しており、弊害としては太っていることと現在の筋肉痛です。
昨日、薬が代わったばかりなので不安があるのですが、恐らく刺激ホルモンが分泌していない状態なので、飲み続けることになります。
この場合コートリルは適切なんでしょうか?
よろしくお願いします。
by 井原 (2016-07-28 11:25) 

fujiki

井原様
おそらくセレスタミンの使用によって、
身体からのステロイドが抑制されたのだと思います。
こうした場合の補充にはコートリルが適切だと思います。
ただ、効果の持続は短いので、
切れた時に体調を崩しやすいのが欠点ではあります。
by fujiki (2016-07-28 11:44) 

井原

早々にお返事ありがとうございます。長くセレスタミン配合錠を最高で一日4錠飲んでおりました。それを体調不良から始めたダイエット(肥満外来での治療です)で少しずつ減らした結果1錠にまでした段階で、身体に痛みが出まして、実は母も(理由は違いストレスによるものらしいですが)副腎皮質刺激ホルモン単独欠損症という名前の病気でステロイドの量で痛みが軽減した経験があり、もしやと2錠に増やしたら痛みが軽減したという経緯があります。
いま、先生に相談した結果コートリル10mgを朝に一錠の処方になりました。
何科の病気ですかと聞いたのですが、先生曰く内分泌系内科ですが、検査結果に対して出来ることは変わらないとのことで、自分なりに心配し検索した結果御医院のblogに辿り着きました。
今後その神経内科の先生の元で治療をして行くのですが、先生の治療が正しいとわかり安心しました。
やはり4錠飲んでいた際はムーンフェイスでしたし、体調もよく無く太っていました。
体質的に改善されるのは、難しいことなのだろうと思いますが、少しでも健やかになりたいと希望しております。
難しい内容にお返事いただきありがとうございました。
頑張ります。
by 井原 (2016-07-28 17:37) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0