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プライマリケア医の緑内障診断 [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

土曜日ともなると、
さすがにしんどくて、
本当は朝から健診の整理をするつもりだったのですが、
何となくスキップしてそのままPCに向かっています。

さて、今日の話題です。

今日は緑内障の眼底画像をお見せします。

緑内障は一般的には、
目の中の圧力(眼圧と言いますね)、
が高くなることによって、
視野が欠けたり、視力が落ちたりして、
進行すると失明に繋がることもある怖い病気です。

最近では眼圧が見掛け上正常なのに、
同様の症状の出ることが、
問題となっています。
(正常眼圧緑内障と言いますね)

診断のためには、視野の検査、眼圧の検査、
眼底の検査などを、組み合わせて、
総合的に判断する必要があります。

健康診断では眼底の写真を撮ることがあり、
その判定は僕が行なう場合もあります。

以前にも1度書きましたように、
この眼底検査は基本的には、
目の病気を見付けるためではなく、
動脈硬化や高血圧、糖尿病といった、
全身の病気における血管の異常を、
判定するためのものです。

ただ、その時の眼底の検査で、
緑内障の疑われる事例が見付かる場合もあり、
眼科医への紹介を行なっています。

今日はそんな眼底写真のサンプルを、
お見せします。

まず、こちらをご覧下さい。


これは正常な方の眼底です。

矢印の先の丸い部分を、
「神経乳頭」と言います。
「視神経」という物を見る神経が、
ここから出入りしています。
よく見ると、丸は二重になっていて、
中に少し周りより白っぽい部分がありますね。
ここは周辺より少しくぼんでいて、
「生理的陥凹」と呼ばれています。

では、次をご覧下さい。


緑内障の方の眼底です。
神経乳頭の丸が、
いびつに変形しているのが分かりますか。

このように、神経乳頭が変形したり、
乳頭陥凹が大きく深くなるのが、
緑内障の眼底所見だと言われています。

この方は健診の写真で緑内障を疑い、
眼科へ紹介。
診断が付いて、治療を開始しました。

では、次をご覧下さい。


どうでしょうか。
特に問題はなさそうですよね。
ほぼ正常の眼底に見えます。
ただ、細かく見ると、僅かな変形は疑えそうです。

でも、実はこの方は、
眼圧の高いタイプの緑内障なんです。

通常の眼底の写真では、
診断の難しい場合がある、
という実例として、お示ししました。

では、最後の写真をご覧下さい。

神経乳頭と乳頭陥凹が、
どちらも大きくなっているのが分かりますね。
しかし、変形はありません。

この方は眼科へ紹介し、
詳しい検査をしましたが、
はっきりした所見がなく、
現在経過を観察中です。
眼圧は正常でしたが、
そうしたタイプの緑内障もあるので、
正常とも言い切れないのですね。

今日は緑内障の眼底の画像を見て頂きました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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