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採血の技術について [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は穏やかで、気持ちの良い朝ですね。
ただ、仕事は木曜くらいが、一番きついんです。
先がまだ見えない感じがしましてね。
でも、愚痴っても仕方がないので、何とか気分を奮い立たせます。

昨日、往診先で久しぶりに採血をしたんですが、
一回失敗しました。
Tさん、大変申し訳ありません。
普段ナース任せであまり採血をしていないので。
もともとそれほどうまい方ではないんですが、
矢張り腕は鈍りますね。

そんな訳で、興味のある人がいるかどうか分かりませんが。
今日は採血の手法についての話です。

採血されるのは、誰でも嫌ですよね。
でも、こればかりは当分、
それに変わる検査法が、開発される予定はなさそうですね。
血管を刺さないで、ごく微量の血液で検査出来る項目は、
大分増えたようですが、
誤差はどうしても大きくなりがちだと思います。
郵便健診なんてものもありますが、
私見では、あまり信用されない方が無難だと思います。

ただ、採血にはトラブルもありますね。
うまく取れなかっただけならいいですけど、
動脈が傷付いて腫れたり、
それに気付かないと、神経が障害されることも、
ない訳ではありません。

技術的に言うと、肘の内側は、血管(勿論静脈ですよ)
の下に、動脈と神経が並んでいるので、
針が静脈の下に入ると、
動脈を傷付けるリスクがあるのです。
神経は触れれば当然痛いですから、
直接針で傷付く心配は殆どないんですね。
しかし、動脈からある程度の量内出血があると、
それに圧迫されて、神経障害が生じることはあり得ます。

ごく身近で、健診の採血で神経障害の起きた例がありました。
ですから、原則肘の内側で採血するべきではないんですが、
意外に血管自体は浮き上がって、
よく見えるので、これならと思い、
選んでしまうんですね。

昨日の採血の失敗は、
血管の深さの判断ミスでした。
僕は血管まで一気に針を刺すんです。
慎重な人は確認しながら、ゆっくりと針を刺して行くんですが、
そうすると、痛いんですよね。
だから、これはこの深さで間違いない、
と思う時は、一気に刺した方が苦痛が少ないんです。
昨日は判断したより、血管が浅かったんですね。
それで失敗しました。

こんな話、あまり一般の方には興味がないでしょうかね。
もう、診療時間になります。
今日はこの辺で。
石原がお送りしました。
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