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大食いの科学について [科学検証]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

いつもより、少し早い時間にPCを開いています。
月初めは、レセプトのチェックという仕事があります。
医療機関は月の10日に、
前の月の診療内容をレセプトという形式でまとめ、
それを各健康保険組合に送ります。
その内容が査定され、決定された金額が、
大抵2ヶ月後に医療機関に振り込まれる仕組みです。
その内容に不備がないかを、一枚一枚確認する訳です。
今朝はその仕事を少しやり、そして今一息吐いている所です。

さて、今日はこれまでとはちょっと違う話題で、
ご機嫌を伺います。

大食いの番組というジャンルがあり、大食いタレントという職業の方もいますね。
最近「大食いを科学する」と称する番組が、
何本かありました。
民放のも、NHKのもありましたね。
大食いは科学的に、可能なんだ、
大食いタレントは巷で囁かれているような、
ある種のトリックは使っていないんだ、という趣旨なんですが、
さて、どうでしょうか。
僕はかなり懐疑的ですね。
以下、その理由を示します。

大食いとは、そもそもどんな技術でしょうか。
限りなく限界に近い分量の食物を、
胃の中に収めることですね。
食べて消化して、排泄する、その一連の行為を完結することではないし、
そのことの証明も求められてはいない訳です。
目の前にあった重量が消えて、胃という一定の容量の袋の中に移される、
ただ、それだけのことです。
それを素晴らしいと感じるも、驚異として感じるも、下らないと思うのも、
感性の問題です。

さて、人間である以上、口から入った気体以外の物質の経路は決まっています。
咽頭を通り、食道に入り、噴門という入り口から、胃という袋に入ります。
ここで、一定の消化、攪拌が行われ、通常一時間程で、
ゆっくりと、幽門という出口から、
十二指腸に入ります。

「大食いを科学する」番組によれば、大食いタレントの胃は、
食後に極度に膨らみ、殆ど腹部の90パーセントを占めるまでになります。
その前に腸に素早く送り出される、ということはないんですね。
最大容積は5キロ相当。
このくらいが入ると、胃はパンパンに腫れ上がった状態です。
胃の壁は、極限まで引き伸ばされています。
そもそも胃の食べ物は、胃の筋肉の蠕動という動きによって、
胃から押し出されるように腸に入って行く筈です。
紙みたいに薄くなった胃の壁に、
果たして腸に食べ物を送り出すだけの運動を、
可能とするだけのポテンシャルが残っているでしょうか。
その一方で、上の方には、圧力を少し掛ければ、
自然と食べ物が出る、道筋があるのです。
食べ物が、そこを通ってやって来た道筋がね。
力学的にそちらの方向に進むのは、きわめて自然なことですよね。

もう一つのポイントは、大食いタレントは何故太らないか、
という疑問で、
これについて、先の検証番組では、
彼らは代謝が常人より活発なので、太らないのだ、と説明されていました。
しかし、ちょっと代謝がいいだけで、たとえば6000キロカロリーを摂っても、
太らない、ということがあり得ますか。
それに、どれだけの熱量が必要でしょう。
それを代謝し切ってしまうようなカロリー消費が人間に可能だとしたら、
それはもう画期的なことですよ。
彼らが、猛烈に運動しているということもなさそうですしね。
既に、人間という概念では捉えられない存在だ、ということになります。
彼らは、エスパーかニュータイプですね。
そんなことが有り得ますか。

僕が考えるに、極めて結論はシンプルだと思います。
多分裏で指南している人がいるんでしょうね。
あれはおそらく、一定の訓練から生まれている技術だという気がするからです。

以上はただの想像です。
誰も非難するつもりはありませんし、決めつけるつもりもありません。
関係者がお読みになっても、怒らないで下さいね。

じゃ、そろそろ診療なのでこの辺で。
今日も一日、出来る範囲で頑張ります。
石原がお送りしました。
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