加藤健一事務所vol. 116「サンシャイン・ボーイズ」 [演劇]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ニール・サイモンの名作「サンシャイン・ボーイズ」が、
加藤健一事務所版として上演されました。
その本多劇場での公演に足を運びました。
言わずと知れた名作コメディですが、
アメリカのコメディアンが主役で、
劇中で往年の名作コントを演じる、
というような内容なので、
翻訳劇として上演するのは難しいところがあります。
今回は演出を含めて非常に頑張っていたと思うのですが、
それでも名作として紹介されるコントを含めて、
作品のギャグ自体にはあまり笑えませんでした。
英語のコントを日本語でやって面白い訳がないので、
それはもう仕方のないことだと思います。
今回は仲の悪い老境のコメディアン2人を、
加藤健一さんと佐藤B作さんが演じていて、
加藤さんの円熟味も勿論良かったのですが、
何と言っても佐藤B作さんが絶品で、
B作さんの芝居を生で観ることが出来ただけで今回は大満足、
舞台演技というものの究極の1つを、
観ることが出来たという実感がありました。
佐藤B作さんのお芝居を初めて観たのは、
1983年の東京ヴォードビルショー結成10周年記念公演で、
この時は本当に腹を抱えて笑いました。
今に至るまで、あれだけ笑った舞台はありません。
ただ、座長のB作さんの芝居については、
独特のイントネーションで、
不器用な力押しの美学、という感じがありました。
その後折に触れてB作さんの舞台には接していますが、
1983年の時以上に面白いと思ったことはありません。
ただ、「おや」と思ったのは、
2007年の「社長放浪記」で、
伊東四朗さんや三宅裕司さんなど錚々たる喜劇役者の手練れの中で、
1人だけ異質な個性が際立っていて、
その異様なテンションのまま孤立無援に駆け抜ける姿が、
とても魅力的に感じました。
最近では大河ドラマの「鎌倉殿の13人」にも登場して、
これがなかなか良かったですよね。
B作さんの芝居が、
今1つの完成形に近づいているような気がして、
その熱演を是非一度、
脳裏に焼き付けて置きたかったのです。
そして今回…
本当に素晴らしかったですよ。
異様で鋭利な個性はそのままに、
役作りがとても繊細で完成度が高く、
何処の一瞬の動きや声を切り取っても、
その役柄の芝居として完成されています。
唯一、再現された往年のコントを演じる時のみ、
動きも声も違和感を感じるくらい若いのですが、
加藤さんも同様だったので、
これは多分演出なんですね。
「過去が戻ったようにやって欲しい」ということなのかも知れません。
ただ、これは絶対間違いで、
前後の芝居との一貫性が感じられなければ、
意味がないように感じました。
それを除けばまさに絶品の完成度で、
特にラストの2人のやり取りには心が震えました。
公演はもう地方を残すのみのようですが、
また再演されることがあれば、
是非是非足をお運び下さい。
B作さん最高です。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ニール・サイモンの名作「サンシャイン・ボーイズ」が、
加藤健一事務所版として上演されました。
その本多劇場での公演に足を運びました。
言わずと知れた名作コメディですが、
アメリカのコメディアンが主役で、
劇中で往年の名作コントを演じる、
というような内容なので、
翻訳劇として上演するのは難しいところがあります。
今回は演出を含めて非常に頑張っていたと思うのですが、
それでも名作として紹介されるコントを含めて、
作品のギャグ自体にはあまり笑えませんでした。
英語のコントを日本語でやって面白い訳がないので、
それはもう仕方のないことだと思います。
今回は仲の悪い老境のコメディアン2人を、
加藤健一さんと佐藤B作さんが演じていて、
加藤さんの円熟味も勿論良かったのですが、
何と言っても佐藤B作さんが絶品で、
B作さんの芝居を生で観ることが出来ただけで今回は大満足、
舞台演技というものの究極の1つを、
観ることが出来たという実感がありました。
佐藤B作さんのお芝居を初めて観たのは、
1983年の東京ヴォードビルショー結成10周年記念公演で、
この時は本当に腹を抱えて笑いました。
今に至るまで、あれだけ笑った舞台はありません。
ただ、座長のB作さんの芝居については、
独特のイントネーションで、
不器用な力押しの美学、という感じがありました。
その後折に触れてB作さんの舞台には接していますが、
1983年の時以上に面白いと思ったことはありません。
ただ、「おや」と思ったのは、
2007年の「社長放浪記」で、
伊東四朗さんや三宅裕司さんなど錚々たる喜劇役者の手練れの中で、
1人だけ異質な個性が際立っていて、
その異様なテンションのまま孤立無援に駆け抜ける姿が、
とても魅力的に感じました。
最近では大河ドラマの「鎌倉殿の13人」にも登場して、
これがなかなか良かったですよね。
B作さんの芝居が、
今1つの完成形に近づいているような気がして、
その熱演を是非一度、
脳裏に焼き付けて置きたかったのです。
そして今回…
本当に素晴らしかったですよ。
異様で鋭利な個性はそのままに、
役作りがとても繊細で完成度が高く、
何処の一瞬の動きや声を切り取っても、
その役柄の芝居として完成されています。
唯一、再現された往年のコントを演じる時のみ、
動きも声も違和感を感じるくらい若いのですが、
加藤さんも同様だったので、
これは多分演出なんですね。
「過去が戻ったようにやって欲しい」ということなのかも知れません。
ただ、これは絶対間違いで、
前後の芝居との一貫性が感じられなければ、
意味がないように感じました。
それを除けばまさに絶品の完成度で、
特にラストの2人のやり取りには心が震えました。
公演はもう地方を残すのみのようですが、
また再演されることがあれば、
是非是非足をお運び下さい。
B作さん最高です。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。