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一乗谷朝倉氏遺跡石仏群 [仏像]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

少し前に福井から帰って来たところです。

今朝は結構な雪で心配しましたが、
特に列車の遅れはなく、
無事に時間通りに戻れました。

そんな訳で今日は福井県内の石仏を見て頂きます。

一乗谷に朝倉氏の遺跡が残されていて、
その2か所のお寺の跡に、
石仏が残されています。

いずれも室町時代に造られたもので、
合戦で戦死した将兵を弔うためのものと、
考えられています。

まずはこちらをご覧下さい。
福井石仏1.jpg
これは盛源寺というお寺の跡に、
残されている石仏です。

中央の地蔵菩薩が最も大きく、
次に大きいのがその左におられる、
不動明王です。
地蔵菩薩の像高は2.7メートルあります。

それでは次を。
福井石仏2.jpg

地蔵菩薩の近接です。
なかなか趣のある良いお顔をされています。
風化と苔むした感じが、
またなかなか良いのです。

もう1か所、
西山光照寺というお寺の跡にも、
石仏が残されています。

こちらをご覧下さい。
福井の石仏3.jpg
発掘された石仏を、
このように修復して安置し、
覆い屋を造って保護しています。
40躯近くありますから、
かなり壮観です。
丁度霰が降っていて、
立っているのも辛いコンディションなので、
長居は出来ませんでしたが、
晴れていればじっくり見ていたい雰囲気でした。

代表的なものを見て頂きます。
まずこちら。
福井の石仏4.jpg
盛源寺とほぼ同じ造形の地蔵菩薩です。
像高もほぼ同じくらいあります。

土の中に長くあったので、
あまり風化が進んでいません。
ただ、苔むした盛源寺像の方が、
今では趣を感じるのが石仏の不思議さです。

造形的には矢張り最も優れていると思います。

では次を。
福井の石仏5.jpg
遺跡中でも最も大きな不動明王です。
ただ、見てお分かりになるように、
ちょっと造形はアニメチックで、
あまり繊細さはありません。

最後はこちらです。
福井の石仏6.jpg
千手観音の石仏で、
あまり石仏としては作例のないものだと思います。
ただ、ちょっと千本の手の表現には、
無理があるように思います。

石仏は鎌倉時代までと、
室町以降ではかなりの差があり、
鎌倉までは仏教彫刻としての品格がありますが、
室町以降は石屋さんの工房の石造作品、
という感じが濃厚になります。

その点では物足りない部分があるのですが、
これだけまとまって同時期の石仏が拝める場所はそうはなく、
周囲のロケーション良さも相まって、
捨て難い雰囲気のある場所でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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