SSブログ

あなたに掛かった魔法 [身辺雑記]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は日曜日で診療所は休診です。

朝からいつものように、
駒沢公園まで走りに行って、
それから今PCに向かっています。

一昨日からまた妻が入院しているので、
気分はブルーです。
退院はいつになるのか分かりません。

昨日は夜の9時から床屋さんで髪を切りました。
以前利用していた床屋さんが、
急に店を閉めてしまって、
その2軒隣くらいにある、
別の床屋さんを今は利用しているのですが、
そのお店は奥さんが別の仕事でうんと稼いでいて、
旦那さんが余技でやっているので、
いつも開いているのではなく、
営業時間も特に決まっていないのです。
それで、電話でまずお伺いを立てて、
時間を調整してから行くのです。

昨日の午後に電話をして、
今日の日曜日はどうですか、
とお聞きすると、
日曜日は都合が悪いので駄目だけれど、
土曜日の午後はどうですか、
と言われたので、
夜遅くの時間になってしまうのですが、
と言うと、
ああ、それは全然遅くても構わないよ、
夜中でもいいよ、
と言われたので、
夜の9時からになりました。

不思議な床屋さんでしょ。

便利なのか不便なのか、
よく分かりません。

今日は雑談です。

ツィッターなどというものが出来てから、
「言葉の魔力」というものに、
改めて目を見開かされる思いがします。
それも概ね悪い意味合いのことです。

あれはただ文字を並べただけのものですが、
それが魔力を持って人間を支配し、
思想という得体の知れないものを操り、
人間を政治的にして、
党派を分け、
その間に争いをもたらします。

あのタイムラインと称するものや、
まとめと称するものを見ていると、
人間という動物が、
何故今不幸であるのか、
何故戦争などの殺し合いがなくならないのか、
何故権力者が支配を続けることが出来るのかが、
リアルに分かって恐怖を覚えます。

言葉は常に善悪を分け、
党派の争いを促し、
最終戦争に至るまで、
完全に相手を屈服させるまで、
その戦いの中断を許しません。

最近ある政治家の変節とされるものを、
ある経済評論家が評価したのですが、
その文章を読んだ時、
とても心が洗われるような清々しさを感じました。

何故そんな風に感情が動いたのかと考えてみると、
それは別に僕がその意見に賛同しているから、
ということではなく、
ああこの人は本当に純粋に、
心の底から相手の人の人間性を評価しているのだ、
ということが伝わって来たからだと、
後から思い至りました。

つまり、言葉に愛を感じたのです。

「はじめに言葉ありき」

これは事実だと思います。
人間の本質は「言葉」であって、
それが話されることと、
それが文字になることとは、
大きく意味合いが違うのです。

勿論その場で消えてしまう話し言葉より、
文字になった言葉の方が、
その「魔力」は強いのです。

それなので、
昔の権力者は、
文字が大衆に利用されることを怖れ、
書かれた文字を神格化し、
書物を厳重に管理することで、
自らの権力という魔力を、
守ろうとしたのです。

ところが、
パンドラの箱は開き、
「文字」は広く全てに近い人間に、
開放されました。

文字が完全に開放された姿が、
今のツィッターと称するものの実体です。

人間は常に言葉に縛られ、
言葉による支配を受けます。

その意味で、
人間の世界というのは、
「言葉」の魔法が支配する、
現実ではない魔術の世界です。

僕自身生まれてからこのかた、
多くの魔法を掛けられ、
多くの予言をされて、
その魔力に苦しみました。

それは、
「お前は思いやりの心が足りない」
とか、
「お前は結婚は出来ない」
とか、
「そんな身体じゃ30までも生きられないな」
とか、
「お前に運転免許は取れない」
とか、
「石原君はいばっているから、
遊びたくありません」
とかといった、
概ね子供の頃の友達や先生からの魔法です。

仕事柄、
色々とご苦労をされている方のお話も聞きますが、
「お前を生んだのは失敗だった」
とか、
「お前はそんな性格だから、
友達がいないんだ」
といった魔法を掛けられている方が多いのです。

ただ、
これはただの「言葉」で、
非現実的な世界の魔法です。

そして、
必ず魔法は解けるのだと、
僕は思います。

僕は意外と具体的な魔法を掛けられたので、
「いばっていて友達が出来ず、思いやりの心がない」
という魔法は解けていませんが、
30を過ぎても辛うじて生きていますし、
運転免許も取れましたし、
結婚もしたので、
「ああ、これはただの魔法だったのだ」
とそんな風に思うことが出来ました。

もっと深刻な魔法を掛けられた方も、
僕は必ず解けると信じています。

それはただの「言葉」で、
ただの魔法なのです。

ツィッターのような道具に、
思想や政治を語らせてはいけない、
と僕は思います。

たとえば、
ツィッターで、
目茶苦茶な暴言を吐く方達がいます。
彼らの主張する内容は、
とても了承することの出来ないものですが、
それでいて、彼らの言葉には人間味があり、
人間的な魅力もあることが、
しばしばあります。

その一方で、
極めてまっとうな意見を持ち、
多くの権威に守られている、
多くの肩書きをお持ちの識者とされる方の言葉が、
その裏に人間としての卑しさや、
根本的な人間への愛の不足を、
かいま見せることがあります。

言葉にはつまり、
こうした二面性があるのです。

魔術の道具としての言葉と、
その人間の本質を示す言葉とは、
元々別のものなのです。

この2つの言葉が乖離しているにも関わらず、
思想への批判がその人物の否定に、
直結し一切の躊躇が許されないところが、
「魔法としての言葉」の怖さです。

ただし、
純粋にその人を賞賛しその人への愛を語る時、
それは決してプライベートな間柄ばかりではないと思いますが、
その言葉の持つ二面性や乖離は、
「魔法のように」消え失せ、
そうした「愛の言葉」は、
どんな人の胸にも、
清々しく響くのです。

これは個人的な反省も含めて思うことですが、
ブログやツィッターなどの文章は、
本質的に人を非難したり、
政治的に活動したりするためのものではなく、
他人への愛を語り、
他者を本質的な意味で、
賞賛する道具として利用する時にのみ、
その本来の輝きを持ち、
邪悪な魔法を打ち払う、
真の魔力を持つのではないかと思うのです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
nice!(21)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 21

コメント 8

まみしゃん

奥さまがお元気になられるよう、心からお祈りしております。
先生も、くれぐれもご自愛くださいね。
by まみしゃん (2012-06-03 14:41) 

末尾ルコ(アルベール)

実に考えさせられます。
小さなコメント欄で「感想」などを書き切れるはずもないほどに。

ツイッタ-に関してはほぼ同じ意見です。
わたしはまだ利用しておらず、いまだに「利用検討中」ですが、ちょっと「愚劣な要素」多過ぎるメディアですね。
あの「中」へ入っていったいどうなるのか、という気持ちも非常に強いです。

奥さまのお具合が早くよくなりますよう…。

                                 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2012-06-03 16:32) 

ちばおハム

お見舞い申し上げます。

ツイッターは私は全く知らない世界なので、コメントできません。
ただ子どもたちをこの言葉の行きかう世界をどう紹介するのか、これが今の悩みの一つとなっています。
by ちばおハム (2012-06-03 18:05) 

yuuri37

おはようございます。ブルーな気分の先生にどんな言葉をかけたらいいのかなって、考え出したら13分も画面を見つめたままになってしましました。奥様が元気になる事を信じて、今日もみなさんと先生のために働きましょう。さあ、私も頑張るぞ(⌒-⌒; )
Twitterは、3が月ほどやっていましたが、恐ろしくなってやめました。私には耐えられない世界です。
by yuuri37 (2012-06-04 06:50) 

fujiki

まみしゃんさんへ
お気遣いありがとうございます。
まみしゃんさんもお身体ご自愛下さい。
長期の病院通いはきついですね。
by fujiki (2012-06-04 08:10) 

fujiki

RUKO さんへ
コメントありがとうございます。
あれは間違いなく敵味方を作るんですね。
最近では生保の問題もそうですが、
特定の意見の人に、
縦断爆撃にみたいに絡んで、
他人の意見を否定して、
執拗に攻め立てるのです。
勿論お金をもらってそうしたことをするような仕組みも、
あるのではないかと思いますが、
監視カメラで見張られているような恐怖感があります。
by fujiki (2012-06-04 08:15) 

fujiki

ちばおハムさんへ
コメントありがとうございます。
1つだけ言えることは、
もし僕の子供の頃にツィッターのようなものがあったら、
僕はとても今まで、
生き延びることは出来なかったと思います。
by fujiki (2012-06-04 08:16) 

fujiki

yuuri37 さんへ
お気遣いありがとうございます。
人生は…まあ色々とありますね。
お互いに頑張りましょう。
by fujiki (2012-06-04 08:17) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0