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今シーズンのインフルエンザの動向について [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。

本日は健康診断の結果説明会があるため、
午後6時には診療所を出ますので、
夕方受診予定の方は、
出来ればお早目にお願いします。

それでは今日の話題です。

今日は今シーズンのインフルエンザの動向についての話です。

東京の感染症情報でも、
チラホラとインフルエンザ検出の報がありますが、
本格的な流行には至っていないようです。

診療所で簡易検査で陽性となった方は、
まだありません。

現時点で今シーズンに流行の可能性があるのは、
2009年の所謂新型インフルエンザのタイプのものと、
それ以前から季節性インフルエンザとして流行していた、
A香港型(H3N2)と呼ばれるタイプのもの、
そしてB型インフルエンザの3種類です。

2009年以前に流行した、
Aソ連型というタイプのインフルエンザは、
タミフル耐性で集団感染の原因ともなりましたが、
昨シーズンは同じ抗原のパターンを持つ、
「新型インフルエンザ」に駆逐された格好になり、
流行はありませんでした。

今シーズンも流行しなければ、
おそらく流行の舞台からは、
撤退することとなりそうです。

そうなると、
新たなパンデミックが発生しなければ、
今シーズンは「新型」、A香港型、B型の、
3種類が流行の主体になりそうです。

そして、実際に今年9月以降、
上記の3種類のウイルスが、
既に国内で検出されています。

「新型」は10月に埼玉県において初検出されていますが、
急な高熱という典型的な経過のもので、
そのウイルスは当初の新型ウイルスと、
基本的に同一のもので、
大きな変異はありませんでした。

問題はA香港型です。

国立感染症研究所のレポートによると、
今年9月上旬の横浜での集団感染、
そして10月下旬の三重県の集団感染の事例の、
いずれにおいても、
それより以前の流行株とは、
遺伝子の変異のあるA香港型ウイルスが、
検出されています。

抗原解析の結果においては、
このウイルスは今年のワクチン株とは、
反応性の低いものであることが明らかになっています。

つまり、今皆さんが打っているインフルエンザワクチンは、
A香港型の今年の流行株に対しては、
全く無効とは言えませんが、
その効果は劣ることが想定されます。

今年のワクチンは、
「新型」とA香港型とB型の3価のワクチンで、
その組み合わせとしては、
流行株にドンピシャリなのですが、
実際には以前お話したように、
B型インフルエンザに関しては、
そもそもワクチンの効果は限定的で、
あまり効果は期待しない方が良く、
A香港型については、
変異したウイルスの流行が想定されるため、
その効果も限定的な可能性があるのです。
幸い「新型」に関しては、
ワクチンの効果は期待出来ると思います。

従って、ワクチンを接種された皆さんも、
A香港型とB型に関しては、
罹る可能性はある、
という想定を持って、
これからの流行時期を、
慎重に過ごして頂きたいと思います。

今日は今シーズンのインフルエンザの動向についての話でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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