当尾石仏の道と「笑い仏」 [仏像]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
朝から健診結果の整理などして、
それから今PCに向かっています。
今日は診療日ですが、
先日奈良に行った時の石仏参りの画像が、
結構残っているので、
今日は先日の奈良で拝した、
石仏の話の続きです。
奈良の北部、
実際の番地は京都府に属する辺りに、
魅力的な山里があり、
浄瑠璃寺、岩船寺という、
魅力的な寺院と共に、
当尾の石仏巡りと呼ばれる、
散歩道が整備されています。
浄瑠璃寺より少し山を登った所に、
岩船寺という山寺があり、
そこから山道が浄瑠璃寺の方向に下っています。
その道沿いに石仏があり、
ゆっくりと歩きながら、
30分くらいで浄瑠璃寺に達します。
当初はそんなつもりはなかったのですが、
岩船寺に行ったら、
非常に魅力的な石仏の写真があったので、
これはお姿を拝まねば後悔する、
と思って道を下りました。
まず、こちらを。
これが岩船寺の境内です。
十三重の石塔が手前に見え、
向こうに三重塔が見えます。
いずれも鎌倉時代に造られた重要文化財です。
ご本尊は平安時代中期の阿弥陀如来で、
重要文化財に指定されたなかなかの仏様です。
僕はこのお寺を参拝するのは、
小学校の時以来ですが、
その時とそれほど変わらない気持ちで、
訪れることが出来ました。
このくらいの規模のお寺が、
ある意味一番いいんですよね。
非常に心地良い気分で境内を巡りました。
そこから、
参道を少し離れて石仏巡りの山道に入ります。
こんな具合です。
道は非常に整備されていて、
このように手すりも付けられています。
歩き易くて快適なのですが、
もう少し不親切でも良いかな、
という気もします。
柳生街道の無愛想な歩き辛さが、
懐かしく思えます。
ただ、勿論こちらもありです。
では次を。
こんな岩が所々にあって、
なかなか趣きのある感じです。
こんな道を数分歩くと、
すぐに石仏が現われます。
こちらです。
大きな岩に彫り込まれた、
不動明王の磨崖仏です。
もう少し近付きましょう。
浅い彫り込みですが、
等身大のなかなか見事な造形です。
鎌倉時代後半の作との銘がありますが、
様式はもう少し古いもののように感じます。
ここからもう少し山道を歩くと、
この道筋の石仏のメインである、
「笑い仏」にすぐに達します。
こちらです。
「笑い仏」の掘り込まれた岩の全景です。
道筋のちょっと開けた場所にあります。
もう少し近付きましょう。
こんな具合です。
阿弥陀三尊の磨崖仏です。
元の岩が地盤の変動で傾いているのですが、
その傾き具合が、
非常に絶妙で、
ちょっとユーモラスな感じがするのです。
そのお顔に近付きます。
この特徴的な笑顔が、
「笑い仏」という通称の由来です。
鎌倉時代後半の作という銘があるのですが、
どうなのでしょうか?
端正で立体的な造形と、
その工芸品的な仕上がりは、
もう少し時代が下るように、
僕には思えます。
ただ、非常に心の和む仏様であることには、
間違いがありません。
お参りをして先に進みます。
そこから少し進むと、
山道から里に入り、
美しい山里が広がります。
こんな感じです。
もう1枚。
田畑の所々に、
道標と共に石仏がいらっしゃいます。
こちらは阿弥陀如来で、
南北朝時代の作です。
「笑い仏」は矢張りこれに近い造形のように、
僕には思えます。
では最後の画像です。
「藪の中三尊」と呼ばれ、
中央は地蔵菩薩で右が十一面観音、
そして左が阿弥陀如来です。
この雰囲気は割と典型的な、
鎌倉期の石仏だと思います。
ここから少し歩くと、
道が開けて九体阿弥陀で有名な、
浄瑠璃寺に至るのです。
仏像好きには絶対に外せないお寺です。
今日は当尾の石仏の道を巡りました。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
朝から健診結果の整理などして、
それから今PCに向かっています。
今日は診療日ですが、
先日奈良に行った時の石仏参りの画像が、
結構残っているので、
今日は先日の奈良で拝した、
石仏の話の続きです。
奈良の北部、
実際の番地は京都府に属する辺りに、
魅力的な山里があり、
浄瑠璃寺、岩船寺という、
魅力的な寺院と共に、
当尾の石仏巡りと呼ばれる、
散歩道が整備されています。
浄瑠璃寺より少し山を登った所に、
岩船寺という山寺があり、
そこから山道が浄瑠璃寺の方向に下っています。
その道沿いに石仏があり、
ゆっくりと歩きながら、
30分くらいで浄瑠璃寺に達します。
当初はそんなつもりはなかったのですが、
岩船寺に行ったら、
非常に魅力的な石仏の写真があったので、
これはお姿を拝まねば後悔する、
と思って道を下りました。
まず、こちらを。
これが岩船寺の境内です。
十三重の石塔が手前に見え、
向こうに三重塔が見えます。
いずれも鎌倉時代に造られた重要文化財です。
ご本尊は平安時代中期の阿弥陀如来で、
重要文化財に指定されたなかなかの仏様です。
僕はこのお寺を参拝するのは、
小学校の時以来ですが、
その時とそれほど変わらない気持ちで、
訪れることが出来ました。
このくらいの規模のお寺が、
ある意味一番いいんですよね。
非常に心地良い気分で境内を巡りました。
そこから、
参道を少し離れて石仏巡りの山道に入ります。
こんな具合です。
道は非常に整備されていて、
このように手すりも付けられています。
歩き易くて快適なのですが、
もう少し不親切でも良いかな、
という気もします。
柳生街道の無愛想な歩き辛さが、
懐かしく思えます。
ただ、勿論こちらもありです。
では次を。
こんな岩が所々にあって、
なかなか趣きのある感じです。
こんな道を数分歩くと、
すぐに石仏が現われます。
こちらです。
大きな岩に彫り込まれた、
不動明王の磨崖仏です。
もう少し近付きましょう。
浅い彫り込みですが、
等身大のなかなか見事な造形です。
鎌倉時代後半の作との銘がありますが、
様式はもう少し古いもののように感じます。
ここからもう少し山道を歩くと、
この道筋の石仏のメインである、
「笑い仏」にすぐに達します。
こちらです。
「笑い仏」の掘り込まれた岩の全景です。
道筋のちょっと開けた場所にあります。
もう少し近付きましょう。
こんな具合です。
阿弥陀三尊の磨崖仏です。
元の岩が地盤の変動で傾いているのですが、
その傾き具合が、
非常に絶妙で、
ちょっとユーモラスな感じがするのです。
そのお顔に近付きます。
この特徴的な笑顔が、
「笑い仏」という通称の由来です。
鎌倉時代後半の作という銘があるのですが、
どうなのでしょうか?
端正で立体的な造形と、
その工芸品的な仕上がりは、
もう少し時代が下るように、
僕には思えます。
ただ、非常に心の和む仏様であることには、
間違いがありません。
お参りをして先に進みます。
そこから少し進むと、
山道から里に入り、
美しい山里が広がります。
こんな感じです。
もう1枚。
田畑の所々に、
道標と共に石仏がいらっしゃいます。
こちらは阿弥陀如来で、
南北朝時代の作です。
「笑い仏」は矢張りこれに近い造形のように、
僕には思えます。
では最後の画像です。
「藪の中三尊」と呼ばれ、
中央は地蔵菩薩で右が十一面観音、
そして左が阿弥陀如来です。
この雰囲気は割と典型的な、
鎌倉期の石仏だと思います。
ここから少し歩くと、
道が開けて九体阿弥陀で有名な、
浄瑠璃寺に至るのです。
仏像好きには絶対に外せないお寺です。
今日は当尾の石仏の道を巡りました。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2011-08-20 08:20
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コメント(2)
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こういう思いがけない企画に遭遇すると、得をした気分で嬉しいです。
浄瑠璃寺は行きましたが、岩船寺は行ってません。私の場合たとえ隣にあっても訪れていないとかいうことは珍しくないのですけどね(笑)
まあ、そういう大ざっぱな人間というか、計画性がないというか・・・
ああー 最後がどうにも気持ち悪い、正面から見たい阿弥陀如が・・・
by yuuri37 (2011-08-21 00:52)
yuuri37さんへ
コメントありがとうございます。
ここは僕も当初は気にしていなかったのですが、
なかなか良いのでお勧めです。
岩船寺はご住職が茶飲み話みたいに、
本堂で説明をしてくれるので、
その雰囲気も良いのです。
こういうお寺は地方には多いのですが、
それで仏像も一流であるところが、
さすが奈良・京都だと思います。
by fujiki (2011-08-21 06:25)