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ワクチン行政の闇を考える [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から事務仕事をして、
それから今PCに向かっています。

それでは、今日の話題です。

先週から、長く不足の状態が続いていた、
季節性インフルエンザワクチンの流通が再開しています。

10月初めに季節性インフルエンザの接種が始まった時点では、
通常の5~7割程度の入荷しかせず、
今後の入荷予定は全く分からない、
と卸の方からは言われました。
もし11月の下旬に流通が再開するのであれば、
事前にそうした情報が、
何もないというのは、
あまりに現場にアンフェアな行政の態度ではないでしょうか?

実際に10月の下旬から11月の上旬には、
ワクチン不足のため、
多くの方にご迷惑をかけ、
ワクチンのご希望をお断りしたこともありました。

それが今になって、大量のワクチンが出回り、
今後も製造の予定があるとのことです。
「今更造られても…」と卸の方も呆れていました。

そう言えば、と思うことがあります。

何度か書きましたように、
国産ワクチンのメーカーは、
現在日本には4社あり、
その母体はそれぞれ違うにも関わらず、
あたかも行政の一機関であるかのように、
国の手厚い庇護の下に置かれています。

そこで、新型インフルエンザワクチンの、
第4回の出荷の予定を見ると、
不思議なことに、
4社あるワクチンメーカーのうち、
1社のみの出荷が今回はゼロになっているのです。

一体何故こんな奇怪なことになっているのだろう、
と思ったのですが、
どうもそれは新型ワクチンの製造を小休止し、
季節性ワクチンの出荷が再開したものだと、
今回の流通再開で合点が行きました。

このことから分かることが1つあります。

僕達は、今年は新型ワクチンの製造に振り向けるため、
季節性ワクチンの製造量は、
例年の7割程度に削減される、
という話を聞き、
それは製造量にも限界があるのだから、
仕方がないのだろうな、
と思っていました。

ところが、現実はそうではないのです。
ワクチンの原液がないのではなく、
要はそれを検品して瓶に詰める作業が、
その製造量を決定している訳です。

10mlの使い難いバイアルを強引に造ったのも、
瓶詰めの作業が10分の1で済むからです。
ワクチンの原液を、大切に使うのが目的ではなく、
効率の悪い作業をしているメーカーの、
勝手な言い分を、行政や偉い先生が、
何故か鵜呑みにしているだけの話です。

ワクチンの原液は、
一体実際にはどのくらいあるのでしょうか?

新型も季節性も、実は充分な在庫が既にあるのではないか、
というのが現在の僕の推論です。

ワクチン製造のボトルネックは、
実は原液の製造能力ではなく、
おそらくは瓶詰めや検品などの、
作業効率にこそあるからです。

お役所は4社あるワクチンメーカーに指示を出し、
その製造量を適宜調整させています。
10mlのバイアルを1社だけに造らせたり、
季節性ワクチンを急に1社だけに急遽追加で造らせたり。
4社は別々のメーカーである筈なのに、
護送船団のように行政の庇護の下に、
一体として行動しているのです。

国産4社のワクチンは、
あたかも全て同一の製品であるかのように、
「国産インフルエンザワクチン」として扱われ、
副反応の報告も、重症例や死亡例でこそ、
何処のメーカーのワクチンであるかが明らかにされますが、
副反応全体においては、
メーカー毎の差は決して明らかにはされません。
それは勿論、行政の指示の下にある点については、
4つの会社は同列の存在として行動しているのでしょうが、
4社の成り立ちは全然違い、
財団法人であったり学校法人であったりと、
その管轄も違う上に、製造ラインも異なり、
添付文書によれば、添加物にも違いがあります。
にもかかわらず、添付文書の、
効果や副反応の記述は全く同一で、
一字の違いもありません。

一体4社のワクチンが同一のものである、
という根拠が何処にあるのでしょうか?

4社のワクチンは別のものであるにも関わらず、
添付文書は殆ど同一のものが使われ、
そこに引用されている効果を示す資料は、
現状のワクチンとは無関係なものまで含まれています。
それぞれのワクチンを比較した試験などはなく、
今回の新型インフルエンザの臨床試験も、
使用されているのは、
そのうちの1社のワクチンのみです。

つまり、国産ワクチン全体の安全性や効果というのは、
実際には個別に検証されたことのない、
一種の幻想なのです。

現在のマスメディアの論調も、
専門家の見解も、
「国民全体が義務としてワクチンを打つべき」
と言わんばかりです。
各地で集団接種が部分的に行なわれています。
ワクチンを効率良く接種するため、
と言えば聞こえはいいですが、
これは要するに、
定期的な集団接種を復活させるための、
布石に過ぎないのだと僕は思います。

国産のワクチン産業というのは、
そのままでは滅んでしまう道を歩んでいる、
かつての恐竜のような存在です。

それが盛り返すためには、
子供の集団接種が再開され、
お子さんになかば強制的に、
ワクチンを打つことが是非必要なのです。

そのためには、
今回の新型インフルエンザワクチンを成功させ、
来年は集団接種を、という流れを作るのが、
メーカーと行政とそれに癒着した専門家の、
一貫した強い意志なのです。
従って、ワクチンの効果は殆ど検証されず、
副反応は黙殺されます。

インフルエンザに対する、
現行の日本のスプリットワクチンというのは、
ワクチン全体の中では、
効果の低い、言ってみれば不出来なワクチンです。

だって、そうでしょう。
ワクチンの効果は半年程度しか続かない、
と真顔で言われる専門家がいますが、
そんなナンセンスな話があるでしょうか?
実際に罹った時の免疫は、
少なくとも数年は感染を予防する力がある訳で、
それに近い効果がなければ、
打つことの意味合いは乏しい、と言わざるを得ません。

数ヶ月で既に失活してしまう免疫とは、
一体何でしょうか?
その明確なメカニズムを、
誰か説明して欲しいものです。
それは端から殆ど効果のないことの、
別の言い方に過ぎないのではないでしょうか?

ただ、そんなことは専門家は百も承知の筈で、
だからこそ、日本でもアジュバントを利用したワクチンや、
生ワクチンの開発が、進められているのです。

僕が言いたいことは、まずワクチンの効果を、
検証可能なレベルまで高め、
集団予防の効果があることを、
実証的なデータで示すことが先決だ、
ということです。
それがないのに、
取り敢えずワクチンメーカーに、
安定した利潤をもたらすために、
集団接種を復活させ、
それからゆっくりワクチンの改良を進めよう、
というのは、強毒性のインフルエンザならともかく、
現在の新型インフルエンザに対しては、
取るべき施策ではなく、
何より接種者の安全より、
メーカーの利益を優先する行為だと思います。

現行のレベルの効果のワクチンは、
慎重に個別接種する、
現行の体制が望ましいのだと僕は思います。

これから更に、ワクチンの集団接種の復活に向けての、
宣伝が強化されるのでしょうが、
それは決して接種する皆さんのためなどではない、
という事実を、是非心に置いて、
眉に唾を付けて、報道を見て頂きたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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コメント 22

angelo

はじめましてangeloです。
毎日、興味深く拝見させていただいております。

季節性ワクチンの接種の件でお聞きしたいことがあります。
10月24日(土)に小学2年生の娘が季節性ワクチン(1回目)を接種したのですが、28日(水)の夜に発熱し、翌日に新型インフルエンザと診断されました。
季節性ワクチンの2回目がワクチン不足の影響で、未接種の状態なのです。
1回目の接種後数日で新型インフルエンザに罹患しておりますし、今から接種したとして、効果はあるのでしょうか?

お手数をおかけいたしますが、ご教示いただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。

by angelo (2009-12-04 10:04) 

不安な母

ワクチンの事が知りたく調べてるうちに、こちらにたどりつきました。
私は、ワクチンの副作用などが不安で今年は季節も新型も子供に受けさせる気がありませんでした。また、数も少なく予約が取れないといわれていたのもあり、免疫を高める効果??があるらしい食事をとり、体力を保てる生活に心がけています。
ところが、お友達のママから、新型はまだまだ打てるか??だけに季節だけでも受けた方がいいらしいと、お医者さんが言ってると言われ・・・
それなら、と・・・予約を入れました。(季節は去年まで受けていたので)12月15日1回目の予定が、12月7日から3日と予定が変わり、昨日摂取してきました。また、一昨日新型ワクチンが入って、3日から摂取可能なので受けたらどうか??と予約1時間前に連絡をもらいました。かなり悩み、卵アレルギーでインフルワクチンは無理と言われていた知人の2歳になる子も連絡を受けて来ていました。アレルギー数が同じ子が受けて大丈夫だったから、うけてみないか??と言われたらしいです。私は、リスクを考えた上でも、新型を進める医師に感染するリスクの方が重いのかと思い、医師の幼い子にも同時摂取したことを聞き、(予約が早まった事、当日に新型が打てること・・・見えない力に打ちなさいと、言われているような気がして・・・)我が子6歳11歳にも不安山積みの中、摂取してきました。腫れる事もなく痛みもなく元気でいます。2回目、季節を14日新型を17日にと言われているのですが、(新型が間に合えば、14日同時摂取)期間に問題はないのでしょうか??季節と新型は別々なら1週間あけるとか、ネット上では色々な情報がありすぎて・・・病院では、集団摂取のためお話を聞ける感じではありませんでした。本来なら、基礎疾患、幼児、就学前の方が受けれるようでした。数年前に、調剤の方に薬を姉妹で間違われたミスがあり、数年間こちらの病院を避けていましたが、何十年も通っていたこと、調剤薬局ができたこと、ミスされたかたが辞められた事・・・とても、良くして頂いている事から、今年からまた通い始めていました。周りをみて、今回の娘の新型摂取は、そのときの気遣いかと感じました。母の気持ちをくみ、他の方にも兄弟摂取等配慮はあるようです。今、摂取して不安もあり、罪悪感もあります。
先生でしたら、14日季節17日新型摂取をどう思われますか??日にちをずらした方が良いのでしょうか??また、同時摂取は心配ないのでしょうか??副作用など、いつごろまで様子を見ているのがよいのでしょうか??受ける事は私が決めました、ただ不安で、こちらにたどり着き、先生のお話を伺ううちに、直接お話を伺いたいと思い、コメントさせて頂きました。お忙しいのに最後までお読み頂きありがとうございました。時間がありましたら、お返事を宜しくお願い致します。
by 不安な母 (2009-12-04 10:59) 

fujiki

angelo さんへ
コメントありがとうございます。

おそらく25日か26日に新型ウイルスに接触し、
感染が成立したものと考えられます。
(24日当日の可能性も、ゼロではありません)
この場合、1回目の接種が有効であったかどうかは、
判断出来ず、
初回の接種のつもりで、
もう1回の接種をするかどうか、
ということになるかと思います。

1回目の接種で抗体産生がある程度刺激され、
プライミング効果がある、と考えると、
別に2ヶ月後に2回目を接種しても、
その効果は1ヶ月後に打った場合と、
あまり変わらないと考えられます。

また、1回目の接種が無効であったと考えても、
2回目の接種はいつでもいい、
ということになります。

従って、これまでに季節性インフルエンザワクチンを、
何度か打ったことがあり、
これまでに副反応がなければ、
時期は気にせず、2回目の接種をしても、
問題はないものと考えます。

ただ、その場合の効果は、
かなり限定的なものではあると思います。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-04 13:43) 

fujiki

不安な母さんへ
コメントありがとうございます。

予防接種法の記述によれば、
通常別種の不活化ワクチンは、
1週間以上の間隔を空けて接種すべき、
と書かれています。
その理由は「ワクチンの反応が1週間でなくなるため」
とされています。
ただ、医師の判断で、同時接種は可能、
とも書かれています。

しかし、1週間でワクチンの反応がなくなる、
とはどういう意味でしょうか?

おそらくは以前の見解においては、
ワクチンの副反応は1週間以内に生じる、
という考えがあったのでしょう。
しかし、たとえば「ギラン・バレー症候群」は、
通常1週間以降に生じる副反応ですから、
その考えは基本的には成立しないのです。

つまり、1週間の間隔という意味は、
副反応がないことを確認の上、
次の接種を行なった方が安全である、
という考え方を元にしたもので、
その根拠は現在では怪しげなものに過ぎない、
という言い方が出来そうです。

2種類のワクチンを同時に打った場合、
両者の干渉が起こり得るのか、
という点については、
基本的には「それはない」
というのが公式見解です。
だからこそ、3つのワクチンを混ぜた、
「3種混合ワクチン」なるものも存在している訳です。
ただ、僕の意見としては、
そうしたことは有り得るが、
それがどれだけワクチンの効果や副反応に、
影響を与えているかは、
個々のワクチンによっても異なり、
未知数の部分が大きいのでは、
と考えています。

新型と季節性の同時接種は、
国の方針として認められています。
季節性のワクチン自体、「3価のワクチン」と言って、
3つのワクチンが1つになったものであり、
そもそもが同時接種であるからです。

従って、新型ワクチンの安全性が確認出来、
その効果が他の3つのワクチンと干渉しないことも、
同時に確認出来れば、
むしろ同時に接種することの方が、
望ましいのだと思います。

ただ、現時点では僕は同時接種はせず、
1週間の間隔は空けるようにしています。

その理由は、
新型ワクチンの安全性が、
現時点で確認されたものではないからです。

副反応はアレルギーや、
他のウイルス感染を増強するような作用
(これは教科書的なものではなく、
僕の推論です)
については、1週間の経過を見れば、
ほぼ問題ないと言えます。
ただ、「ギラン・バレー症候群」や、
「急性散在性脳脊髄炎」のような遅発性の副反応については、
接種後1ヶ月は注意が必要です。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-04 14:05) 

ペポ

今日のニュースに、ワクチン接種後死亡53例と↓なってました。
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/cabrain-25485.html

増えましたね。ずいぶん

先月25日に新型ワクチン接種を受けた4才児が29日から呼吸しておらず、1日ににくも膜下出血のため死亡。↓

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/incident/20091204dde041040093000c.html

簡易検査陰性、死亡後の遺伝子検査で新型インフル感染が確認。とありました。

厚労省がワクチン接種後の死亡事例を途中から公表しなくなったのは、↑のような事例が発生することを想定し、世間に知らせたくなかったからかなと勘ぐってしまいます。
お年寄りで病気がちな方の場合はそこまで目立ちませんが、健康な幼児となると、大変なことになるでしょうね。
この事例を、先生がどのような見方をされるのかが興味ありです。

特に問題なしなら、下の4才児にワクチン接種しようと思いますが、
これはちょっと、という感じでしたらワクチン接種を控えようと思います。
(どうも、上の子から感染しなかったようなので。)

by ペポ (2009-12-04 22:59) 

タミ

初めまして。タミと申します。二歳の息子をもつ母です。

実は…来週新型インフルエンザ予防接種を二歳の息子がするのですが、ネットで色々情報収集しているとワクチンの安全性が確立されてないというのをちらほら見て、すごく不安になっています。

で、上の方が書かれているように四歳のお子様がワクチン接種後くも膜下出血で亡くなられたと聞き…ワクチン接種を止めようかと思っています。

しかし…うちの主人がワクチン肯定派で(製薬会社に働いてる訳ではないのですが…。)ワクチンを打てば重症化を防ぐことが出来るのに何わけわからん事を言ってる!!ワクチン打たずに新型インフルエンザに掛かって死んだらお前の責任だ!!と怒ります…。


もしワクチンを打って死亡者や重症化した人間が多いというなら科学的根拠とデーターを用意して納得させろ!と…。


先生長々とすいません…。
先生の見解を教えていただけると大変有り難いです。
よろしくお願いいたします。
by タミ (2009-12-05 00:17) 

悩む母

お返事ありがとうございました。
いつも、どのワクチンを打つ時にもかなり悩みます。決めるのは私ですから・・・何が安全で大丈夫なのか??負担が多すぎます。自分のこの命に関するワクチンの時には特に・・・
母は強と言いますが、強くならずには子供は育てられません。
近い未来、安心して受けれるワクチンが出来るのを願ってやみません。
ネット等、情報が多すぎて不安も募りますし、私自身先生の考え方を持っています。先生がかかりつけの医師であったら、ワクチンは受けなかったと思ってしまいます。72歳になる甲状腺疾患がある母にもワクチンを受けさせない方が良いのでしょうね・・・
2回目のワクチンを受けないのは可能でしょうか??それとも、受けた方が良いのでしょうか??3日に同時でしたから、受けるとしたら、いつ頃季節??新型が良いのでしょう??
潜伏期・・・いったいいつ潜伏しているのか・・・
子供の様子を注意深く見ることに致します。
先生のような方が、沢山いられたら幸せですね(^-^)
長々と申し訳ありませんでした。
by 悩む母 (2009-12-05 07:38) 

fujiki

ペポさんへ
コメントありがとうございます。

死亡事例の発表は、
11月30日の検討会の資料以降は、
一般には伏せられているようです。
それで小出しの不充分な報道だけが先行するのは、
却って不安を煽る結果になり、
良くないのではないかと思います。

4歳のお子さんの事例は、
現時点の報道内容だけからは、
何とも言えませんが、
インフルエンザ感染後や、
ワクチン接種後数日の脳出血は、
時々報告のある事例であり、
何らかの関係はあるのではないか、
と思います。
ただ、極めて稀な事例であることは、
間違いはないと思います。

僕はこれは新型インフルエンザの感染の、
潜伏期に、ワクチンを打った事例で、
そのために免疫反応が過剰に起こり、
出血の誘因になった可能性はある、
という考えです。

ただ、勿論専門家は無関係の可能性が高い、
と判断されるのではないかと思いますし、
どちらが正しいかは、現時点では立証は出来ないと思います。

ワクチン単独にこうしたことが起こるとは、
考え難くく、何らかのお子さん側の要因も、
存在したのだとは思いますが、
現在はインフルエンザの流行期でもあり、
体調の悪い時期や、
周りで流行っている時期には、
接種は慎重に考えた方が良いかも知れません。

要するに通常では問題はないが、
インフルエンザの潜伏期の可能性がある時には、
接種は控えた方が安全ではないか、
というのが、現時点の僕の考え方です。

より具体的には…

①季節性ワクチンの接種を、まず先行して行ない、
1週間は体調の不良がないか様子を見てから、
新型の接種を行なう。
(以前季節性の接種をして、
特に問題がなければ、その限りではありません)
②ご兄弟や最近接触した方などが、
新型インフルエンザに罹って1週間以内には、
ワクチンの接種は控える。
また、保育園や学校での流行期も、
原則は接種は避ける。

重症な副反応はまっとうなワクチンであれば、
1万人に1人は起こらない、
頻度の低いものです。
しかし、確実に存在はします。

お母さんは接種後1ヶ月は、
慎重にお子さんのご様子を見てあげて下さい。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-05 08:23) 

fujiki

タミさんへ
コメントありがとうございます。

接種時の僕の現時点の注意事項は、
ペポさんへのレスをご参考にして頂ければと思います。

2歳のお子さんへのワクチンの効果が、
大人と比べれば低いものであることは事実です。
その副反応のリスクは、
季節性のワクチンと同等と考えれば、
それほど高いものではありません。
診療所で接種された1万例以上の方の中で、
重症の副反応の出た方は、
1例のみです。
しかし、ゼロではありません。

新型ワクチンの効果も副反応も、
それが季節性ワクチンと同等であるかどうかも、
現時点では分からない、というのが事実です。

より危険だという根拠もなければ、
安全だという根拠もありません。
それがある程度はっきりするのは、
来年になってからのことです。

4歳の亡くなられたお子さんに事例について、
現時点で断定的なことは言えませんし、
それだけでワクチンを控える理由には、
ならないとは僕も思います。

ただ、現時点でご不安があれば、
少し接種を遅らせて様子を見るのも、
悪い決断であるとは思いません。

ご主人とよくご相談の上、
接種を決めて頂くのが良いと思いますし、
それで得られた結果が悪いものになるとは、
僕は思いません。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-05 08:35) 

ペポ

ありがとうございます。
私も、潜伏期と接種の時期の一致か接種後すぐの感染が、稀に過剰反応を起こすのではと感じました。

なので、上の娘が新型に感染したばかりなので潜伏期の可能性もみ、しばらく間を開けて、また接種後すぐのインフルの感染リスクを減らす為、幼稚園の休みに入った後の接種を検討することにします。

幼稚園のお母さん方の間でも、かなり混乱がおきてますね。既に新型に感染した子にワクチン接種をすると言っているお母さんもいましたし・・。

先生の対応に感謝します。
私が、先生の患者であるならば、全幅の信頼を寄せることと思います。
渋谷区の方がうらやましいです。宮城県からでは通えませんが。
副反応の出られた方の回復を願います。
同時に先生が元気であれるよう祈りたい気分です。

by ペポ (2009-12-05 22:13) 

りむ

はじめまして。新型ワクチンの事を調べていてこちらにたどり着いた者です。
突然で失礼しますが、質問させてください。
こちらで勉強させていただいて、新型ワクチンの安全性と効果がまだはっきりしないと知りました。
私自身は妊婦で家族に幼児がおり、接種対象ではあるのですが、とりあえず年明けくらいまで接種は控えた方が良いように思っています。 
今週末に安全性検討会が開かれるようですし、その結果を確認するべきと思うので。
それにしても気になるのはワクチンの効果です。
先生は実際に診療にあたっていて、季節型・新型ワクチンが特に子どもに対して重症化を防ぐ効果があると感じられていますか?
そもそも重症化する人数が少ないので比較できないでしょうか?
データでなく、先生の感触で良いので教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
by りむ (2009-12-10 00:05) 

fujiki

りむさんへ
コメントありがとうございます。

僕の意見は、季節性インフルエンザワクチンには、
大人では一定の感染防御効果がある、
というものです。
それは、自分の関わっている企業や老人ホームでの、
集団接種の経過を見ると、
ほぼ全員が接種を行なう状態が数年続くと、
それまでは必ずあった集団感染が、
ほぼ完全に消滅するからです。
ただ、95パーセントが接種した寄宿舎で、
集団感染の発生した、という海外の報告もあり、
それに反する意見もあるのです。
僕はそれは1年のみの接種では、
そうしたことも起こるけれど、
ウイルスに余程の変異が生じない限り、
数年の接種を繰り返せば、
確実に効果はあるのでは、と考えています。
これは僕の経験上の推論です。

ただ、お子さんでの効果は、
必ずしも大人と同等には考えられません。
特に何度か記事にしたように、
日本の小児の接種量は海外より、
ずっと少なく、
お子さんに関しては、
「そこそこ安全性は確保されているが、
効果は乏しい」というのが、
僕の意見です。
以前行なわれていた小中学生の集団接種は、
「効果がない」との意見もあって、
中止されたのです。
それを翻すだけのデータが、
お子さんに対して現時点で蓄積されているとは、
僕には思えません。

りむさんの言われる通り、
脳症などの重症化の比率は、
極めて低いので、
「重症化」を防ぐ、という言葉の内容が、
脳症や心筋炎を指しているとすれば、
それを立証する信頼度の高いデータは、
僕の知る限りは存在しません。

「重症化予防」と称されているのは、
ワクチンを打った人の方が、
そのシーズンの入院の比率が少なかった、
というデータが元になっていて、
それも明確になっているのは、
高齢者であって、お子さんではありません。

季節性ワクチンも副反応がゼロではありませんが、
比較的安全性は確立している、
という考え方は出来ます。
(ただ、僕自身重症の副反応を、1例は経験しています)

新型ワクチンの効果と安全性については、
来年になってみないと、
何とも言えない、というのが実際のところです。

「季節性と同じ方法で作られているのだから、
新型の効果も副反応も、季節性と同等の筈だ」
と前回の検討会で発言された先生がいらっしゃいましたが、
同じワクチンの違うロットで、
副反応が異常に多い、などの事例は、
現実に存在しているのですから、
それは僕には暴論のようにしか思えません。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-10 08:48) 

りむ

お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
効果がはっきりするまで待つとタイミング的に意味が無くなりそうですし、見切り発車で打っても安全性に不安が残る。
悩ましいところですね。
これからも勉強させていただきたいので、無理の無い範囲で更新をお願いします。
どうもありがとうございました。
by りむ (2009-12-10 13:03) 

かなかな

先生、こんばんは。
ワクチンのことを調べていたら、こちらにたどり着き、とても興味深く拝見いたしました。

我が家も毎年、脳症防止のために季節性のワクチンをかかさず打っていました。
ですが、我が家の子供もそうですが、周りのお子さんでもワクチンを接種後、5日以内にインフルエンザにかかってしまうという事例を身近なところでもかなり耳にするようになりました。
内輪の母親の中でも「不活化ワクチンで発症しないといわれるが(だいたい接種直後に感染したのだと)まだ流行していない10月中の接種の数日でインフルエンザを発症するのはなんだかおかしいと」いう会話で盛り上がっています。そしてその場合、ほとんど家族感染もしないのです。

今回も先駆けて新型ワクチンを接種したお子様の中でも、接種直後体の調子がおかしくなった、新型インフルエンザになってしまったなど、実際に起こっています。みなさん病院では「ワクチンから発症することは絶対にないから副反応ではない」といわれたとのこと。

接種して数日で、もしインフルエンザ簡易検査したら、陽性になることもあるのではないかと素人的には思います。不活化ワクチンでも本当は発症することもあるんではないでしょうか。実際に試されたお医者さんはいないのかしら・・・。

我が家では、新型ワクチンに関してはかなり悩んでいるところです。
脳症を必ず防げるというのであれば、ぜひリスクを承知で接種したいところですが、接種しても脳症を防ぎきれないのであれば、わざわざリスクのあるワクチン(今回は特に安全性に不安があります)を、大切な子供の体にいれることはしなくてもいいのでは・・・と。

とにかく、子供を守るために、うったほうがいいのか、うたないほうがいいのか、日々葛藤です。
こんな日々悩ましい私に何かアドバイスをいただけたら、うれしく思います。
by かなかな (2009-12-10 19:40) 

fujiki

かなかなさんへ
コメントありがとうございます。

現在のスプリットワクチンは、
蛋白質の断片に過ぎないので、
それがたとえば打った人の咽喉の粘膜で、
増殖することは有り得ない、
と思います。
この点は「生ワクチン」とは基本的に、
全く異なる点です。

ただ、ワクチンによる抗原刺激の直後に、
ウイルスとの接触があると、
その症状が通常より重症化したり、
症状が変化したりすることは、
有り得るのではないか、というのが、
僕の現時点での考え方です。

実際には新型インフルエンザの不顕性感染はかなり多く、
通常なら症状の出ない感染が、
ワクチンの影響で顕在化する、
ということも有り得るのでは、
とも思います。

こうした相互作用は、
ワクチンでは有り得るものであり、
仮にそうだとすれば、
流行しているそのど真ん中の時期に、
わざわざ集団でワクチンを打つ、
という発想自体に、
問題があるのでは、という気もします。

インフルエンザ脳症がワクチンで予防出来る、
というのは僕に言わせれば、
「非科学的迷信」の最たるもので、
それを実証するようなデータは何処にもありません。
勿論感染自体を防御出来れば、
脳症も起こさない理屈ですが、
感染自体はするけれども、
脳症は起こさない、という理屈は、
ウイルスの量と脳症の発生とに、
はっきりとした因果関係がない以上、
ナンセンスの極みだと僕は思います。

重症化の予防という観点から、
可能性があるのは、
肺炎の予防だけだと僕は思います。
それが脳症や心筋炎と混同されているのが、
現在の大きな問題です。

現在お子さんに新型ワクチンを打つ意味合いは、
ある程度感染を防御出来る可能性と、
肺炎を起こし難くする可能性を、
期待して行なう行為だと僕は思います。

副反応が新型ワクチンに多いとすれば、
その理由は新型インフルエンザウイルスの振る舞いに、
ある種の特殊性があり、
これまでの季節性ウイルスとは異なる免疫反応を、
感染した人間に惹起する可能性があるからです。

その点については、
現時点ではまだ何とも言えません。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-10 21:31) 

RINGO

こんにちは。毎日のお仕事お疲れ様です。
6歳と2歳の子供を持つ母です。
素人の私たちにもわかりやすいブログでとても興味深く拝見させていただいております。
何度も同じような質問で恐縮なのですが、是非コメントをいただきたくお願いします。
10月初旬に2歳の子が、新型とマイコプラズマに同時に罹患しました。
その際、6歳の娘には症状がなく、2歳の子が退院後の一週間後に発熱しました。その前日から保育園のクラスは学級閉鎖となっていて35名中20名程は新型だったと思われます。
一日目午前38.6発熱後9時間後に簡易検査しましたが陰性、医師は可能性大のためタミフル処方されました。翌日は朝から37.0以下が続き深夜から次の日昼間にかけ再び38.5でした。
その後は解熱しました。
少しの関節痛、発熱前からの首の痛み以外は咳も少なかったようにおもいます。このタイミングでただの風邪の可能性もあると思われますか?
当初、親としましても8割がた新型だろうと思っていたのですがここにきて、少しワクチン接種に揺らいでいます。しかし副作用のことが気になり、どうしても接種にふみきれないでいます。
以前鹿児島の件で不完全な抗体の説も拝見しました。

それと、もしこれから強毒性?やタミフル耐性に変異したとなれば、今のワクチンでは重症化の予防になるかどうかわからない・・のですよね?
今までは発熱や2歳の子の気管支炎でもそれほど心配なく育児ができたのですが・・・。
アドバイスいただけるとうれしいです。





by RINGO (2009-12-11 12:07) 

つんこ

こんにちは
三歳の子供をもつ母です。
新型インフルエンザのワクチンについて調べていましたら こちらにたどり着きました。
分かりやすく書いてくださって、とても興味深く拝見させていただきました。

お忙しいとはおもいますが 質問させて下さい。

先週から夫の仕事の都合でアメリカに住むことになりました。
アメリカで子供に新型インフルエンザの予防接種を受けさせようか悩んでいます。
こちらでは、鼻にシュッとやるタイプのワクチンみたいなのですが、その安全性についてご存知でしたら教えて下さい。
過去の記事で、鼻からのは生ワクチンで、日本のよりも効果があるかも?。というような内容のことが書いてあったと思うのですが(あやふやですみません)副反応の方はどうなのでしょうか?
「アメリカ人は、安全性について疑問があるので子供に打たせたくないと言っている。」というニュースを日本で見たこともあり、不安です。

こちらにきてまだ日が浅いため(英語も話せないため)聞く人もおらず困っています。
お時間のあるときにでも、お返事いただけましたら幸いです。
by つんこ (2009-12-11 18:20) 

かなかな

先生、こんばんは。
ご丁寧なお返事ありがとうございました。

今まで行ったお医者さんでは、私が上記のような
話をしても「ありえない」とつっぱねるだけで、
いつも悶々としていました。

このように裏表なく先生自身のお考えを
率直に伺うことができて、とてもすっきりしました。

以前通院していたかかりつけ医に
「ワクチン接種していて脳症になったら大変な出来事だ」
「だからワクチン接種していれば脳症を防げる」
と聞いたことがあり、それを信じて毎年季節性を接種
していました。接種しながらも常に疑惑を持ち・・・・。

先生は、政府や製薬会社、ワクチン開発会社の
発言をうのみにせず、疑問があれば、真実に目をむけて
いかれている姿勢やそれを隠さずお話いただける誠実さ、
患者さんをとても大切に思う気持ちなど、
ブログの書き込みを拝見するだけで、感動し、
尊敬の念が湧いてきます。

先生のような誠実なお医者様におかかりしたいと
素直に思います。

これからも、インフルエンザワクチンに対する
疑問や不信など、圧力に負けず、真実に向かって
追っていただきたいと思います。

今後の安全なワクチンが普及されるようになるために。
がんばってください。
ありがとうございました。

PS.今年の新型ワクチンは見合わせることにしました。

by かなかな (2009-12-11 20:49) 

fujiki

RINGOさんへ
コメントありがとうございます。

難しいところですが、
インフルエンザ以外のウイルス感染の可能性は、
あると思います。
時間の経過からいって、下のお子さんからうつったとは、
考えられません。
新型の感染と決め付けるのは危険です。

厚生労働省の公式見解とは異なりますが、
僕は今のワクチンは、重症化予防を期待するべきではなく、
ある程度、感染を予防出来る可能性がある、
という観点で、接種の有無を決めた方が良いのでは、
と思います。

新型ワクチンのお子さんへの接種が、
現時点で特に危険性が高いとは思いません。
ただ、体調の良い時を選んで接種するのが、
適切だと思います。

タミフル耐性やD225Gのような変異は、
理屈から言えば、ワクチンの効果に、
それほどの影響は与えないのではないか、
と僕は思います。
ただ、一部で変異株にワクチンが効き難いのでは、
という報告のあることは事実で、
この辺は混乱もあり、
何とも言えないところだと思います。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-12 08:35) 

fujiki

つんこさんへ
コメントありがとうございます。

それはインフルエンザの弱毒生ワクチンです。
その効果は、理屈から言えば、
不活化ワクチンより効果がある筈なのですが、
実際にはそれほどの差はないようです。

ただ、身体の免疫力が低下していれば、
ワクチンによって、インフルエンザに感染してしまう可能性は、
僅かながら存在します。
(遺伝子組み換えのワクチンなので、
新型インフルエンザそのものに、
感染する訳ではありません)
また、打ってしばらくの間は、
インフルエンザの簡易検査は、
陽性に出てしまいます。

お元気なお子さんであれば、
その安全性は、
不活化ワクチンとほぼ同等と、
考えて差し支えはないと思います。

ご参考になれば幸いです。
by fujiki (2009-12-12 08:42) 

つんこ

先生 こんばんは。(こちらは夜です…)
お忙しい中、お返事ありがとうございました。

今は、普通に暮らしているだけでも不安な中、ご丁寧な回答をいただけて、とても感謝しております。
日本で打つワクチンと安全性にそう差がないということがわかり、ひとつ悩みが減りました。

こちらでは、新型インフルエンザなんて流行ってるのかしら?と思えるくらいです。
マスクをしている人もいないし、そんなニュースもあまり見ません。

夫の職場ではワクチンを打つ人もあまりいないと聞き(安全性の面やワクチンそのものにあまり意味がないなど)、やめておこうか、でも、みんなマスクをしていないということは、身内が感染している人でもしない→そういう人に接触する機会がある。という風にも取れるので、感染防止になるなら接種しようか・・・
など、悩みは尽きません

ですが、先生の記事を読んだりして、自分なりの解答をみつけ決めようと思いました。
本当にどうもありがとうございました。

これからも、拝見させていただきます。
先生もお身体に気をつけて がんばって下さい。



by つんこ (2009-12-12 15:59) 

RINGO

お忙しい中、ありがとうございます。
感染予防として考えるのがよいのですね。

もし仮に過去に罹患していたとして、ワクチン接種により
以前書かれていた「抗体依存性感染増強現象」の可能性
はあるのでしょうか・・・。
不活化ワクチンだから心配しすぎですか?
もちろん、通常の副反応はあり得ると理解しています。

ちなみに下の子はマイコプラズマと重感染で、主治医は
症状としてはマイコプラズマが強くでてこちらの菌が勝って(?)
インフル症状が和らいだようだね、とおっしゃっていました。
参考になれば幸いです。


by RINGO (2009-12-13 15:21) 

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