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豚インフルエンザの話 [新型インフルエンザA]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は第4土曜日で、
心療内科の専門外来と、
管理栄養士による栄養指導の日です。
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。

豚インフルエンザの話が報道されていますね。
メキシコとアメリカで豚インフルエンザがヒトに感染。
ヒトからヒトへの感染も確認され、
多くの死者も出ているとのことです。

新型インフルエンザというと、
鳥ばかりが注目されていましたが、
豚はイタチと並んで、
ヒトのインフルエンザが感染する、
珍しい動物なのです。
ヒトはインフルエンザウイルスを、
豚と共有している訳です。
従って、豚のインフルエンザはヒトにうつるし、
ヒトのインフルエンザも豚にうつるのです。

ヒトが豚を飼い、
狭い場所に閉じ込めて、繁殖させ、
食用にしているということは、
ある意味インフルエンザウイルスを培養し、
繁殖させているのと、
同じ意味合いになる訳です。
勿論それなりの感染対策は取られているのでしょうが、
そのリスクを100パーセント取り除くことは出来ません。

人間が家畜を飼育するという、
ある種身勝手な行為は、
常にそうした危険を伴っている訳です。
現在人間を悩ませている多くの感染症は、
人間が育て作り出したものとも言えるのです。
新型インフルエンザしかり、
狂牛病しかりです。

1976年に豚インフルエンザがアメリカで、
ヒトに感染して死者を出す事例がありましたが、
この時は大流行にはなりませんでした。
その時のウイルスは、A香港型の亜型だった筈です。
そのことは以前記事にしましたので、
もしよろしければ目を通して見て下さい。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2009-02-21

ね、こんなことを言うと自画自賛めいてあれですが、
結構先取りした話題でしょ。

ただ、勿論そんなことを言って喜んでいる場合ではありません。

まだ、今後の経過は分かりませんが、
深刻な事態になる可能性もある訳です。

以前の記事を読んで頂くと分かるように、
豚というのは、
ヒトインフルエンザの合成工場のような場所なのです。
鳥インフルエンザが新型インフルエンザになるのも、
豚の体内で起こる現象ではないか、
と言う研究者もいます。

現時点の情報では、
今回流行しているインフルエンザウイルスは、
Aソ連型の亜型のようです。
これが基本的に今ヒトに流行しているAソ連型のウイルスと、
その振る舞いがそれほど違っていないのであれば、
それほどの深刻さはないと考えられます。
しかし、新型インフルエンザの範疇に入るような変異を持つものであれば、
鳥インフルエンザほどではなくても、
かなり深刻な事態になる可能性があります。
通常ブタインフルエンザそのものがヒトに感染したとしても、
ヒトからヒトに大流行を起こすとは考え難いからです。

勿論今準備されている新型インフルエンザのワクチンなど、
100パーセント無効です。

ただ、直ちに豚インフルエンザウイルスのワクチンを開発すべきだ、
という今日の報道もありましたが、
1976年のアメリカの轍を踏んではならないと思います。

いずれにしても、
今後の報道を注視してゆく必要があります。
「世界同時不況」などより遥かに恐るべき事態が、
ほんの数日でやってくる可能性もないとは言えないのです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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