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百日咳の一例 [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から健診の整理などして、
それから今PCに向かっています。
今日は今のところ平穏です。

それでは、今日の話題です。

最近百日咳の大人の感染の、
確定例を経験しましたので、
ご報告します。
百日咳の診断については、
以前書きましたのでこちらをご覧下さい。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2008-06-28

患者さんは、20代の男性です。
10月初め頃より、
激しい咳の症状あり。
熱はなし。鼻水は出ますが、気になるほどではありません。
咳は少し痰の絡みがありますが、
どちらかと言うと、
コンコンという乾いた咳です。

咳の出現から5日後の百日咳の抗体の数値はこうです。
ワクチン株 40倍。
流行株 80倍。
ワクチン株というのは、
ワクチンを打っていると、
上がっている抗体で、
流行株というのは、感染により上がる抗体です。
この辺の詳しい内容は、
以前の記事をご覧下さい。

このパターンは、ワクチンを打っている若い人に、
典型的なパターンです。
この時点では百日咳の診断は出来ません。
ただ、激しい咳の症状から、
その可能性はあると判断し、
百日咳に効果のある、
クラリスロマイシン(商品名クラリス、クラリシッドなど)を、
10日間処方しました。

そして、10日後の再診の時、
再度抗体を測定しました。
その時点では、咳の症状はやや改善傾向にありました。
その結果がこうです。
ワクチン株 640倍。
流行株 1280倍。

流行株は16倍に上昇しており、
百日咳と診断しました。
感染により身体の中で抗体が作られ、
流行株が上昇したのです。
本来はワクチン株は上がらない筈なのですが、
交差反応と言って、
流行株が上がると、
それに引き摺られる形で、
ワクチン株も上昇したものと考えられます。

その後徐々に咳の症状は改善し、
現在に至っています。

百日咳の診断は、結構難しい場合が多いのですが、
今回かなりクリアに診断が付いたので、
今日はその報告をさせて頂きました。

今咳の風邪が流行っていますが、
その中には、結構百日咳が潜んでいることについては、
以前懐疑的な記事を載せましたが、
どうも事実のようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。


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コメント 2

acco

あ、まだ更新されてないですね・・・・
石原先生に何が Σ(・∀・;) !?
← きっと、お忙しいのでしょう・・・。
お身体ご自愛下さいね。
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★

昨日は診療時間過ぎに滑り込ませて頂いて、
済みませんでした m(・ω・)m
とっても助かりました(*^-^*)
スタッフの方々にも宜しくお伝え下さい。

ブログ、明日からも楽しみにさせて頂きます☆
(と、プレッシャーをかけてみたりして)

by acco (2008-11-16 18:29) 

fujiki

ご心配おかけして申し訳ありません。
更新しました。
金曜日もそうだったんですが、
丁度書こうというタイミングで呼ばれたので。
これからも、よろしくお願いします。
by fujiki (2008-11-16 22:17) 

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