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胃疾患画像集 [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日までと頼まれていた、
英文の診断書があったことを、
朝まですっかり忘れていて、
慌てて今書いて、
それからPCに向かっています。
本当は少し健診の整理もしないとまずいのですが、
まだ手付かずのままです。

それでは、今日の話題です。

今日は土曜日なので、
診療所で診断された症例の、
画像をお示ししたいと思います。

いずれも胃カメラの画像です。

まず、こちらを。

胃の中央くらいの位置です。
赤黒い出血が、
点々と胃の粘膜に付いていますね。
急性の出血性胃炎の所見です。

この方は腰の痛みがあって、
整形外科から処方された、
ロキソニンという痛み止めと、
ムコスタという胃薬とを一緒に飲んでいました。
ムコスタは胃の粘膜を保護すると言われている薬ですね。

ロキソニンはポピュラーな薬で、
それほど副作用が強いというイメージは、
持たれていない方が多いと思います。
おまけに胃薬と一緒に飲めば安心だ、
と思うでしょ。

ところが、決してそんなことはないんですね。
痛み止めはどんな薬でも、
必ずこうした出血性胃炎や胃潰瘍のリスクはあります。
ムコスタのような胃薬で、
それを予防することは出来ません。

ですから、痛み止めの使用は、
あくまで最小限の期間に限るべきなのです。
また、痛み止めに弱いかどうかは、
結構その方の体質に左右されます。
従って、1度でも痛み止めで胃を悪くした経験のある方は、
注意をしていなければ、いけません。

では、次を見て下さい。

これは良性の胃潰瘍です。
まだ、急性の時期のものですね。
これまた、痛み止めが原因となっていました。
ボルタレンという痛み止めを、
足の関節の痛みに使っていたのですね。
痛み止めを中止して、
酸を抑える薬を使えば、
普通2ヶ月できれいに治ります。

それでは次を。

どうでしょうか。
これも前の写真と同じ潰瘍です。
でも、ちょっと様子が違いますよね。
潰瘍というのは、火山のクレーターのようになっているのですが、
その周りの盛り上がりの部分が、
いびつで崩れたような感じになっているでしょう。

これは胃癌ですね。
それも進行した胃癌です。

この方は50代の男性で、
健診のバリウム検査で異常を指摘されたのですが、
この時点で既に肝臓に転移が見付かりました。

こうなると、
なかなか完治するのは難しいですね。
早期発見が求められる所以です。

今日は胃の画像あれこれ、
という感じで見て頂きました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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