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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
キラーズオブザフラワームーン.jpg
名匠スコセッシがメガホンを取り、
ディカプリオとデ・ニーロが競演した話題の映画が、
今公開されています。

上映時間206分、3時間半近いという大作で、
それで途中休憩なしというのは、
かなりの覚悟を要します。

ただ、
語り口は平明で奇を衒ったところはないのですが、
名匠の演出と堂々たる絵作りはさすがに見ごたえがあり、
名優の演技に見惚れているうちに、
それほどのストレスなく、
最後まで休憩なしで完走することが出来ました。

最近あまりない、
劇場公開映画らしい映画だと思います。
それでいてバックはamazonですから、
もう映画館で上映するために作られる映画というのは、
なくなる流れになるのかも知れません。

内容はアメリカの過去の先住民に対する犯罪を、
告発するノンフィクションの映画化で、
先住民の一家を次々と殺害して、
石油の利権を手に入れようとする悪党をデ・ニーロが演じ、
その甥で真相を知らないままに犯罪に加担する主人公を、
ディカプリオが演じます。

ただ、その素材からイメージされるような、
ドロドロした感じではなく、
語るべきことはしっかりと語りながらも、
タッチはドライで感情的ではなく、
誰にでも内容がそのまま伝わるような作劇となっています。
この辺りにもスコセッシの円熟が感じられます。

オープニングの町の描写が、
俯瞰やドローンの活用、
CGの節度のある使用などと相俟って、
スケール感とリアルさが両立されているのが好印象です。
その後の展開も殺される先住民一家の人物描写が巧みで、
家族の抗争劇として、
「ゴットファーザー」のような気分で観ることが出来ます。
その後はディカプリオとデ・ニーロの真向演技対決が、
これはもう映画ファンには至福の時間を約束してくれるのです。
ラストはタバコ会社がスポンサーの、
ラジオドラマとして締め括られるという、
そのアイロニカルでコミカルなオチも抜群で、
名匠の手際を心ゆくまで味わることが出来ました。

今映画らしい映画を観たい、
という向きには、絶対のお薦めで、
社会派映画と気合を入れるのではなく、
名匠と名優の名人芸を、
時間を忘れてゆっくりと味わうのが吉だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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