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国宝興福寺仏頭展 [仏像]

こんにちは。

六号通り診療所の石原です。

今日は祝日で診療所は休診です。
朝から訪問診療に行って、
それから神奈川の実家に帰る予定です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
国宝興福寺仏頭展.jpg
国宝興福寺仏頭展と題する展覧会が、
東京上野の東京藝術大学大学美術館で開催中です。

仏頭というのは、
山田寺仏頭とも呼ばれ、
白鳳時代(奈良時代前期)に造立された、
銅製の釈迦如来像の頭部で、
一時興福寺に運ばれて東金堂の本尊となり、
その後おそらくは落雷に撃たれて破壊され、
頭部のみが現存している仏様のことです。

室町時代に再度造られた釈迦如来像の、
台座の中に収められていたことが、
1937年に発見されるまで、
500年間は所在不明という、
不思議な運命を辿っています。

今回の展覧会は、
仏像好きには絶対の贈り物ですが、
それは仏頭そのものもさることながら、
かつて仏頭の周囲に安置されたと推測される、
鎌倉時代の見事な十二神将像と、
東京深大寺の白鳳時代の釈迦如来像が、
非常に素晴らしい展示環境で、
拝観出来るという点にあります。

仏頭自体も、
興福寺の国宝館で常時拝観は可能ですが、
ガラス越しではないものの、
少し距離があり、
また背後に廻ることは出来ない展示環境になっています。

それが今回の展覧会では、
かなり近距離からガラスなしに拝観することが出来、
背後に廻ることも可能です。

鎌倉時代の十二神将像は、
同時代の十二神将としては珍しく、
全てが国宝に指定されています。
保存状態も良く、非常に優れた仏像です。
これも常時興福寺の東金堂で、
拝観が可能ですが、
台座の上でかなり距離があり、
おまけに後方や他の仏様の背後に安置されているので、
全体像を見ることは非常に困難で、
数体は完全に隠れてしまっています。

それが今回の展覧会では、
広いスペースに余裕を持って安置され、
全ての仏像を、
360度ガラス越しではなく、
非常に近い距離で観賞が可能です。
平成9年の興福寺国宝展以来の東京お目見えですが、
展示環境は今回の方が遥かに良いと思います。

ライティングがややセンスのないのが残念ですが、
それ以外はこれ以上はないほどの、
素晴らしい観賞環境です。

更に深大寺の釈迦如来様も、
日頃はガラス越しの拝観で、
正面からしか拝観は出来ないのですが、
今回はこれもガラス越しではなく、
近接で背後にも廻って観賞が可能になっています。

他にも通常はあまり見られない、
興福寺の寺宝が展示され、
うっとりとした時間を過ごすことが出来ました。

お薦めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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コメント 4

今野祥山

うらやましい限りです。地元に在ってもほとんど正面からしか拝観できません。
仏像を彫る者としては、今は実物は無理でも多くの写真資料が手に入りますので良いのですが、昔は一番見たい所は想像しながらの製作で苦労しました。

by 今野祥山 (2013-09-23 14:58) 

fujiki

今野祥山さんへ
コメントありがとうございます。
でも矢張り京都や奈良がいいですね。
今回の展示は藝大だからかも知れませんが、
配慮のあるもので良かったです。
by fujiki (2013-09-24 08:12) 

さき

お疲れさまです。
この微笑みに癒されます。
立体感の秀逸さ、仏の慈悲が分かる感じです。
by さき (2015-04-09 20:21) 

fujiki

さきさんへ
コメントありがとうございます。
首から下が失われてしまったことが惜しまれます。
by fujiki (2015-04-10 06:15) 

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