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フッ素骨症とそのメカニズム [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に廻る予定です。

それでは今日の話題です。

フッ素は身体に含まれる微量元素で、
主に骨に取り込まれます。

正常な骨の発育に必要、
という意見がある一方で、
明確な必要性は認められない、
という意見があります。

虫歯予防にフッ素を使用する、
という予防法が、
アメリカ発で一時期流行しましたが、
その効果と安全性には、
これも疑問視する意見があり、
今はそれほど積極的には、
そうしたことが言われていません。

1つ明確なことは、
フッ素があるレベル以上身体に入ることが続くと、
一種のフッ素中毒症状が出現し、
その1つの表れとして、
骨へのフッ素の沈着が、
フッ素骨症という骨や周辺組織の変化を起こす、
ということです。

今月のthe New England Journal of Medicine誌に、
お茶の飲み過ぎによる、
フッ素骨症の事例が報告されていたので、
そちらをご紹介します。

患者さんは47歳で、
17年前から1日にティーバッグ100~150個分の、
紅茶を飲み続け、
5年前から全身の骨の痛みを訴えていました。
前腕の骨の画像がこちらです。
フッ素骨症画像.jpg
見えづらいのですが、
矢印の先に、
前腕の骨を結ぶ前腕骨間膜、
という部分の石灰化が認められます。

このようにフッ素は骨に取り込まれると共に、
骨の周囲の軟部組織に沈着し、
それによる骨とその周辺の強い痛みの原因となります。

フッ素は土壌中に存在しますが、
植物の中では特異的にお茶の葉に蓄積される性質があります。

これは紅茶に限らず、
緑茶でもウーロン茶でも同様で、
ある測定によると、
緑茶で0.328~0.741ppm、
ウーロン茶で0.354~1.77ppm、
紅茶で0.392~1.34ppm、
などとなっています。

この場合のppmは、
ほぼmg/Lと同じ意味ですから、
ウーロン茶の一部のものでは、
1リットルを飲むことにより、
1.77mgのフッ素が身体に入ることを意味しています。

フッ素はその多くが腎臓から排泄されますから、
同じ摂取量でも腎機能が悪ければ、
そのリスクは高まります。

一般的に1日8mgを越えるフッ素が、
慢性的に摂取されることで、
フッ素骨症が生じ得るとされていて、
上記の事例は1日20mgと推計されていますから、
かなりの大量です。

市販されているウーロン茶で換算すると、
濃度の濃いものでも、
1日4.5リットルにはなりますから、
通常は問題はなさそうですが、
ティーバッグなどで濃いお茶にして、
それだけで水分を摂ることを考えると、
リスクの高まるケースも想定されます。

お茶の飲み過ぎにも一定のリスクがあるということを、
心に留める必要はありそうです。

今日はお茶の飲み過ぎによる、
フッ素骨症の話でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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ピアソン

先生こんばんわ。いつもは読ませていただくだけなのですが、フッ素の話ということで、情報提供させていただきたくキーをたたきました。
近年、少しづつですが、歯科医師でもフッ素の危険性に気づき始めている方が増えているそうです。学校では「フッ素がイイ」と教えられるので普通ならそれが正しいと信じてしまうところだと思います。
フッ素の危険性を訴えるサイトも多いのですが、いくつかご紹介させていただきます。

フレンズ歯科クリニックさんのブログ
http://ameblo.jp/friends-dc/entry-11333645829.html
(ブログ内にはフッ素のタグがありますので、そちらも)

村上徹(歯科医師、医学博士)
フッ素毒警告ネットワークへようこそ
http://members.jcom.home.ne.jp/tomura/

フッ素化に反対する50の理由 翻訳・医学博士・村上 徹
http://members.jcom.home.ne.jp/emura/50reasons.htm

「THINKER」
http://www.thinker-japan.com/husso.html

I歯科医院の高楊枝通信
http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200910040000/
(ブログ内にはフッ素のタグがありますので、そちらも)

ご参考になれば幸いです。

by ピアソン (2013-04-03 23:15) 

fujiki

ピアソンさんへ
貴重な情報ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
by fujiki (2013-04-04 08:00) 

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