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食事と睡眠の間隔とダイエットとの関連 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
食事回数と間隔と体重減少.jpg
Journal f the American Heart Associatin誌に、
2023年1月18日ウェブ掲載された、
食事のタイミングと減量効果についての論文です。

肥満や内臓脂肪の増加が、
糖尿病や心血管疾患など、
多くの病気の原因となり、
適切に体重を管理することにより、
そのリスクの低減に繋がることは、
これまでの多くの臨床データから証明されている事実です。

ただ、それではどのようなダイエット(減量法)が、
科学的に正しいものなのか、
という点については、
あまり明確なことが分かっていないのが実際です。

古典的な栄養指導は、
1日3食に分けて定期的に食事を摂り、
夜の食事は遅くならないようにして、
朝食もしっかり摂る、というものです。

ただ、最近絶食(ファスティング)の有効性が指摘されるようになり、
以前にも何度か紹介していますが、
食事回数を減らして、
1日1から2食として食事間隔を長くした方が、
摂取カロリーが同一であっても、
減量のためには有効ではないかという見解が、
多く発表されています。

しかし、データは個別に見ると、
それほど規模の大きなものではなく、
その信頼性には疑問を呈する意見もあります。

今回の研究はアメリカにおいて、
547人の一般住民を対象とし、
スマートフォンのアプリを活用して、
体重の経過と食事時間、1回の食事量との関連を検証しています。
観察期間の中間値は6.3年です。

その結果、
起きてから最初の食事を摂るまでの時間や、
その日の最後の食事から寝るまでの時間、
睡眠時間のいずれも、
体重の変化との間に明確な関連は認められませんでした。
一方で1回当たりの食事量が500キロカロリー未満と少ない場合には、
その回数が多いほど減量効果が認められましたが、
1回に500キロカロリーを超える食事回数が多いほど、
体重は増加する傾向が認められました。

このように、
今回のデータは食事時間やファスティングのダイエット効果を、
否定するようなものとなっています。

ただ、これでファスティングの有効性が、
否定されたと言えるほどのものではなく、
食事量の影響は矢張り大きい、
ということを再認識させる結果のように思います。

ダイエットの問題は、
なかなか一筋縄ではいかないもののようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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