SSブログ

ダークチョコレートの糖尿病予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
色々忙しくはしています。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ダークチョコレートの健康効果.jpg
British Medical Journal誌に、
2024年12月4日付で掲載された、
チョコレートの種類と健康効果についての論文です。

チョコレートやココアには、
カカオ由来の生理活性物質(フラボノイド)が多く含まれていて、
代謝改善作用や抗酸化作用、認知症予防など、
多くの健康効果が指摘されています。

糖尿病のような生活習慣病に対しても、
カカオフラボノイドは有効と考えられますが、
その加工品であるチョコレートやココアは、
通常牛乳など多くの動物性脂肪を含む形で作られていて、
カロリーも高く脂質も多い、
という点がむしろ糖尿病などの悪化要因になる、
というジレンマがあります。

最近従来のチョコレートをミルクチョコレートとすると、
色々な名称がありますが、
よりカロリーを減らして、カカオの含量を増やした、
ダークチョコレート(これは上記論文の名称です)が登場し、
各メーカーはその健康効果を競って宣伝しています。

ただ、これまでチョコレートの健康効果についての研究は多くありますが、
従来のミルクチョコレートとダークチョコレートの健康効果を、
比較したような研究データは限られています。

そこで今回の研究では、
アメリカで看護師と医療従事者を対象とした、
大規模な疫学研究のデータを活用して、
チョコレートの種類と糖尿病への影響を比較検証しています。

登録の時点で糖尿病などのない、
トータル192208名が解析対象となっています。

その結果、
チョコレートを週に5回以上食べている人は、
殆ど食べていない人と比較して、
その後糖尿病になるリスクが、
10%(95%CI:2から17)有意に低下していていました。

ここでチョコレートの種類毎にみてみると、
ダークチョコレートのみの解析では、
週5回以上食べている人は食べていない人と比較して、
その後糖尿病になるリスクが、
21%(95%CI:5から34%)有意に低下していた一方で、
ミルクチョコレートのみの解析では、
糖尿病リスクの有意な低下は認められませんでした。

またミルクチョコレートの摂取は、
その後の体重増加と関連していましたが、
ダークチョコレートの摂取では、
そうした関連は認められませんでした。

このように、チョコレートの糖尿病予防効果は、
カカオ含量が多くてカロリーの少ない、
ダークチョコレートのみで認められていて、
こうしたデータを踏まえて、
今後より科学的な、
チョコレートの健康効果が確認されることを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(4)  コメント(0) 

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。