インフルエンザワクチンの急性腎障害予防効果(2024年韓国の疫学データ) [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談で都内を廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌に、
2024年9月付で掲載された、
季節性インフルエンザワクチンの接種が、
その後の高齢者の腎臓病に与える影響についての論文です。
脱水や感染、心疾患などに起因して起こる、
急性の腎機能の低下は、
特に高齢者においてその頻度が高く、
予後にも大きな影響を与える病態です。
これからインフルエンザの流行期に入り、
ワクチン接種も開始されますが、
インフルエンザ感染も、
急性腎障害のリスクの1つです。
インフルエンザ感染の予防のためには、
インフルエンザワクチンの接種が推奨されていますが、
その一方でインフルエンザワクチン接種後に、
急性腎障害が発症したという報告も散見されます。
実際に65歳以上の高齢者にインフルエンザワクチンを接種することで、
急性腎障害のリスクは増加するのでしょうか、
それとも減少するのでしょうか?
今回の研究は65歳以上の高齢者に対して、
無料のインフルエンザワクチン接種が継続され、
毎年80%を超える接種率が報告されている韓国において、
この問題の検証を行ったものです。
2018年から2019年のシーズンにおいて16713件、
2019年から2020年のシーズンにおいて16272件の、
急性腎障害の事例を解析したところ、
インフルエンザワクチン接種後1から28日の間に、
急性腎障害が発症するリスクは、
それ以外の観察期間と比較して、
2018年から2019年において17%(95%CI:0.79から0.87)、
2019年から2020年において14%(95%CI:0.82から0.90)、
それぞれ有意に低下していました。
このように、今回の検証においては、
インフルエンザワクチン接種は、
その後の急性腎障害の発症に対して、
予防的に働いている可能性が高く、
今後そのメカニズムの検証を含めて、
更なるデータの蓄積に期待をしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談で都内を廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌に、
2024年9月付で掲載された、
季節性インフルエンザワクチンの接種が、
その後の高齢者の腎臓病に与える影響についての論文です。
脱水や感染、心疾患などに起因して起こる、
急性の腎機能の低下は、
特に高齢者においてその頻度が高く、
予後にも大きな影響を与える病態です。
これからインフルエンザの流行期に入り、
ワクチン接種も開始されますが、
インフルエンザ感染も、
急性腎障害のリスクの1つです。
インフルエンザ感染の予防のためには、
インフルエンザワクチンの接種が推奨されていますが、
その一方でインフルエンザワクチン接種後に、
急性腎障害が発症したという報告も散見されます。
実際に65歳以上の高齢者にインフルエンザワクチンを接種することで、
急性腎障害のリスクは増加するのでしょうか、
それとも減少するのでしょうか?
今回の研究は65歳以上の高齢者に対して、
無料のインフルエンザワクチン接種が継続され、
毎年80%を超える接種率が報告されている韓国において、
この問題の検証を行ったものです。
2018年から2019年のシーズンにおいて16713件、
2019年から2020年のシーズンにおいて16272件の、
急性腎障害の事例を解析したところ、
インフルエンザワクチン接種後1から28日の間に、
急性腎障害が発症するリスクは、
それ以外の観察期間と比較して、
2018年から2019年において17%(95%CI:0.79から0.87)、
2019年から2020年において14%(95%CI:0.82から0.90)、
それぞれ有意に低下していました。
このように、今回の検証においては、
インフルエンザワクチン接種は、
その後の急性腎障害の発症に対して、
予防的に働いている可能性が高く、
今後そのメカニズムの検証を含めて、
更なるデータの蓄積に期待をしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。