SSブログ

「あの人が消えた 」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
あの人が消えた.jpg
テレビ畑の水野格監督による、
オリジナルのミステリー映画で、
「あなたの番です」風の設定でありながら、
二重三重に仕掛けのあるストーリーが展開します。

こういうものは大好物なので、
余計な情報が入る前にと、
公開初日に映画館に足を運びました。

感想は…

うーん、ちょっと微妙な感じでした。

以下明確なネタバレはありませんが、
内容に少し踏み込むところはありますので、
鑑賞予定の方は、
必ず鑑賞後にお読みください。

よろしいでしょうか?

それでは続けます。

これはそこそこ楽しんで観ることの出来る作品に、
仕上がっているのですが、
過去の有名などんでん返し映画の名作の趣向を、
かなり露骨にパクッているんですね。

それは主に2つの作品(映画)なのですが、
仕掛け自体と言うよりも、
その仕掛けが分かる瞬間の演出を、
ほぼそのままという感じで再現しているのです。

これはちょっとまずいですよね。

監督は「ブラッシュアップライフ」の演出で有名になった方ですが、
あの作品は脚本はバカリズムさんで、
過去作に影響されたような部分はあるものの、
基本的には作者のオリジナルな世界を紡いでいますよね。
タイムリープ的設定はありきたりのものですが、
それを活かす手法にオリジナリティがありますよね。

でも、今回の水野監督の脚本は、
ストーリーはオリジナルではあっても、
後半のポイントとなる部分の演出は、
ほぼその通りに過去作をなぞっているのです。

これがまずいと思うのは、
元になった過去作を観ていない人が、
この映画を観て衝撃を受けた場合に、
その後にオリジナルの作品を観ても、
もう初見の時の衝撃を受けることが出来ないでしょ。

これは絶対にやってはいけない掟破りのように、
個人的には思いました。

「あなたの番です」的に田中圭さんを出したり、
007シリーズ風の世界が挿入されたりするのは、
これはもうパロディとして成立しているので、
悪くないと思いますし、
他の映画の小ネタ的なものも、
悪くないと思うのですが、
どんでん返しの演出自体をそのまま再現するというのは、
小説であれば密室トリックをそのままパクる、
というのとほぼ同じことではないでしょうか?
監督はセンスと才能のある方だと思うので、
今後は是非再考して頂きたいな、と思いました。

そんな訳でちょっとモヤモヤする映画だったのですが、
こうしたオリジナルのどんでん返し映画は、
大好きであることは間違いがないので、
真の意味でオリジナルのどんでん返し映画を、
監督には是非期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
nice!(4)  コメント(0)