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ビタミンとミネラルのサプリメントの疾患予防効果の検証(2022USPSTFの提言) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
サプリメントの提言.jpg
JAMA誌に2022年6月21日掲載された、
ビタミンやミネラルのサプリメントの、
疾患予防効果を検証した、
米国予防医学専門委員会(USPSTF)の提言です。

ビタミンやミネラルのサプリメントは、
疲労回復や肩こり腰痛改善など様々な有効性を謳って、
多くの商品が販売されています。

ただ、その有効性はあまり科学的に実証されたものではありません。

今回の提言は、
米国予防医学専門委員会(USPSTF)でまとめられたもので、
ビタミンやミネラルのサプリメントが、
心血管疾患と癌のリスクに与える影響を、
これまでの臨床データをまとめて解析し、
その結果をまとめたものです。

その結果、
ビタミンとミネラルのサプリメントの中で、
明確に心血管疾患や癌のリスクの低下に繋がるものはなく、
βカロテンとビタミンEについては、
バランス的にむしろそのリスクを増加させる可能性があり、
その摂取は推奨されない、
と言う結果になっています。
マルチビタミンについては、
そのメリットとデメリットを評価することは困難、
という結果でした。

具体的には、
喫煙歴やアスベストの暴露歴のある人が、
1日βカロテンを20㎎から30㎎使用すると、
心血管疾患による死亡リスクと肺癌リスクを増加させる、
というデータが存在しています。
ビタミンEについては、
出血性梗塞のリスクを増加させる可能性が示唆されています。

これは心血管疾患と癌の予防という観点から、
サプリメントの有効性をみたものなので、
それ以外のサプリメントの有効性を、
否定するものではありませんが、
サプリメントは決して無害とは言えず、
昨日と同じ結論になりますが、
その使用は慎重に検討する必要があると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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