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新型コロナワクチンの2回目接種のアレルギーリスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療から産業医面談、
企業の新型コロナワクチンの3回目接種と続いて、
夜はまたRT-PCR結果の電話掛けと健康観察となる予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
新型コロナワクチンのアレルギー.jpg
JAMA Internal Medicine誌に、
2022年2月21日ウェブ掲載された、
新型コロナワクチン初回接種後にアレルギーが見られた場合の、
2回目接種のアレルギー反応重症化のリスクについての論文です。

新型コロナの2種類のmRNAワクチンについては、
トータルな安全性は高いことが、
ほぼ実証されていますが、
その接種開始の当初から、
そのリスクが問題視されていたのが、
アナフィラキシーなどの全身性また重篤なアレルギー反応です。

その頻度は、
重篤なものについては100万接種当たり7.9件と算出されていますから、
他のワクチンと比較して多いものではありませんが、
初回の接種で蕁麻疹などの反応のあった場合、
2度目の接種でより重症化して、
アナフィラキシーになるのではないか、という危惧があり、
初回にアレルギー反応があった場合の2回目接種は、
慎重に行うようにガイドラインにも記載されています。

ただ、本当に初回接種でアレルギー反応が生じた場合に、
次の接種で重症化のリスクが高くなるのかについては、
その時点で明確な根拠があった訳ではありません。

今回のデータは、
これまでのデータをまとめて解析したメタ解析で、
この問題の現時点での検証を行っています。

これまでの新型コロナmRNAワクチンの22の臨床データにおいて、
初回接種でのアレルギー反応事例トータル1366例を、
まとめて検証したところ、
2度目の接種での重篤なアレルギーの発症率は、
0.16%に留まっていました。
また初回接種で重篤なアレルギー反応を来した78例のうち、
2回目接種でも同じような重篤な症状が出現したのは、
4.94%に当たる4名のみでした。

このように、
現時点でハチ毒のように、
2回目の抗原刺激でより強いアレルギーが生じる、
という根拠は現時点ではなく、
アレルギー反応のリスクは、個別の接種において、
個別に判断するという方針で、
現時点では良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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