「ノイズ」(2022年映画版) [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診ですが、
夜はいつものようにRT-PCR検査の結果説明と届け出に、
クリニックに行く予定です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
筒井哲也さんの漫画が、
藤原竜也さん、松山ケンイチさん、神木隆之介さんという、
豪華なキャストで映画化され今公開されています。
鳴り物入りで公開されましたが、
もうロードショーは縮小していて、
来週で終了のところが多いようです。
これは大失敗ですね。
原作は単行本では3冊で完結のコミックで、
その意味では長編劇映画として過不足のない分量です。
ただ、画力で読ませるというタイプの作品なんですね。
物語の構成はかなり弱い部分があります。
また、悪党が生まれながらの凶悪犯という設定で、
人間性の欠片もないのですが、
それはコミックとしては成立しても、
実際に役者さんがそれを演じるということになると、
倫理的な面も含めて、かなりハードルが高くなるんですね。
猟奇的な場面もあるのですが、
今回の作品はおそらくレイティングなしの公開が決まっていたのだと思うので、
そこにかなり無理があったように思います。
要するに相当思い切って原作を改変しているのですが、
それが上手くはいっておらず、
原作の毒を削いでその魅力をなくし、
詰まらない設定変更や入れ事をして、
全てを台無しにしてしまった、という感じです。
まず原作の山間の田舎町を孤島にしていますよね。
でも、ただの思いつきなので、
孤島であることの意味がまるでありません。
藤原竜也さんの役柄は原作では離婚調停中なのですが、
映画は夫婦仲が良いという設定になり、
原作では主人公とは無関係の青年警官が、
映画では主人公達の幼なじみとなっています。
夫婦関係が良いのでは主人公2人の間の緊張感が出ませんし、
警官が幼なじみでは、
こちらも緊張感がないし、打ち合わせをしているのが見え見えですよね。
これは無関係だからこそ良いのですね。
駄目だなあ、という感じです。
映画を観て意味不明なところがありますよね。
子供の作文も良く分からないし、
最初に凶悪犯が何をしていたのか分からないし、
殺してしまう段取りも良く分からないし、
途中で急に死体が増えるのも唐突で不自然だし、
ラストのどんでん返し的な部分も良く分からないですよね。
これは全部原作にはない、
映画の入れ事か改変部分なんですね。
原作の構成もかなり荒いところはあるのですが、
こうした不自然な疑問を感じるような部分はないのです。
どうも「ファーゴ」みたいなものをやりたかった、
という感じは見えるのですね。
でも原作のタッチは決してそうしたものではないのに、
強引に「ファーゴ」にしているのが無理があるんですね。
また、演出がとても凡庸ですよね。
最初に島を俯瞰で見せて「田園」を流すでしょ。
何だろう、これ以上ないくらいの凡庸さですね。
重要な登場人物が途中で自殺するのですが、
死の直前の録画映像をワンカットで流しておいて、
銃を取り出すとカットを割るんですね。
それ、絶対駄目なやつでしょ。
銃を撃つところまでカットを割らないから、
こうした場面は意味があるのです。
本当にただの段取りだけで撮った映画だな、
という感じがします。
キャストもとてももったいないですよね。
脇に黒木華さんとか酒向芳さんとか迫田孝也さんとか、
曲者役者さんが沢山いるのに、
皆さん殆ど活躍しないのです。
詰まらないですよね。
そんな訳で魅力的な素材を、
皆よってたかって詰まらなくしてしまった、
というような感じの凡庸な映画で、
主役の役者さんのファン以外には、
とてもお勧めは出来ないタイプの作品でした。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診ですが、
夜はいつものようにRT-PCR検査の結果説明と届け出に、
クリニックに行く予定です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
筒井哲也さんの漫画が、
藤原竜也さん、松山ケンイチさん、神木隆之介さんという、
豪華なキャストで映画化され今公開されています。
鳴り物入りで公開されましたが、
もうロードショーは縮小していて、
来週で終了のところが多いようです。
これは大失敗ですね。
原作は単行本では3冊で完結のコミックで、
その意味では長編劇映画として過不足のない分量です。
ただ、画力で読ませるというタイプの作品なんですね。
物語の構成はかなり弱い部分があります。
また、悪党が生まれながらの凶悪犯という設定で、
人間性の欠片もないのですが、
それはコミックとしては成立しても、
実際に役者さんがそれを演じるということになると、
倫理的な面も含めて、かなりハードルが高くなるんですね。
猟奇的な場面もあるのですが、
今回の作品はおそらくレイティングなしの公開が決まっていたのだと思うので、
そこにかなり無理があったように思います。
要するに相当思い切って原作を改変しているのですが、
それが上手くはいっておらず、
原作の毒を削いでその魅力をなくし、
詰まらない設定変更や入れ事をして、
全てを台無しにしてしまった、という感じです。
まず原作の山間の田舎町を孤島にしていますよね。
でも、ただの思いつきなので、
孤島であることの意味がまるでありません。
藤原竜也さんの役柄は原作では離婚調停中なのですが、
映画は夫婦仲が良いという設定になり、
原作では主人公とは無関係の青年警官が、
映画では主人公達の幼なじみとなっています。
夫婦関係が良いのでは主人公2人の間の緊張感が出ませんし、
警官が幼なじみでは、
こちらも緊張感がないし、打ち合わせをしているのが見え見えですよね。
これは無関係だからこそ良いのですね。
駄目だなあ、という感じです。
映画を観て意味不明なところがありますよね。
子供の作文も良く分からないし、
最初に凶悪犯が何をしていたのか分からないし、
殺してしまう段取りも良く分からないし、
途中で急に死体が増えるのも唐突で不自然だし、
ラストのどんでん返し的な部分も良く分からないですよね。
これは全部原作にはない、
映画の入れ事か改変部分なんですね。
原作の構成もかなり荒いところはあるのですが、
こうした不自然な疑問を感じるような部分はないのです。
どうも「ファーゴ」みたいなものをやりたかった、
という感じは見えるのですね。
でも原作のタッチは決してそうしたものではないのに、
強引に「ファーゴ」にしているのが無理があるんですね。
また、演出がとても凡庸ですよね。
最初に島を俯瞰で見せて「田園」を流すでしょ。
何だろう、これ以上ないくらいの凡庸さですね。
重要な登場人物が途中で自殺するのですが、
死の直前の録画映像をワンカットで流しておいて、
銃を取り出すとカットを割るんですね。
それ、絶対駄目なやつでしょ。
銃を撃つところまでカットを割らないから、
こうした場面は意味があるのです。
本当にただの段取りだけで撮った映画だな、
という感じがします。
キャストもとてももったいないですよね。
脇に黒木華さんとか酒向芳さんとか迫田孝也さんとか、
曲者役者さんが沢山いるのに、
皆さん殆ど活躍しないのです。
詰まらないですよね。
そんな訳で魅力的な素材を、
皆よってたかって詰まらなくしてしまった、
というような感じの凡庸な映画で、
主役の役者さんのファン以外には、
とてもお勧めは出来ないタイプの作品でした。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。