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新型コロナmRNAワクチンの医療従事者での予防効果(アメリカ比較解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
mRNAワクチンの医療従事者への有効性.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2021年9月22日ウェブ掲載された、
新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への予防効果を、
実際の臨床データで解析した論文です。

新型コロナウイルスワクチンのうち、
ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社による、
2種類のmRNAワクチンの短期の有効性は、
ほぼ確立されたものと言って良いのですが、
その有効性の実臨床における比較データは、
まだそれほど多くある訳ではありません。

今回のデータはアメリカの医療従事者への接種結果を解析したものです。

遺伝子検査もしくは抗原検査で診断された1482の感染事例と、
年齢などをマッチさせた3449名のコントロールを比較して解析したところ、
ワクチンを2回接種して7日以降の有症状感染予防効果は、
ファイザー・ビオンテック社ワクチンで88.8%(95%CI:84.6から91.8)、
モデルナ社ワクチンで96.3%(95%CI:91.3から98.4)、
と算出されました。
この予防効果は年齢が50歳未満と50歳以上で違いはなく、
基礎疾患や人種による差もありませんでした。
ワクチンの有効性は2回目接種後3から8週と比較して、
9から14週では低下する傾向を示しましたが、
かなりのばらつきが認められました。

このように、
mRNAワクチン2種の有効性は、
今回の医療従事者のデータでも確認されていますが、
抗原量の多いモデルナ社ワクチンが、
ファイザー・ビオンテック社ワクチンと比較して、
やや高いという結果が得られており、
これは最近の臨床データにおいては、
ほぼ一致した傾向であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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