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2021年劇団☆新感線41周年興行秋公演 いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
狐晴明九尾狩.jpg
劇団☆新感線の本公演が、
今赤坂ACTシアターで上演されています。

これは東京では久しぶりの大掛かりな新感線の公演、
という感じです。
昨年も公演はありましたが、
新型コロナ流行期ということで、
時間も短くキャストも少ないという、
縮小版のような舞台でした。

今回は安倍晴明と中国から渡って来た九尾の狐が戦うという、
かなりステレオタイプな感じはありますが、
如何にも王道の「いのうえ歌舞伎」という内容です。
キャストも人気者を揃えていますし、
古田新太さんも橋本じゅんさんも参加しないというのは、
少し寂しい感じはありますが、
長さも3時間を超える、
堂々たる演劇大作です。

演出は非常に洗練されていますよね。
歌舞伎役者とのコラボも多かったですし、
歌舞伎の演出技法を、
しっかり自家薬籠中の物にしている、
という感じがします。
ラストで九尾の狐がバーンと出て来るでしょ。
あれはもう海老蔵の新作歌舞伎のテイストですよね。
それから映像のクオリティも抜群だと思います。
これはIHIシアターでの経験が活きているという気がします。

内容は…
今回はちょっと物足りなさはありました。

メインが中村倫也さんと向井理さんなのですが、
2人とも舞台上で殆ど動かないんですね。
激突するという筈なのですが、
殺陣らしい殺陣もありませんし、
中村さんはゆっくり回転するだけくらいの動きですし、
向井さんも動かないで術を掛けるようなところだけなんですね。
お2人ともお忙しいですし、
練習時間もあまり取れなかったのかも知れません。
多分あまりアクションが得意というタイプでもないんですね。

これでは幾ら特殊効果が充実していても、
肉体の競演としてのお芝居としては、
盛り上がらないな、と感じました。

作品自体としても、
かなり予定調和的で平板な感じで、
「これを今是非作りたい」というようなパッションは、
あまり感じられませんでした。

まあ、今回は新感線としてはコロナ禍からの肩慣らし、
という感じかも知れませんし、
今後の作品での復調を期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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