「レミニセンス」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ヒュー・ジャックマンが主演のSFスリラー映画を観て来ました。
これはまあ、予測はしていたのですが、
B級でしたね。
クリストファー・ノーラン監督の名前を、
宣伝で矢鱈と出していて、
でも、製作は弟のノーランで、
本人とは関係ないのですよね。
こういう宣伝をする時は、
大抵内容にはそれほどの自信がないのです。
それから、ヒュー・ジャックマンが、
普通の「人間」で主役を演じているのですが、
これまで散々超人やヒーローを演じているので、
その「普通のダメ男」ぶりに違和感があるのですね。
シュワルツネッガーの「トータルリコール」みたいな感じです。
これは近未来を舞台にしたハードボイルドなんですね。
まあ「ブレードランナー」と同じ路線なのですが、
内容的にはもっと小粒でチマチマしています。
何らかの原因で水没しているアメリカの都市が舞台で、
戦争もあったらしく、人心は荒廃しているのですね。
そこでは記憶を取り出して映像化する技術があって、
その映像取り出しのプロが、
ヒュー・ジャックマン演じる主人公で、
ある時レベッカ・ファーガソン扮する謎の美女に恋をします。
過去の映像と現実が交錯すると言うと、
如何にも「インセプション」のような世界を想像するのですが、
実際には「現実と思ったら記憶の再現だった」という場面は、
最初の方で1回あるだけで、
それも特に意外という感じではなく、
それ以降はそうした混乱は全くありません。
お話自体にも全く意外性のようなものはないんですよね。
ヒロインの造形も魅力に乏しく、
これならヒュー・ジャックマンがいつもの大暴れをすれば、
すぐに事件は解決してしまいそうですが、
設定上は主人公は周りに助けられてばかりのダメ男なので、
それがどうもモヤモヤしてしまって、
あまり盛り上がらないのです。
悪党も小粒で盛り上がりません。
演出もとても凡庸で特色がありません。
可もなし不可もなしという感じ。
水没した街というのは魅力的なのですが、
その設定もあまり活かされているとは思えませんでした。
これね、
たとえばSF映画の鬼才、
ドゥニ・ビルヌーブが監督したら、
きっと最初の水没した街の移動撮影だけで、
ワクワクした気分になったと思いますし、
物語はそのままでも傑作になったかも知れませんよね。
今回は凡庸な演出とビジュアルセンスにより、
あまり元気の出ないB級ハードボイルドの凡作となっていました。
暇つぶしに映画でも、という向き以外には、
あまりお勧め出来る作品ではありません。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ヒュー・ジャックマンが主演のSFスリラー映画を観て来ました。
これはまあ、予測はしていたのですが、
B級でしたね。
クリストファー・ノーラン監督の名前を、
宣伝で矢鱈と出していて、
でも、製作は弟のノーランで、
本人とは関係ないのですよね。
こういう宣伝をする時は、
大抵内容にはそれほどの自信がないのです。
それから、ヒュー・ジャックマンが、
普通の「人間」で主役を演じているのですが、
これまで散々超人やヒーローを演じているので、
その「普通のダメ男」ぶりに違和感があるのですね。
シュワルツネッガーの「トータルリコール」みたいな感じです。
これは近未来を舞台にしたハードボイルドなんですね。
まあ「ブレードランナー」と同じ路線なのですが、
内容的にはもっと小粒でチマチマしています。
何らかの原因で水没しているアメリカの都市が舞台で、
戦争もあったらしく、人心は荒廃しているのですね。
そこでは記憶を取り出して映像化する技術があって、
その映像取り出しのプロが、
ヒュー・ジャックマン演じる主人公で、
ある時レベッカ・ファーガソン扮する謎の美女に恋をします。
過去の映像と現実が交錯すると言うと、
如何にも「インセプション」のような世界を想像するのですが、
実際には「現実と思ったら記憶の再現だった」という場面は、
最初の方で1回あるだけで、
それも特に意外という感じではなく、
それ以降はそうした混乱は全くありません。
お話自体にも全く意外性のようなものはないんですよね。
ヒロインの造形も魅力に乏しく、
これならヒュー・ジャックマンがいつもの大暴れをすれば、
すぐに事件は解決してしまいそうですが、
設定上は主人公は周りに助けられてばかりのダメ男なので、
それがどうもモヤモヤしてしまって、
あまり盛り上がらないのです。
悪党も小粒で盛り上がりません。
演出もとても凡庸で特色がありません。
可もなし不可もなしという感じ。
水没した街というのは魅力的なのですが、
その設定もあまり活かされているとは思えませんでした。
これね、
たとえばSF映画の鬼才、
ドゥニ・ビルヌーブが監督したら、
きっと最初の水没した街の移動撮影だけで、
ワクワクした気分になったと思いますし、
物語はそのままでも傑作になったかも知れませんよね。
今回は凡庸な演出とビジュアルセンスにより、
あまり元気の出ないB級ハードボイルドの凡作となっていました。
暇つぶしに映画でも、という向き以外には、
あまりお勧め出来る作品ではありません。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。