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「先生、私の隣に座っていただけませんか?」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
先生、私の隣に.jpg
これは新鋭の堀江貴大監督が、
コンテストに持ち込んだ企画の映画化で、
黒木華さん演じる漫画家が、
今は自分に寄生するような生活をしている、
柄本佑さん演じる夫の不倫と、
自分の不倫をモチーフにした漫画を描く中で、
その虚実が不確かになってゆく、
という物語です。

如何にも漫画が原作のように感じますが、
そうではなくて映画のオリジナルなのです。

これ確かにあらすじだけを読めば、
面白そうな話なんですよね。
企画コンテストで受賞したのも頷けます。

ただ、映像化されてみると、
正直あまり面白くはありません。

何より地味ですよね。
虚実の肝となる漫画も、
実際の連載ではなくて、
ただの下書きを夫が読んだ、
という話になっているんですね。
要するに柄本佑さんの頭の中だけで展開する話で、
映像的な動きが殆どないんですね。
登場人物もメインは数人ですし、
その関係性も基本的には、
最初から最後までほぼ変わりません。
舞台も限られた場所だけで、
とてもとても省エネに作られています。

もう純粋な心理劇、という感じですよね。
それを2時間の劇場公開映画にするというのは、
かなり難易度が高いように思いますが、
実際には特別込み入ったことをする訳ではなく、
その心理劇が淡々と進むだけです。

劇場用映画としてこれでいいのかしらと、
最後までその疑問が消えませんでした。

主役の2人は想像し得る限り理想的なキャストですよね。
監督のイメージ通りです。
ヒロインの母親に風吹ジュンさんというのも、
まあ、どれだけこうした役をやったのかしら、
と思うくらいのド定番ですよね。
そこまでイメージ通りだと、
逆に新鮮味はほぼゼロ、という感じになるのですね。
物語にもう少し厚みがあり、
「これからどうなるのかしら?」
というドキドキ感や、
映像的に凄みや新鮮味のある表現がないと、
とても観客を2時間惹きつけられないと思うのですが、
そのどれもがない、というのがこの映画です。

巻頭10分でちょっと頭を抱えるような感じがあって、
それでも意外などんでん返しのようなものも、
ちょっと期待して観続けたのですが、
最後まであまりそうしたことはなく、
とても淡々と終わってしましました。

決して悪い素材ではないと思いますし、
配信サイトなどで制作した単発ドラマとしては、
良いのではないかと思うのですが、
劇場公開して足を運ぶようなものではない、
というのが正直な実感でした。

予告編は結構巧みに出来ていたので、
つい騙されてしまいました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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