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極私的新型コロナウイルス感染症情報(2021年9月3日) [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

今日はいつものクリニック周辺の感染症情報です。

先月(8月)は141件のRT-PCR検査を行ない、
そのうちの58件が陽性でした。
陽性率(41.1%)も検体数もこれまでで最も多くなりました。

前回の感染症情報で、
全てデルタ株という説明をしましたが、
その後8月26日に1件のみ、
アルファ株が検出されました。
そのため58件中57件がデルタ株、
ということになります。

保育園の感染が増えているのも今の特徴で、
多くは家族内感染からの持ち込みです。

ある事例では父親がまず感染して、
それから母親と2歳の子供が検査で陽性となったのですが、
検査結果が伝えられて以降も、
母親は保育園には言わずに子供を通わせ続け、
そこから2歳児のクラスに感染が広がって大騒ぎとなりました。

こんな有様ですから感染は簡単には収束しません。

8月中旬まで、
発生届は伏字でファックスをして、
それから保健所に電話をして、
伏字の部分などを補足説明していたのですが、
ある時に保健所の方から、
「対応し切れないので、伏字なしでファックスを送って、
もう電話はしなくて結構です」
と言われました。

きちんと患者さんのニュアンスを説明するのは、
主治医としての義務であると感じていたので、
釈然とはしなかったのですが、
再三そう言われたので、
それ以降はファックスのみを流すようにしました。

それが8月23日に届け出をした患者さんが、
8月30日になっても保健所から連絡がない、
という連絡がクリニックに入り、
驚いて保健所に確認したのですが、
「そんな報告は届いていないので再度送って下さい」
とまるでこちらが悪いような応対です。

ただ、僕とスタッフでダブルチェックしていて、
ファックス送信の確認もしたのですが、
間違いなく23日にその患者さんのファックスは、
保健所には送られていました。

しかし、それを言っても、
責任のなすり合いになるだけなので、
グッとこらえました。

それ以降は、
まず患者さんに説明する時に、
「保健所から2日以内に連絡がない場合は、
手違いがあるといけないので、
必ずクリニックに連絡をして下さい」
という文言を入れるようにしました。
また、ファックスは伏字なしで送りますが、
その後に保健所にも電話はして、
「大変お忙しいところ恐縮ですが、
○○さんのファックスが届いているかどうかだけ、
確認をして頂けないでしょうか?」
と丁重に確認はするようにしています。

何かあると結局は、
全て医療機関のせいにされてしまうので、
嫌な話ですが、
自分の身は自分で守るしか仕方がありません。

最近は症状があっても、すぐには医療機関を受診せず、
1週間以上してから受診をされる方が多くて、
その点も頭を悩ませることが多いのです。

10日前からだるさと微熱があって、
5日前からは味覚障害があって、
3日前から咳が出ている、
というような方が陽性になると、
何処を発病とするかでとても悩みます。

10日前というような話になると、
もう体調が良ければ療養期間終了、
というようなことになってしまうのですが、
その判断が正しいのかどうかは、
極めて疑問です。

つい最近の事例では、
本人の申告では10日前からの発症で、
症状は軽いもののだるさが続いていて、
ホテル療養となり療養期間は終了したのですが、
その後の受診時にはレントゲンで軽度でしたが肺炎像があり、
発熱もあって、
とても療養期間が終わっているとは言えない状態でした。

結局本人の申告で発病を決めると、
現状はこうしたことが起こってしまうのだと思います。
この辺についても、
もう少し柔軟で実用的な基準が欲しいと思います。

9月に入り、
クリニック周辺でも検査の陽性率は、
明らかに低下はしています。

ただ、感染が収束するような行動を、
多くの方が取っているとはとても思えない状況なので、
素直に喜ぶような状況とは思えません。

何処までこうした状況が続くのか分かりませんが、
やれることを可能な範囲で、
継続はし続けたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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