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「ゴジラvsコング」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ゴジラ vs コング.jpg
東宝ゴジラ映画のリニューアルと言った雰囲気の、
公認アメリカ映画のシリーズ第4作が、
今ロードショー公開されています。

前作の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」は、
「三大怪獣地上最大の決戦」が元ネタでしたが、
今回は題名の通り、
「キングコング対ゴジラ」が元ネタで、
そこにもう1つのゴジラシリーズの有名キャラが登場し、
更には地球内部の空洞を探検する、
「地底旅行」の趣向まで盛り込まれた、
相当に盛りだくさんの内容です。

ゴジラシリーズなどの、
東宝円谷特撮映画は、
公開当時は子供だましで恥ずかしいと、
日本の観客には相当に馬鹿にされていた訳ですが、
今では立派な世界的カルトですし、
その内容も意外に今でも成立するアイデアの宝庫です。

僕はリアルタイムでロードショーで観たのが、
「ゴジラ対ヘドラ」や「ゴジラ対ガイガン」くらい。
「怪獣大戦争」と「ゴジラ対モスラ」は、
確かリバイバル公開があってそれで観ました。
また、当時は東宝映画祭りとして、
「地球防衛軍」や「キングコング対ゴジラ」が、
短縮版として一緒に上映されていたのも一緒に観ました。
ドラマの部分をズタズタにカットした、
今思えば酷い上映でしたが、
当時は娯楽映画を再上映時に短縮版にするのは、
興行的には普通のことでした。
それから、旧作は主に池袋文芸座と大井武蔵野館の、
特集上映で鑑賞しました。
「怪獣総進撃」は近くの神社で野外上映会があったのを覚えています。

特に感心したのは「地球防衛軍」で、
あれは今観てもワクワクしますね。
大スクリーンで観る、富士の裾野の決戦は圧巻です。

「キングコング対ゴジラ」は、
東宝のサラリーマン喜劇と、
怪獣映画をミックスした作品なんですね。
「怪獣来るぞ」「何処に疎開しよう」みたいな、
怪獣がいる日常が、
結構コミカルに描かれていたのが印象的でした。
ただ、短縮版のためにフィルムがズタズタにされてしまったため、
その後修復はされましたが、
完全版は長く存在しない状態でした。

今回のモンスターバースシリーズは、
東宝特撮映画の後期に、
アメリカとの合作映画が何度か作られたのですが、
それに似た雰囲気の作品になっています。
一番似ているのは、多分「キングコングの逆襲」ですね。
そして、海をコングを輸送するところ、
一旦心停止したコングが電気ショックで蘇生するところ、
最後に海に逃れて終わりになるところは、
オリジナルを尊重しています。

それを変にリアルにすることなく、
お間抜け上等で最新の技術で映像化しています。

怪獣同士のバトルは確かに見応えがあるのですね。

特にキャメラワークが自由自在で、
物凄いスピード感で上から下から、海の中までと、
目まぐるしく動き回り、
2大怪獣の激闘を盛り上げます。

ただ、全部CGでしょ、という感じは濃厚にあるので、
昔特撮映画を観た時のような感激はないのですね。
CGも最初に「ジュラシックパーク」の第1作を観た時は、
結構興奮したものですが、
そうした興奮もないのは仕方がありません。
「あー、やってるな」という程度の感じではあります。

怪獣達に比べると、
人間の方はあまり目立ったドラマはなく、
役者さんも皆あまりしどころはないという感じですね。
かなりドラマパートは短縮されたようですし、
それも怪獣2匹を主役に据えよう、
という作り手の方針なのだと思います。
確かにキングコングは本当に表現力や演技力が豊かで、
アカデミーの俳優賞も、
これからはCGキャラが受賞する時代になるかも知れません。
それに引き換え、人間の役者さんの方は、
紙芝居のような、
吹けば飛ぶような役柄が殆どです。

これで本当にいいのかしら?

難しいところです。

小栗旬さんも、役柄としては謎の悪役で、
決して悪くはないのですが、
台詞は10もないくらいですし、
ラストはかなりお間抜けな感じでお気の毒です。
でも、他のキャストも皆どっこいどっこいでした。

このシリーズはいつもラストに予告みたいな場面が付くのですが、
今回は何もありませんでした。
多分一旦打ち止めになるのでしょうか?
残念な気もする一方で、
こんなものを量産するのもなあ、
という気もしてしまいました。

そんな訳でなかなかのクオリティのCGショーの大作ですが、
かつての怪獣映画に感じたワクワクは、
個人的にはあまり感じることは出来ませんでした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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